民事裁判手続IT化への期待大 弁護士の8割が賛成【民事裁判手続IT化アンケートvol.1】

2020年2月3日から、東京地裁などの一部の裁判所で「Web会議等のITツールを利用した争点整理」の新しい運用を開始している。それを受けて、日本弁護士連合会(日弁連)は、6月18日に、「民事裁判手続等IT化研究会報告書-民事裁判手続のIT化の実現に向けて-」に関する意見書を公表。民事裁判手続のIT化が与える影響について、法曹界でも様々な声が上がっている。弁護士ドットコムでは、民事裁判手続のIT化に関して、全国の弁護士にアンケートを実施した(実施期間:2020年7月17日から31日)。
7月31日の時点で、182名の弁護士から回答を得た。アンケート結果の概要を5回に分けて紹介する。1回目は、「民事裁判手続きIT化の賛否」「IT化のメリット」などについてまとめた。

目次

  1. IT化に「反対」は、1割弱
  2. 業務のコスト削減にメリットを感じる弁護士が、8割を超える

IT化に「反対」は、1割弱


民事裁判手続きのIT化の賛否を尋ねたところ、「賛成」と回答した弁護士が58.2%、「懸念はあるが、おおむね賛成」は30.2%と、9割近くが前向きな回答だった。

一方、「反対」と回答した弁護士は2.7%、「良い点はあるが、基本的に反対」は4.4%に留まり、IT化に対する期待感が大きいことがわかる。

日弁連も「民事裁判手続等IT化研究会報告書-民事裁判手続のIT化の実現に向けて-」に関する意見書の中で、「裁判所へのアクセスを拡充し、審理を充実させ、適正かつ迅速な紛争解決を図るための手段として、裁判手続等のIT化が重要な課題の一つである」との見解に立ち、「IT化を推進すべきである」として、IT化に理解を示している。

業務のコスト削減にメリットを感じる弁護士が、8割を超える


民事裁判手続きIT化のメリットについて複数選択可能な方式で尋ねたところ、「遠方の裁判所への出頭労力が削減される」が90.1%、「紙媒体の書面や証拠の準備、持参や郵送の費用・時間・労力が削減される」と回答した弁護士が83.0%だった。

日弁連の意見書でも、「オンライン申立ての導入は、迅速かつ効率的な争点整理への貢献、参照・検索・再利用・交換等の容易さによる、利用者や裁判所内部における業務効率化、障がい者の訴訟記録利用の容易化、運搬・管理コストの低減などに有効なので、その意義は大きい。申立ての手段が増え、時間や場所の制約が少ない中で申立てが可能になり、さらに、書面の印刷、提出、保管等のコストを削減する点で、利用者に大きなメリットがある」と、コスト削減に期待を寄せている。

次いで、「裁判の各種手続きが迅速化される」(45.1%)が続く。ただ、「本人訴訟の際の市民の司法アクセスが改善される」(4.4%)にとどまり、2割司法と呼ばれる市民の司法アクセス問題と解消と、裁判のIT化を結び付けて考える弁護士は少数派といえる。
2回目 裁判IT化 4割以上が「非弁行為の横行」に懸念

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