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「STAP現象はあくまでも一つの仮説」 論文の共著者・丹羽氏が記者会見で明言
STAP細胞の存在を検証する実験について説明する理研の記者会見の模様は、会場に入れなかった記者向けにインターネット中継された

「STAP現象はあくまでも一つの仮説」 論文の共著者・丹羽氏が記者会見で明言

「STAP細胞」論文をめぐる不正で揺れる理化学研究所は4月7日午後、東京都内で記者会見を開き、STAP細胞が存在するかどうかを検証する実験プロジェクトについて説明した。

この会見には、英科学誌「ネイチャー」に掲載されたSTAP論文の共著者の一人で、小保方晴子研究ユニットリーダーと同じ理研発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)に所属する丹羽仁史プロジェクトリーダーも登場。「共著者の一人として、このような事態になったことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

●「どこかで防げたのではないかと自問自答」

丹羽氏によると、STAP細胞の研究においては、主に、論文の構成に関するアドバイスを小保方ユニットリーダーにおこなっていた。2014年2月以降は、実験手順書(プロトコル)を作成するため、実験の流れを3回ほど確認したが、自ら手を動かして実験をしていたわけではなかったという。

「小保方氏の論文がおかしいことに気づかなかったのか」と記者から質問されると、「気付いていたら、直していた」と答えた。

また、「論文の共著者として道義的責任をどう感じているのか」という問いに対しては、「このような事態になったことについて、どこかで防げたのではないかと常に自問自答している。そういう責任を果たす手立てとして、検証をするべきだと決意した」と述べ、STAP細胞の検証チームに加わった理由を明らかにした。

●「現段階では、あくまでも仮説」

さらに、「STAP細胞の有無について、現段階でどんな印象をもっているのか?」と問われると、丹羽氏は「現段階では、あくまでも仮説です。一つの仮説です」と回答した。

これまで理研の幹部らは記者会見で「科学コミュニティの検証に委ねたい」などと述べ、STAP細胞の真偽について明言することを避けていた。しかし、理研の研究者も含めた専門家からは「STAP現象は仮説に戻ったということを明確にすべきだ」という意見が出ている。

今回、共著者の一人であり、小保方ユニットリーダーに論文の助言もしていた丹羽氏の口から、「STAP現象は、あくまでも一つの仮説」という発言が出たことは、注目に値するといえるだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

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