日弁連 臨時総会のオンライン中継で会場の「密」を回避
【本記事は2021年2月17日に公開したものです】日本弁護士連合会(日弁連)は2月15日、3月5日開催の臨時総会をオンライン中継することを明らかにした。新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、従来の総会会場である東京都内の弁護士会館だけでなく、各弁護士会が用意した会場で総会を傍聴できるようにすることで、会場が「密」になるのを回避する。また、一部にオンラインによる議決参加を求める動きも出ている。
3月の臨時総会は、従来通り弁護士会館で開催するとともに、テレビ会議システムを利用し、各弁護士会が用意した会場でも中継映像をリアルタイムで流す。各弁護士は、弁護士会館で総会に参加するか、オンライン中継を閲覧するか選択できる。なお、オンライン中継を閲覧する場合でも、議決への参加は従来通り代理権の行使が必要になる。
臨時総会の中継について、日弁連の担当者は、「オンライン中継については以前から検討していたが、技術的に可能なことが確認でき、複数の会員からも要望があったため、3月の臨時総会で試行的に中継することとした」と説明。結果次第では、コロナ終息後も継続する可能性も示唆している。
オンライン議決の実現に向け、弁護士有志が賛同者を募集
総会のオンライン中継を求める複数の要望があがっていたが、弁護士有志4人でつくる「日弁連WEB総会実現提言の会」も1月26日、日弁連に対して、遠隔地からでもオンラインによる総会の傍聴を可能にするよう求める要望書を提出していた。また、2月8日には、オンラインによる議決参加も実現にするために賛同者の募集を始めている。
提言の会の呼びかけ人である北周士弁護士は、「総会がオンライン中継されることになり、提言の会の要望が概ね実現されたと考えている。ただ、オンラインで議決に参加できるようにすることが会の目標」としている。オンラインによる議決権行使の実現には日弁連会則の改正が必要で、提言の会は6月開催予定の定期総会に、会則改正に関する議案を提出したい考えだ。
議案提出には300人の発議者が必要で、提言の会は「新型コロナウイルスに限らず会員が総会会場に集まることが困難になる(豪雨や台風などの災害も含めた)様々な事態が想定される。オンラインによる議決が実現し、より多くの会員が参加した総会は、より信頼される日弁連の基礎になるはず」としている。
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