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著名弁護士の本棚〜実務で使うおすすめ書籍5選〜 【不動産・負動産】荒井達也弁護士

著名弁護士の本棚〜実務で使うおすすめ書籍5選〜 【不動産・負動産】荒井達也弁護士

各分野の著名弁護士にインタビューし、若手や初学者向けの「おすすめ書籍=推し本5冊」を選んでもらいました。(弁護士ドットコムタイムズVol.69<2023年12月発行>より)

不動産・負動産

 水害・土砂災害の頻発により社会問題化した“負動産”の処分に注力する荒井達也弁護士。発電所の用地取得など、エネルギー関係の仕事に携わる中で、地方の土地問題に精通したという。相続人・共有者が100名を超える土地の案件も珍しくないという。

 「特に2021年の熱海土石流以降、土地を放っておくリスクが知られ、子どもに迷惑をかけたくないから手放したいという相談が増えました」

 負動産問題は労力と報酬が見合わないとして、弁護士が敬遠してきた分野。しかし、毎年のように災害が起きる中、お金で解決できるならと考える高齢者は全国各地にいる。「新しい弁護士の業務分野として開拓していきたい」と、社会課題の解決に意気込む。

 推薦した『人口減少時代の土地問題』は負動産問題の全体像を掴むのに適した一冊。特に重点的に書かれた所有者不明土地については、荒井弁護士も日弁連WGの幹事としてかかわった令和3年の民法・不動産登記法改正で国庫帰属などの仕組みが整えられた。『詳解 相続法』の故・潮見佳男氏は法制審のメンバーだった。

 『企業不動産法』と『共有不動産の紛争解決の実務』はいずれも著者の経験の深さが垣間見える本だという。難しい論点にあたったときは故・我妻榮氏の『民法講義』シリーズ。出版から半世紀経っても古びず、「我妻先生がタイムトラベラーというのは業界では通説です」。

 このほか、大阪財産管理研究会『家庭裁判所の財産管理実務』(大阪弁護士協同組合)、北村喜宣『空き家問題解決を進める政策法務』(第一法規)もあげた。

【荒井弁護士の5冊&ひとこと】

  1. 『人口減少時代の土地問題』吉原祥子・著 中央公論新社/発行・2017年7月 836円(税込)現代の土地問題を理解するための最良の入門書
  2. 『企業不動産法[第2版]』小澤英明・著 商事法務/発行・ 2018年1月 4,620円(税込) 経験に裏打ちされた類書にない解説読み物としての面白さも
  3. 『『民法講義』シリーズ(全8冊)』我妻榮・著/岩波書店 発行・2019-20年(オンデマンド版) 3,850-12,100円(税込)原著は半世紀以上前の体系書現代の難問にも示唆あり
  4. 『共有不動産の紛争解決の実務 [第2版] 』三平聡史・著/民事法研究会 発行・2021年1月 4,400円(税込) 共有不動産問題について徹底的なリサーチと豊富な事例紹介
  5. 『詳解 相続法 [第2版] 』潮見佳男・著/弘文堂 発行・2022年7月 4,730円(税込) 本誌2023年6月号で森公任弁護士も推薦教科書としても体系書としても信頼の一冊


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荒井達也弁護士

荒井法律事務所。群馬弁護士会。66期。 
https://souzokutochi-kokkokizoku.com/administrator-profile/

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