舛添要一・東京都知事は7月30日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、海外メディアに対して、都政の方針などについて、英語で語った。外国記者からの「外交」についての質問にも英語で応じ、「都市と都市との対話、人と人とのやりとりを通じて、その関係を強化していっている」などと話した。
舛添知事は4月下旬に中国を訪問し、北京市長や汪洋副首相らと面会した。7月23日から25日までは、ソウル特別市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長の招待で韓国を訪問。25日には朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。報道によると、この訪韓に関して、「なぜ自治体が外交をやるのか」「あんな国となぜ仲良くするのか」といった批判の声が多数、都庁に寄せられたという。
●「私は政府の仲介役になるつもりはない」
そんななか、AFP通信の記者から、舛添知事の外交姿勢についてたずねる質問も出た。
「知事は『東京都だけができる外交』もあると言っていたが、安倍首相と中国・韓国との間に立つことについて、どの程度、自信があるのか。特に、従軍慰安婦問題を抱える韓国との仲介という意味で、どのような役割を果たすつもりか」
この質問に対し、舛添知事は次のように答えた。
「そもそも、私は政府の仲介役になるつもりはありません。私は首相の特使でもありませんからね。
国益は守らなければならないと考えていますし、私自身が日本政府の障害になりたくないと考えています。
私は、国益にそうした悪影響を及ぼさないよう、とても気をつけています。北京やソウルに出かける前にも、首相官邸に出向き、中国・韓国政府へのメッセージを託されています。
安倍首相と私は親しい友人で、相手政府もそのことを良く知っています。彼らは私に対しても、安倍政権への厳しい見方を伝えてきました。そして、私も日本に戻ってすぐに、そのような低い評価をされていること、安倍政権を取り巻く状況の厳しさについて、安倍首相に伝えてあります。
私が行っていることは、都市と都市との対話、人と人とのやりとりを通じて、その関係を強化するということです」