虐待を受けるなど、さまざまな理由で実の親と暮らせなくなった子どもたち――。その結果、「乳児院」や「児童養護施設」といった施設に入所したり、里親に引き取られるなど、何らかの「社会的養護」のシステムによって育てられている子どもたちは、日本に現在約4万人いる。児童養護施設は今春、ドラマ『明日ママがいない』の舞台とされ、大きな注目を集めた。
そうした形で暮らす子どもたちの実情をレポートするドキュメンタリービデオを、人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW・本部ニューヨーク)」の日本支部が制作した。今年5月上旬にYouTubeで公開されたおよそ15分の動画は、話題を呼び、再生回数が1万5000回を超えている(7月15日現在)。
●「ぼろくて虫がいっぱいの倉庫に住んでいた」
子どもたちはなぜ、施設にやってきたのか。どんな環境のもと、どんな暮らしをおくっているのか。動画では、そうした「実態」が、施設のスタッフや出身者の口から語られる。
「(施設に入る前は)普通の家ではなくて、ぼろくて虫とかがいっぱいいる倉庫に住んでいた」
「もうお金を盗みたくないと言うと、親にぼこぼこに殴られた」
「最初に親に裏切られ、施設の職員にも裏切られ・・・」
施設出身者の言葉は、衝撃的だ。
ビデオは、施設関係者へのインタビューをもとに、「施設では1対1の関係性が築けない」と主張。「子どもは家庭的環境のもとで生活すべきだ」と提言している。
動画はこちら。
http://youtu.be/NaNAmXOZ22k
動画をつくったHRW日本代表の土井香苗弁護士へのインタビューはこちら。
http://www.bengo4.com/topics/1789/