夫婦で別々の姓を名乗ることを認めない民法の規定は、憲法が保障する「婚姻の自由」を侵害しているなどとして、5人の男女が国に損害賠償を求めていた裁判で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)が12月16日、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断したことを受け、原告団は参議院議員会館で会見を開いた。団長の塚本協子さんは、「判決を聞いた瞬間に涙が溢れた。本当に悲しく、辛いです。塚本協子で生きることも死ぬこともできなくなった」と悔しさをにじませた。
この訴訟は、民法750条が「夫婦同姓」を定めているため、日常生活でさまざまな不利益を被ったとして、原告5人が国家賠償とともに、民法750条の「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」という規定を改正することを求めていた。
弁護団長の榊原富士子弁護士は「とてもとても残念。力が及ばなかった。落胆するだけでなく怒りも感じている」「最高裁の裁判官には、女性が3人しかいない。この構造こそが、性差別の問題を扱う裁判のときに、こうした結果に招いてしまうということを実感した」と判決を批判した。
一方で、今回の判決で、合憲と判断した裁判官が10人、違憲と判断したのが5人だったことについて、「今回の少数意見は、将来の多数意見になるはず」と希望を述べた。