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司法試験の合格者数「すみやかに年間1500人に」減らして――日弁連が「強く要請」
日弁連の村越進会長

司法試験の合格者数「すみやかに年間1500人に」減らして――日弁連が「強く要請」

日本弁護士連合会(村越進会長)は5月21日、「司法試験合格者数について、すみやかに1500人とするよう、改めて強く要請する」とする会長声明を出した。

司法試験合格者数は、司法制度改革の一貫として「年3000人」とする計画が2002年に閣議決定された。2000年ごろ1000人程度だった合格者数は、ここ数年1800人〜2100人程度で推移している。しかし、弁護士の就職難などを受けて、政府は2013年にこの計画を撤回。現在再検討を行っている。

会長声明は、政府が21日に公表した検討案が、当面の司法試験合格者数を「年間1500人以上」としたことを評価。その一方で、1500人を上回る規模、すなわち現状の1800人程度の合格者数をも視野に入れたかのような記述が含まれている、と指摘。そして、法曹志望者が大きく減少していることなどを踏まえて、次のように危機感を表明した。

「1500人程度を上回る規模とすることは、現実的な基盤を欠き、現状に対する危機感を欠如したもの」

「法曹志望者の減少をもたらした要因を解消する実効的な措置を講ずることなく、ことさらに司法試験合格者の数を追い求めるならば、新規法曹の一部に質の低下をもたらすばかりか、法曹養成制度の意義や機能、ひいては制度に対する社会的な信頼を損なう事態を招来しかねない」

また、日弁連自身も、法曹がより国民に貢献できるように、司法基盤の整備、司法アクセスの改善、法曹の活動領域の拡大を推進し、司法修習生や若手法曹の支援に取り組むと表明した。

(弁護士ドットコムニュース)

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