二宮 仁 弁護士
依頼人から刑事記録などを受け取り、詳しく記録を検討したあと、事故現場に行きました。車の行き来が多く、とても赤信号を無視して、渡れるような場所ではありませんでした。その後、自賠責の被害者請求をし、自賠責等級2級の認定がされるとともに、自賠責金が入金されました。 そして、地方裁判所に訴訟を提起しました。被害者は青信号で横断歩道を歩行したから、被害者過失は0%であり、加害者に100パーセントの過失があり、加害者は被害者が赤信号を無視して横断したとして、被害者に70%の過失があり、加害者30%の過失だと主張しました。証拠としては、実況見分調書・加害者供述調書・第三者供述調書・信号サイクル表などがあり、原告被告双方から主張が繰り返され、激しい議論になりました。 最初は、単独裁判官の審理であったのですが、途中で重要案件とのことで、合議で3人の裁判官で審理することになりました。 裁判官3人・被告代理人・原告代理人等で交通事故現場にも行きました。当職は交通事故現場で裁判官と会話を交わしたのですが、3人の裁判官の意見が必ずしも一致していないような印象を受けました。その後、被告と原告の本人尋問も行われました。最後に裁判所から和解勧告がなされましたが、原告は和解勧告を断り、判決を求めました。 判決書は41ページにもなるものでした。被害者の過失25%、加害者の過失75%との判決がなされ、当初の過失割合は逆転しました。被害者は、自分には過失はなかったとの主張でしたが、控訴して再逆転する可能性もあることから、この判決で良しとする方向で決着することにしました。被告からも控訴はなく、判決が確定しました。被害者は自賠責金と判決で認められた金額で約9600万円を獲得することになり、さらに、労災保険金も加わりますので、総額約1億2000万円を得ることとなりました。
加害者は、被害者が赤信号を無視して歩行してきたから、過失は30%しかないと主張し、3500万円で示談提案がなされたが、裁判では過失割合は逆転し、自賠責等も含めると総額約1億2000万円を獲得できた事例の
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