坂野 真一 弁護士
【1】1審の判決文をみると、お金を貸したという事実すら認めてもらえない、完全敗訴の判決でした。控訴審においては、証拠を精査した上で1審判決の矛盾を突き、論点を絞って戦ったところ、高等裁判所では、相手方女性にお金を貸した事実は認めさせた判決を得ることが出来ました。結果的には愛人関係に基づいた公序良俗違反が認定されたため、お金を返してもらえなかったのは残念でした。しかし、相手方女性にお金を貸した事実を認めさせたことは、後に女性から提訴された、仮差押えに基づいて損害が生じたとする損害賠償請求で大いに役立ち、660万円の請求をわずかな金額を支払う和解で済ませることが出来ました。【2】この案件は妻が、夫からの収入について複数口座を複雑に経由させて引き出し、しばらく日をおいてから別口座に移すなどしており、立証は困難を極めました。しかし、エクセルの表を使うなどして関連性が強いと思われる金銭の動きを目に見える形で裁判官に示すように粘り強く対応しました。その結果、高等裁判所の担当裁判官は、確実な証拠は無いものの、妻が財産を保持している可能性はかなりあると思われると心証を開示して、強力に和解を勧めた結果500万円は妻が保持していることを前提とした和解に漕ぎ着けることができました。【3】申立書に不正確な記載が複数あったり、法律的に微妙な問題を孕む事件ではありましたが、女性から時間をかけてこれまでの経緯を聞き取り、書面を作成した結果、無事保護命令がおりました。相手方は不服申立をしましたが、高等裁判所は不服申し出を棄却しました。
離婚・男女トラブル~多数取り扱ってきた中で、特に印象に残っている事件をいくつか取り上げます。の
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