司法試験が3か月遅れてスタート 感染対策徹底、講師のエールも控えめに

【本記事は2020年8月12日に公開したものです】新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施が遅れていた2020年の司法試験が、8月12日からはじまった。受験予定者数は4100人。
新型コロナウイルスの感染者数は、大都市圏を中心に増加しており、試験会場での感染を不安視する声が受験生からあがっていた。全国でもっとも受験者が集中する東京(2296名受験予定)の会場のひとつ、TOC五反田メッセ(東京都品川区)では、朝から開場を待つマスクを着用した受験生が列をつくった。会場の入口付近では、サーモグラフィーによる検温が行われていた。
司法試験の会場には毎年、司法試験予備校の講師が受験生の応援に駆けつける。例年では講師と握手をする受験生などもみられるが、コロナ禍の中での司法試験となった今年は、心なしか控えめにエールを送っているように見受けられた。
受験生の応援に駆けつけた伊藤塾講師の岡崎敬弁護士は、受験生の様子について、「比較的落ち着いて試験に臨めているようにみえる。(今回が最後のチャレンジとなる)5回目の受験生から感染を懸念して試験を受けないという連絡も受けた。受験予定者数に対して実際に何人受験したのか注目している」と語った。
法務省は、発熱や体調不良など新型コロナウイルス感染症にかかっているおそれがある受験生には受験を認めず、追試験などの対応もしないとしている。岡崎弁護士は「今回受験を見送った人に対し、5回目までの制限を撤廃する特例があってもよいのではないか」と話していた。
司法試験は、8月12日から16日まで4日間(中一日休み)にわたり実施される。
※写真は、TOC五反田メッセ(東京都品川区)で開場を待つ受験生(2020年8月12日撮影)