- 加害者
回復的アプローチによって、保護観察付の執行猶予を獲得した事例
相談前の状況
依頼者の方は、これまでにお酒が関係するトラブルを起こした経験があり、「お酒との付き合い方をどのようにするのか」という点を悩まれていました。
接見を行う中で、依頼者の方のお酒に対する向き合い方を話し合いつつ、専門医療機関の情報を提供したり、どのようにすればお酒を飲まないように生活ができるのか等、一緒に考えました。
接見を数十回行う中で、依頼者の方と話し合った内容を被告人質問に落とし込んでいきました。そして、お酒が主な原因となっていた事件について、どのようにすれば、依頼者の方自身とお酒との関係をなくすことができるかを裁判官に伝えていくことに重点を置くことにしました。
解決への流れ
裁判において、被告人質問を中心に、依頼者の方とお酒との関係に重点を置いた立証活動(裁判官に弁護側の主張を伝えるための活動のことです)を行いました。
検察官からの質問においても、犯行態様や動機といった点に限らず、依頼者の方とお酒との関係についても、一定時間やり取りが行われました。そして、弁論においても、依頼者の方とお酒との関係についてを中心に構成し、執行猶予付きの判決を求めることを裁判官に伝えました。
この結果、言い渡された判決においても、依頼者の方が今後のお酒との関係について考えていることも判決の理由として、示されました。
城戸 昭憲 弁護士からのコメント
この事件は、犯情(犯行態様、犯行に至る経緯、犯行によって発生した結果のことです)が、厳しい結果であり、実刑も裁判官の選択肢として十分にあり得る事案でした。実際に、判決理由の説明の際にも裁判官から、実刑の選択もあり得るという言及がなされました。
しかし、法律上、執行猶予付判決が言い渡される可能性はあり得る事案でしたので、今回の事件の主な原因となったお酒との関係について焦点を当てて、依頼者の方の今後の生活の点を中心に、立証活動を行いました。
その際に、社会復帰後の居住場所や就業先も重要になりますので、弁護人が接見の際にハローワークの求人票を差し入れるといった弁護人としてできる支援を行いました。
裁判官が判決の内容を決定する際に最も重視するのは、冒頭に書きました犯情です。その上で、犯情以外の様々な事実である一般情状が考慮されて、判決の内容が決定されます。
今回は、この一般情状を中心に立証活動を行いました。
弁護側として、犯行から今後の生活に向けてのストーリーを裁判官に提示し、丁寧に説明することで保護観察付の執行猶予判決に繋がりました。
どのような状況においてもあきらめず、一般情状も丁寧に立証し、最善を尽くすことの重要さを感じた事件になります。
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