日本の夏の風物詩といえば、かき氷や花火大会と様々あるが、忘れてはならないのがお化け屋敷だ。この季節になると日本各地に「夏季限定」のお化け屋敷が登場し、炎暑のひととき、恐怖で背筋を凍らせてくれる。
今年の夏も、日本各地でお化け屋敷のイベントが企画されている。大阪の通天閣では「大阪名物!通天閣お化け屋敷 死ん世界」が開催。東京のとしまえんでは、お化け屋敷と謎解きゲームを組み合わせたイベント「サイレントヒル:リベレーションREAL」が催される。
こういったお化け屋敷、「恐がりの人と一緒に行き、その反応を見るのが楽しい」という人もいるだろう。恐がりの人でも怖いもの見たさで、ついつい入ってしまうのがお化け屋敷の"魔力"でもある。しかし、「お化け屋敷なんて、子供だましでしょ」と侮ってはいけない。最近のお化け屋敷は進化していて、大人でも十分に恐怖を味わえるものもある。
ではもし、友人から半ば無理矢理連れて行かれたお化け屋敷で、想像を絶する恐怖を味わって「心に傷」を受けたとしたら・・・・。この友人に対して、慰謝料や治療費などを請求できるのだろうか。谷原誠弁護士に聞いた。
●特に怖がる事情がある人を、無理矢理連れて行けば、慰謝料を請求される場合も・・・・
「普通は、無理でしょうね」。谷原弁護士はあっさりと、こう答えた。
ただし、特殊な例を想定すれば、あり得ないでもないという。それはどんなケースだろうか。
「たとえば、このお化け屋敷がものすごく怖くて、体験した人が次々と『心に傷』を受け、ニュースになるほどの状態だったとします。
さらには、友人もこの状況を知っていて、『わたし』を連れて行ったらまずいと認識している。そういう条件であれば、友人に『不法行為責任』が発生し、慰謝料や治療費の請求が認められる可能性があります。
また、そこまでの状況であれば、お化け屋敷を運営する施設管理者にも慰謝料などを請求できそうです」
しかし、それはかなり極端な例である・・・・?
「そうですね。普通の感覚の人なら楽しく怖がる程度のお化け屋敷だった場合には、原則として、誰にも慰謝料等は請求できません。故意もないでしょうし、過失もないでしょう」
ただ、谷原弁護士はもう一つ、『わたし』がお化け屋敷に対して特別な恐怖を抱くような「特殊事情」がある場合にも、責任が生じる可能性は出てくると指摘する。
「ご本人が特に恐怖に弱く、過去交通事故などで『心の傷』を受けた経験があるなど、『心の傷』を生じやすい状態だったような場合ですね。
友人がそれを承知しているにもかかわらず、嫌がるのを無理矢理連れて行ったような場合には、慰謝料等を請求できる場合がありそうです」
当編集部には、小さい頃に無理矢理、お化け屋敷に連れて行かれたのを、いまだに恨みに思っている——という人がいる。谷原弁護士は「要は、本気で嫌がる人は連れて行かないほうがよさそうですね」とアドバイスをしていた。