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関係の絶えた親、きょうだいと共同名義の不動産、どうすればいい?【小町の法律相談】
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関係の絶えた親、きょうだいと共同名義の不動産、どうすればいい?【小町の法律相談】

実家に戻るつもりのない人にとって、実家の不動産をどうするのかは悩みの種になるかもしれません。特に、親やきょうだいとの関係がうまくいかない場合、やりとりするだけでも大変です。親やきょうだいと共同名義の不動産について、固定資産税の支払いはどう対応すればいいのでしょうか。YOMIURI ONLINEの掲示板「発言小町」に寄せられた質問について、畑中優宏弁護士に聞きました。

<寄せられた質問>

実家のある県に、親、きょうだいとの共同名義の不動産があります。相続税対策で共有名義にしたと幼少時に聞きました。現在は親が固定資産税を払っているようです。

親が亡くなった場合、空き家となる実家と私名義の不動産の固定資産税の支払いが生じることに困っています。私と親との関係は破たんしていて、10年以上帰省していません。きょうだいも全員、遠方に住んでおり、訳があって相談できません。

自分名義の不動産の有無の確認方法や、将来の固定資産税対策について、お知恵をお貸しください。

(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです。トピ「名義を使われた不動産」はこちら http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2015/0705/720294.htm

<畑中優宏弁護士の回答>

「相続放棄や遺産分割などが必要になります」

まず、自分名義の不動産の有無を確認するには、実家のある市区町村の資産税課に申請をして、不動産の名寄帳を取り寄せましょう。名寄帳とは、その市区町村の範囲内にある不動産の所有者ごとの一覧表ですので、これを確認すれば不動産の有無が確認できます。

次に、固定資産税ですが、共有名義の不動産であれば、持ち分にかかわらず共有者全員が連帯して、全額納付する義務を負います。親御さんが亡くなって相続が発生した場合、遺産分割をするまでは、相続人全員が、実家の固定資産税を連帯して納付する義務を負います(実際には相続人の誰かを代表者として市区町村に届け出て、代表者が納付をします)。

ですから、固定資産税対策としては、相族放棄をすることや、実家を取得しない方向でごきょうだいと遺産分割を行うことなどが必要となります。

既に共同名義になっている不動産については、親御さんの持ち分については実家と同じように対応すればよいでしょう。あなたの持ち分については、ごきょうだいに買い取ってもらうのが一番現実的です。弁護士に依頼すれば、あなたが遠方にお住まいのごきょうだいと直接連絡をとる必要はなくなりますから、弁護士に依頼して、ごきょうだいと話し合いをすることをおすすめします。

プロフィール

畑中 優宏
畑中 優宏(はたなか まさひろ)弁護士 弁護士法人湘南よこすか法律事務所 逗子事務所
公立小学校の教員を8年間勤めた後、弁護士をめざして司法試験に合格しました。学校現場の問題には詳しく、相談も多く受けています。

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