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著名弁護士の本棚〜実務で使うおすすめ書籍5選〜 【著作権、エンタメ法】唐津真美弁護士

著名弁護士の本棚〜実務で使うおすすめ書籍5選〜 【著作権、エンタメ法】唐津真美弁護士

各分野の著名弁護士にインタビューし、若手や初学者向けの「おすすめ書籍=推し本5冊」を選んでもらいました。(弁護士ドットコムタイムズVol.68<2023年9月発行>より)

著作権、エンタメ法

 著作権やエンタメ法務にくわしい唐津真美弁護士。弁護士になった頃、著作権法は出版や音楽など限られたビジネスにしか関係がないと思われがちな「マイナー分野だった」という。インターネットの普及で様相は一変したが、トラブルは多くても訴訟の手前で解決することが多いため判決の蓄積は少なく、明確な判断が難しいこともある。

 「日本では訴訟以前に炎上も回避したいという企業が多いので、実務では法的問題の有無に留まらないアドバイスを求められることも多いです」

 そんな実務の疑問に答え、考え方の引き出しを増やしてくれる書籍として『著作物の類似性判断』、『そこが知りたい著作権Q&A100』をあげた。

 著作権をめぐっては近年、メタバースやAIなど新しい動きも。前例がない中での対応では、「権利者の保護だけでなく、文化の発展、活用とのバランスを常に念頭に置いています」。『条解著作権法』は著作権法の趣旨や判例理論を踏まえて考える上で重宝しているという。

 エンタメビジネスは生身の人間が主役なだけに、法律や契約書より業界の慣習や当事者の心情が優先されることも珍しくない。『エンタテインメント法実務』はそんな業界知識も踏まえた実務本。ただ、契約文化の違いから海外とのコンテンツの輸出入で苦労することも。「契約が脆弱だと実演家らが弱い立場に置かれる原因にもなる。経産省などによる保護の動きに注目しています」。

 エンタメと広告・メディアは不可分で関連法規も多岐にわたる。『広告法』はパブリシティ権や景表法から公職選挙法まで、広告やメディアに関する法分野を幅広くカバーした1冊だ。

【唐津弁護士の5冊&ひとこと】

  1. 『<ケース研究>著作物の類似性判断ビジュアルアート編』上野達弘/前田哲男・著 勁草書房/発行・2021年7月 3,520円(税込)研究者と実務家が対談を通じて「類似性」の判断基準を探る
  2. 『そこが知りたい著作権Q&A100 -CRIC著作権相談室から-(第2版)』著作権情報センター発行・2020年12月 2,530円(税込) 著作権専門誌の連載を書籍化リアルな疑問を分かりやすく端的に解説
  3. 『エンタテインメント法実務』骨董通り法律事務所・編 弘文堂/発行・2021年6月 4,180円(税込)ローカルルールも多いエンタメ業界の実務を解説
  4. 『条解著作権法』小泉直樹/茶園成樹ほか・著 弘文堂/発行・2023年6月 16,500円(税込) 第一線の研究者10人が徹底討論著作権をめぐる最新の知見を結集
  5. 『広告法』株式会社 電通 法務マネジメント局・編 永江禎/中西開/長谷川雅典・編集代表 商事法務/発行・2017年10月/3,960円(税込) 電通だからこその幅広い守備範囲メディア関係の法分野を実務的に解説


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唐津真美弁護士

高樹町法律事務所。第一東京弁護士会。48期。

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