中川 彩子 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
父が弁護士であり、幼い頃から弁護士が身近な存在であったため、あまり深く考えることもなく司法試験を受けました。
司法修習中は、犯罪捜査に面白さを感じ検察官になることも考えていたのですが、父の事務所があったということもあり、生まれ育った地で仕事をしたいと考えて、結局弁護士登録をしました。
このように、強い動機がなく弁護士になったためか、登録後の2、3年間は、自分は弁護士として一体何がやりたいのかわからずに、仕事に対するモチベーションを失いかけ悩んだこともありましたが、とにかく目の前の事件に一生懸命取り組んでいました。
様々な事件に関与していく中で、私たちが日々暮らしているこの地域社会の身近な法的トラブルを解決することの難しさと重要さを知りました。そして、地域の方々とともに歩み、地域に必要とされる弁護士になりたいという思いが強くなりました。
最近では、中小企業の経営者の方の集まりなどにも参加し、色々な方とお話をする中で、同業者だけでは分からないことを肌で感じるようになりました。生まれ育った地域が衰退していってしまうのは、残念なので、地域を活性化させるためにも、地元の中小企業の方々のバックアップなどをしていきたいと思います。
今までの経験と現在の仕事内容
地方都市で起こるあらゆるトラブルにまつわる仕事をしています。
例えば、中小企業の企業法務や、個人の相続、離婚、労働問題、交通事故、破産、民事再生など、地方都市で生活する方々に身近な案件を多数扱っています。その他、刑事弁護も比較的多く経験し、無罪事件にも関わったことがあります。
「専門は何ですか?」と聞かれることが多いのですが、私のようないわゆるマチ弁では、専門分野を限定せず、どんな仕事にも対応できることが重要だと考えています。
仕事の中で、大変だと思うことは、依頼者の方との人間関係です。弁護士は普通のサービス業とは違って、ときには、依頼者の法的に通らない要求を否定したり、依頼者を説得しなければいけない場合があります。そのような時に信頼関係が築くことができていないと、上手く解決させることができなくなってしまいます。
そのため、依頼者との信頼関係というのは特に大切にしています。信頼関係を築くために、弁護士の「偉そう」というイメージや「良く説明してくれない」という誤解を解くために、丁寧に説明したり、事件の下調べを深くすることを心がけています。
弁護士になってよかったなと感じる時は、仕事だけでなく、プライベートで知り合った人にも頼ってもらえるということです。人の助けになっているという実感ができ、幸せだと感じます。
普通では、受け取ることのないような感情を受け止めなければならない仕事が弁護士だと思います。そのため辛いことも沢山ありますが、直接感謝していただける、やりがいのある仕事です。
仕事をする上で意識していること(弁護士としての信条・ポリシー)
一度、必ず依頼者の立場と反対の立場から事件を見てみることです。
依頼者の方の気持ちに寄り添うことはとても大切ですが、依頼者の立場だけでものを見てしまうと、事件の本質に気づくことができません。もし自分が相手方の代理人だったらどのように弁護活動をするか、相手方本人だったらどのように事件を解決したいと思うか、必ず熟考した上で、事件に臨むことにしています。
依頼者が「こうしたい」と言っているから、それを押し通すということは、結果的に依頼者の為にならないこともあります。依頼者に寄り添うことは大切ですが、同じ目線で物事を見てしまったら、弁護士がいる意味がありません。常に第三者的な目線を意識しています。
関心のある分野
お客様として一番多い層である地域の中小企業に関する法律問題です。
中小企業で日々大量に発生する商取引においては、必ずしも契約書を交わすとは限りません。口約束や、FAXのみといったものの方が多いくらいです。契約条件すらも曖昧なことが多いため、これが後々トラブルになる場面をたくさん見てきました。
大企業であれば、法務部や顧問弁護士の対応により紛争を避けられることもありますが、中小企業では、弁護士を雇うほどの余裕がないことが多く、どうしても対応が遅れてしまうのが現状です。
こうしたトラブルをできるかぎり防ぐため、地域の中小企業の方々のホームドクターのような弁護士になりたいと思っています。