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ネット上で大地震がくると煽る行為は違法か

ネット上で大地震がくると煽る行為は違法か

昨年3月11日に発生した東日本大震災以降も、国内では活発な地震活動が続いており、さらなる大地震の発生も懸念されている。その懸念を反映してかインターネット上のブログや掲示板サービスなどで「○月○日に大地震がくる」という書き込みが数多く見られるようになった。

このようないわゆる地震予知をつたえる書き込みは昨年以前からもあったが、地震への警戒が高まっている現在においてはこうした書き込みやそれに反応したり拡散しようとする人が増える傾向にある。とりわけ昨年末から今年2月にかけての時期には2ちゃんねるやtwitterといった掲示板やソーシャルメディアでは、具体的な日付や地震の発生状況などを記した詳細な書き込みが多く拡散され、不安に駆られて非常食や備蓄品の購入に動いた人もいたようだ。

結果的にそのような書き込み通りには地震は発生せず、悪意によるデマの拡散だったのではという批判も起きているが、それでは果たしてインターネット上で大地震がくると書き込みをしたり、その書き込みを拡散するような行為は違法になる可能性があるのだろうか。

インターネット上の不法行為に詳しい池田康太郎弁護士によると、

「現在、日本の法律においては、違法な行為の煽動を規制する規定が多く置かれていますが、今回のご質問のようにインターネット上で大地震がくると不安を煽った場合についての特別な法規制は存在しません。」

「もっとも、例えば、大地震が来て甚大な被害が予想されるから○○の地域の会社では働かない方が良いといった書き込みの内容が具体的で悪質な場合には、不法行為に該当すると判断されたり、業務妨害罪などの刑事罰の対象となる可能性があると考えられますので注意が必要です。」

とのことで、悪質な書き込みで具体的な損害が発生したとみなされた場合には違法と判断され、場合によっては刑事罰や損害賠償請求を受ける可能性がある。

例えちょっとしたいたずら心によるものだとしても、そのような書き込みをすることは刑事罰などの対象になりうることを認識し、不特定多数の人に拡散する可能性があるインターネット上で軽はずみな行動をしないように注意が必要だ。

(弁護士ドットコムニュース)

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