必要な記録を瞬時に表示 事件記録ツール「弁護革命」に高評価 業革シンポ
「AIにできること、弁護士にしかできないこと」と題して9月7日に開かれた弁護士業務改革シンポジウム。リーガルテクノロジーを扱った第一分科会では、契約書レビューやリーガルリサーチなど、およそ10個の弁護士向けサービスが紹介された。 今年から弁護士ドットコムグループに加わった文書活用ツール「弁護革命(https://www.bengo-kakumei.jp/)」もその1つ。紹介を担当した弁護士らからは「事件記録がすぐ見つかるので、起案のときに手を止めずに作業できる」、「OCRによる検索機能が超便利」などのコメントがあった。
フォルダでの階層分けにも限界
裁判記録の量が増えると保管が大変になり、必要な資料を見つけるのにも一苦労。PDF化して階層分けしたフォルダに保存しても、ファイルを探したり、何度もフォルダ開いたりする時間がバカにならず、作業効率が落ちてしまう。
弁護革命はそんな膨大な事件記録を整理し、活用しやすくするツール。使い方は簡単で、紙のファイルで整理するように、事件ごとの「プロジェクト」をつくって、PDFファイルを弁護革命にドラッグ&ドロップするだけ。
内蔵されたOCR機能により、本文やタイトル、日付、証拠番号などが自動で認識され、一覧画面に整理される。タグをクリックすると、この中から「甲号証」や「乙号証」だけを表示することができる。また、テキスト検索で必要なファイルを探すことも可能だ。
通常、PDFファイルを開くときは多少のタイムラグが生じるが、弁護革命上では瞬時に書面が表示される。
たとえば、画面上にワープロソフトと弁護革命を左右で表示しておけば、必要な記録を閲覧しながらの起案が可能で、コピー&ペーストによる文書の引用も容易だ。
紹介を担当した五反田法律事務所の事務員・伊藤次彦さんは「導入はすごく簡単。弁護士ではないが、司法書士の兄に紹介したいくらい」などと説明。また、事務員目線から「弁護革命という名前だけど、事務所会議の議事録管理などとしても使い勝手が良さそう」と話した。
裁判IT化で文書管理の需要は増す
伊藤さんの説明を受けて、岡村庸靖弁護士(滋賀弁護士会)も弁護士視点から補足を加えた。
現在事件記録のPDF化の進度は弁護士によってまちまちだが、裁判IT化の進展により、今後はほとんどすべての弁護士にとって、事件記録をPDFで管理することが当たり前になっていくという。
しかし、従来の方法では、必要なPDFファイルをすぐに探し出すのは難しく、クリックから表示までにもわずかながら時間がかかっていた。
「裁判所に出頭したとき、記録を持たずにパソコンだけで済まそうと思っても、裁判官からあそこのページを見てとか、この書面の何ページ目とか言われたときにとっさにリアクションを取れないと、的確なやり取りができないということにもなりかねません。また、打ち合わせのときにもたつくと、依頼者を不安にさせかねないというようなことがあると思います」
この点、弁護革命は必要な書面をすぐに取り出すことができる。
岡村弁護士は弁護革命を使ってみた感想として、
「クリックするとほとんど瞬間的にPDFが表示されるというのが、かなり驚いたところでした。エクスプローラからPDFをクリックして開くと、どうしても数秒のタイムラグがあるんですが、そういうのがなくなるというのがすごく便利な点かなと思いました」
「OCRによる検索機能が超便利です。紙文書だと本当に探すのにえらい手間がかかる。用語検索ができることは、紙媒体にはないメリットなのかなと思います」などとコメントした。
弁護革命を開発したのは、刑事事件を多く扱ってきた山本了宣弁護士(大阪弁護士会)。当時史上最長となった裁判員裁判を担当したところ、開示証拠が15万枚以上となり、弁護団会議の大半が資料探しで潰れていたことから、プログラミングを独学し、資料整理・共有ツールを弁護団に導入したのがきっかけだったという。
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