北神 英典 弁護士
男性から本格的に依頼を受けた私は、男性の気持ちが折れることがないよう、時間のある時はできるだけ警察署に出向いて男性を励ますことに努めました。警察というものは、容疑者に対して疑いのまなざしを向け続けるものです。 この事件でも、刑事は、男性が責任逃れの嘘を言っていると決めつけて、取り調べの中で何度も何度も自白するよう要求してきました。 容疑を否認している容疑者に対しては、警察が逮捕してから最長で23日間の身柄拘束が許されています。突然何の前触れもなく23日間も自由を奪われるという経験を、一般の人はしたことがありません。手練れの刑事からあの手この手で繰り返し何度も自白を迫られると、多くの人は、本当のことを信じてもらえない無力感にさいなまれ、捨て鉢な気持ちになり、つい、刑事に迎合してしまうに至ります。取り調べの場では、疑われ続けるよりはその方が気持ちがずっと楽になるからです。 容疑を否認している場合に、弁護士が面会を怠ると、逮捕されている人の多くは、本当のことを訴え続ける気力が消えて刑事の都合のいいウソの自白をしてしまうと言います。それが数々のえん罪を生んできました。 私は、男性の気持ちが折れないようできるだけ日を空けずに面会を繰り返し、どんなに疑われても、真実を訴え続けるよう励まし続けました。男性も23日間身柄を拘束されましたが、結局、真実の主張を貫くことができ、起訴されずに終わりました。会社にも正直に伝え、釈放され不起訴となった後も、会社からは格別大きなペナルティーを受けることなく復帰することができました。
大切なのはやはり真実、否認貫いて不起訴の
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