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菊地被告人に懲役5年――19年前の記憶つなぐ「難しさ」裁判員が語る
菊地直子被告人の裁判で裁判員をつとめた3人が会見を開いた

菊地被告人に懲役5年――19年前の記憶つなぐ「難しさ」裁判員が語る

オウム真理教が19年前に起こした東京都庁爆発物事件で、爆薬の原料となる薬品を運んだとして逮捕・起訴された元信者の菊地直子被告人に6月30日、東京地裁は懲役5年(求刑懲役7年)の実刑判決を下した。

報道によると、杉山愼治裁判長は「(菊地被告人は)教団の幹部らが、自分の運んだ薬品を使って、人を殺害するかもしれないと認識していた」と指摘し、殺人未遂ほう助の罪を認定した。被告人は爆発物取締罰則違反にも問われていたが、そちらの罪は「爆発物が作られるとまでは認識していなかった」として認めなかった。

裁判員裁判で行われたこの裁判。判決言い渡しの後、裁判員の男性2人と女性1人が東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、注目の裁判で裁判員をつとめた心境を語った。

●菊地被告人の「認識」が争点だった

裁判の重要な争点は、『菊地被告人』がどういう認識で、薬品を運んだかだった。

裁判員の男性はこの点について、「19年前、自分が何をしていたか覚えている人は少ない。(証人は)それぞれ言い方が違ったり記憶もまちまち。それをどうつなぎあわせて真実に近づくか、他の事件にくらべて難しかったのではないか」と指摘した。もう一人の男性も「本人の気持ちの問題で、難しかった」と告白した。

●「不安と責任を感じた」

また、裁判員の女性は、今回の事件について「報道で見ていた限りで、(オウムは)異常な集団という印象だったが、(菊地被告人の)考え方はほかの(一般)人と変わらなかった」と話した。

今回の裁判は、初公判の5月8日から判決まで2カ月近くかかった。女性裁判員は「非常に長かった」。男性裁判員は「注目されていた分、不安と責任を感じていた」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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