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「金持ちしか法曹になれない」制度でいいのか?「無給の司法修習」改善もとめて集会
学生や若手法律家のネットワーク「ビギナーズ・ネット」の学生代表・竹崎祐喜さん(右)と高田一宏弁護士(左)

「金持ちしか法曹になれない」制度でいいのか?「無給の司法修習」改善もとめて集会

司法試験に合格した司法修習生が1年間、「無給・原則バイト禁止」の状態で実務研修を受けなければいけない問題について、日弁連は2月18日、東京・永田町で国会議員と意見交換する会を開いた。

弁護士や検察官、裁判官といった法曹の卵の中には、仕事を始める前に「数百万円の借金」を背負うことになる者もいる。そのような現状を踏まえ、国会議員たちも「今のままでは金持ちしか法曹になれない」と、問題への理解を示していた。

●「借金まみれ」で仕事をスタート

司法修習生に対しては、長らく国から「給与」が支払われていた。しかし、2011年からは給与がなくなり、代わりに「お金が必要な人は国から借りられる」制度に変更された。いわば「ローン制」への変更だ。その一方で、司法修習生は「修習に専念する義務」があるとして、アルバイトが原則として禁止されている。

日弁連が2013年度の修習生に対して行ったアンケートによると、司法修習生は「ローン制」を利用して、平均305万円を借り入れている。大学やロースクールの奨学金とあわせると、半数近くの修習生が「400万円以上の借金」を背負って、仕事を開始することになるという。

弁護士でもある福島瑞穂・社民党副党首は「マイナスから法曹をスタートすることになるのは、ものすごく重荷だ。(弁護士になった)私の娘も、最高裁からお金を借りた。夫と私が連帯保証人になっている」と明かした。

また、民主党の逢坂誠二衆議院議員は「今のままでは、お金持ちしか(法曹に)なれない。弁護士の多様性が失われるのは問題だ」と危機感を表明していた。

●「司法修習は単なる教育ではない」

一方で、司法修習生の待遇については「なぜ教育期間中に給与を支払う必要があるのか?」と疑問視する声もある。

こうした声について、2013年〜2014年に司法修習生だった高田一宏弁護士は「修習生は司法の現場で市民と接し、守秘義務も負う」として、「司法修習は『単なる教育』ではない」と強調。修習生には、国からの支援が必要だと訴えていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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