改正司法書士法が成立 業務拡大背景に

改正司法書士法が成立 業務拡大背景に

【本記事は2020年6月17日に公開したものです】改正司法書士法が6月6日に成立した。改正により、弁護士法同様第1条に専門家としての使命が盛り込まれ、司法書士が1人で法人設立できるようになる。また、司法書士の懲戒権者を従来の「法務局又は地方法務局の長」から「法務大臣」に変更する。施行は8月1日。法改正の背景について法務省は、「司法書士が簡易裁判所での訴訟代理をできるようになったほか、成年後見人に選任されるケースなども増えている。司法書士の業務が拡大している現状に対応する必要があった」と説明している。

司法書士法の主なポイントは「懲戒手続の適正・合理化」「使命の明確化」「一人法人の可能化」の3点。

「懲戒手続の適正・合理化」では、懲戒権者を「法務局又は地方法務局の長」から「法務大臣」に変更する。変更の理由について法務省は「(従来は)法務局への登記の申請が司法書士の主な業務だったので、法務局長が懲戒権者だったが、訴訟代理など司法書士の業務が広がったため、法務大臣を懲戒権者にした。法務大臣の一元的な指揮により、より適正・迅速な懲戒を実現できるようする」と説明している。 このほか、懲戒事由の発生から7年経過後は懲戒手続を開始しない制度(除斥期間)の新設や、戒告処分に対する聴聞手続きの必須化が盛り込まれた。また、懲戒逃れを防止するため、懲戒手続中に清算が終了した法人への懲戒処分を可能する規定も入った。

「使命の明確化」としては、法律の第1条に、弁護士法同様、司法書士の専門家としての使命を明らかにする規定を設ける。具体的には「司法書士は、司法書士法の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする」などと規定する。改正前の司法書士法第1条は、法律の目的が書かれ、使命についての条文はなかった。

「一人法人の可能化」では、司法書士法人を設立する場合、2人以上の司法書士が必要だったが、1人でも設立できるようにする。一人法人について法務局は「親子で法人設立したケースで、親が引退したときに法人を解散せざるを得ないような事例もある。一人法人に一定のニーズがあった」としている。

なお、土地家屋調査士法の改正法も同日に成立しており、懲戒権者の変更や一人法人の設立など、司法書士法と同様の改正が行われる。

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