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著名弁護士の本棚〜実務で使うおすすめ書籍5選〜 【相続】森公任弁護士

著名弁護士の本棚〜実務で使うおすすめ書籍5選〜 【相続】森公任弁護士

各分野の著名弁護士にインタビューし、若手や初学者向けの「おすすめ書籍=推し本5冊」を選んでもらいました。(弁護士ドットコムタイムズVol.67<2023年6月発行>より)

相続は知識量が物を言う

 家事事件に強いことで定評がある森法律事務所。代表の森公任弁護士は「離婚は家族法そのものですが、相続の実態は財産法」と指摘する。
 「親権をめぐる争いなど、離婚は情緒的な部分があり、裁判官によって判断が分かれることもあります。一方相続は、依頼者の説得が難しいことはありますが、判断自体はシステマティックで、細かい知識が要求される分野です」
 『詳解相続法』は、この分野を体系的に紐解いた基本書。「実務で新しい問題に直面しても、自分なりに解決できる能力が身につく」とイチオシの一冊だ。それだけに著者の潮見佳男氏が2022年に急死したことが「大きな損失」と嘆く。

裁判官本だけでは足りない理由

 森氏が常に手元に置いているという実務書が、『家庭裁判所における遺産分割・遺留分実務』。著者は東京家裁家事第5部(遺産分割部)の元判事で、ほぼすべての裁判官・書記官が参考にしているという。「実務はこの書籍にしたがって動いているといっても過言ではありません」。
 ただし、遺言と遺留分については不足分もあるそうで、前者は『遺言と遺留分 第1巻 遺言』、後者は『実務相続関係訴訟』を推す。最近の書籍では、『Q&A 遺産分割事件の手引き』も「実践的で大変役に立つ」。
 これらの実務書はいずれも裁判官が書いた本だが、「裁判官本は影響力が大きいので、肝心のところがボカしてある」。そこで森氏が副代表弁護士の森元みのり氏と「かゆいところに手が届くように」と書いたのが『弁護士のための遺産相続実務のポイント』。同書を読んだ弁護士や税理士からの紹介で依頼が入ってくることもあるという。

【森弁護士の5冊&ひとこと】

  1. 『第4版 家庭裁判所における 遺産分割・遺留分実務』片岡武/管野眞一・編著 日本加除出版/発行・2021年12月 5,060円(税込)東京家裁家事第5部(遺産分割部)元裁判官が解説
  2. 『詳解相続法 第2版』潮見佳男・著 弘文堂/発行・2022年7月 4,730円(税込)精緻な理論で相続法理論を再構築
  3. 『弁護士のための遺産相続実務のポイント』森公任/森元みのり・著 日本加除出版/発行・2019年6月 4,950円(税込)裁判官の本では触れられていない論点に言及
  4. 『第3版 遺言と遺留分 第1巻遺言』久貴忠彦・編集代表 日本評論社/発行・2020年3月 6,380円(税込)判例・実務・学説を分析立法的な課題も検討する
  5. 『Q&A 遺産分割事件の手引き』山城司・著 日本加除出版/発行・2022年11月 4,840円(税込)現役裁判官が実際に直面した問題などを題材に遺産分割事件のノウハウを網羅した144問


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森公任弁護士

森法律事務所。東京弁護士会。33期。

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