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「論文は撤回されるべきではない」STAP論文・バカンティ教授のコメント全文

「論文は撤回されるべきではない」STAP論文・バカンティ教授のコメント全文

研究論文に不正があったことが理化学研究所(理研)によって認定された「STAP細胞」。焦点は、そもそもSTAP細胞なるものが存在したのかどうかに移っているが、その議論は錯綜している。

理研の調査結果の公表後、香港中文大学がSTAP細胞作製の再現に成功した可能性がある、と一部メディアが報じた。しかし同大学の研究チームの李嘉豪教授は4月2日、「私はSTAP細胞が存在するとは主張していない」とツイッターで報道に異議を唱えた。

STAP細胞の真偽は不透明なままだが、論文の共同著者の一人、ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授は、論文不正が認定された後も、「論文が撤回されるべきだとは考えていない」という見解を示している。

弁護士ドットコムの編集部は、4月2日午後(日本時間)にバカンティ教授に取材を申し込んだ。それに対して、同教授が所属先の広報担当者を通じて回答したコメントは次の通り。

●チャールズ・バカンティ教授のコメント全文

「理研の最新報告では、論文の執筆段階においていくつかのエラーやお粗末な判断があったと結論づけられました。しかし、私は、こうしたエラーが論文の科学的な内容や結論に影響を与えるものだとは考えていません。これらの誤りを訂正することは必須です。しかし、総合的に見て、我々の科学的発見が間違っていたと決定づける証拠は見つかっていません。したがって、論文が撤回されるべきだとは、私は考えていません。

香港中文大学が行った実験では、私が公表した手順で多能性幹細胞の発生を再現できたことを示す初期成果が出ているとのことです。前途有望に思えますし、そのことを喜ばしく思います。私がラボのウェブサイトに投稿した手順は、様々な細胞を用いたSTAP細胞作成を手助けする、効果的なガイドとなるよう公開したものです。個々の細胞、組織の種類、年齢や種などによって、細胞にどのようなストレスを与えるのが効果的かは、異なると考えています。前にも述べたことですが、科学的事実はいずれ明らかになるでしょう」

チャールズ・バカンティ 医師

“Regarding the most recent announcement from RIKEN, while the investigation determined there were errors and poor judgment in the development of the manuscript, I do not believe that these errors affect the scientific content or the conclusions. It is imperative to correct the errors, but absent any compelling evidence that the overall scientific findings are incorrect, I do not believe that the manuscripts should be retracted.

I am delighted to hear of the initial results from the Chinese University of Hong Kong which show that replicating the generation of pluripotent stem cells using our protocol appears promising.  The protocol that I posted on our laboratory website was intended to be an efficient guide to assist in the creation of STAP cells from a wide variety of cell sources.  I am certain that for each particular cell or tissue type, age or species, different stresses will be more effective than others.  As I have said before, I believe that over time the science will speak for itself.”

Charles Vacanti, MD

(注:和訳は編集部による)

(弁護士ドットコムニュース)

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