約9割が「民事法律扶助」の契約を経験 法テラスに関するアンケートvol.1
弁護士ドットコムタイムズでは、全国の弁護士を対象に法テラスとの契約状況や不満点などを尋ねるアンケートを実施し、523人から回答を得た。調査結果を3回に分けて紹介する。(調査実施:2021年6月)。 1回目は法テラスの「民事法律扶助」の契約状況や、その理由などについての結果を紹介する。 ※アンケート監修:河内良弁護士(大阪弁護士会)、谷口麻有子弁護士(鳥取県弁護士会)
80%以上が民事法律扶助に契約
法テラスの「民事法律扶助」の契約をしているかを尋ねたところ、「契約している」が81.8%を占めた。「過去に契約していたが解約した」は7.3%で、9割近くが契約の経験があった。
契約理由は「地域・社会への貢献」が最多
「契約している」とした回答者(428人)に、契約している理由を複数回答可能な形式で尋ねたところ、「地域や社会への貢献のため」(47.2%)が最多。「案件を獲得したい」(37.9%)と、「弁護士としての経験を積むため」(35.7%)が30%を超えた。
その他の自由回答として、「法テラスは経済的に豊かでない市民の権利擁護に必要だから」「生活保護受給者の債務整理など、法テラスが必要な案件に対応するため」など、経済的に豊かでない人に主眼を置いた回答があった。
また、「契約しないと弁護士会で浮いてしまう心配がある」「弁護士会主催の法律相談を担当するには法テラスとの契約が要件になっている」など、弁護士会に関連した理由があったほか、「知人からの紹介の案件で、法テラスを希望する人に対応するため」「法テラスが立替えるので報酬を確実に回収できる」などもあった。
契約していない理由に「そもそも知らない」も
「契約していない」「解約した」との回答者(92人)に、理由を自由記述の形式で尋ねたところ、「ダンピングと言えるほど報酬が低い」「必要性が疑わしいほど手続きが煩雑」など、報酬の低さや手続きの複雑さに関する理由が多く寄せられた。
このほか、「現時点で仕事に困っておらず、必要性を感じない」「法テラスの仕組みがよくわからない」「そもそも制度を知らなかった」などもあった。