資格スクエアが出版社らと和解 予備試験テキストの著作権侵害
【本記事は2020年12月10日に公開したものです】資格試験学習サービスの「資格スクエア」が、司法試験予備試験講座などで紙やスマートフォンアプリで配布したテキストで他社の書籍を不正に利用していた問題で、サービスを運営するサイトビジットが12月7日、すべての著作者や出版社との和解が成立したと公表した。
サイトビジットの公表した和解内容の骨子は、(1)著作権者や出版社に対する解決金の支払い、(2)再発防止策の実施、(3)著作権者や出版社による、すでに配布したテキストの回収などの差止請求等の不行使──の3点。
解決金の金額や再発防止策の具体的な内容について、サイトビジットは「個別の質問についてのコメントは差し控える」と回答。一方、不正利用をされた出版社の1つ、日本評論社の公表内容によると、サイトビジットは再発防止策として、(1)司法試験講座などのメインテキストを当面の間市販品とする、(2)オリジナルテキストを作成するための知識及び体制が整わない限りメインテキストを作成・配布しない──などを挙げた。
また、サイトビジットは同日、8月に公表した報告書を改訂し、8月の時点では「出版社側の要望で非開示」としていた書籍を明らかにした。新たに開示したのは、「憲法 第六版」(岩波書店)、「入門民法(全)」(有斐閣)など2社の7冊で、不正利用があったのは全部で8社の23冊。
(画像/サイトビジットのHPより)