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税務訴訟 |税理士ドットコムトピックス
2018年04月06日 09時58分

ユーザー不在の国税庁「URL変更」、SEO専門家「今からでもリダイレクトかけて」

ユーザー不在の国税庁「URL変更」、SEO専門家「今からでもリダイレクトかけて」
国税庁(barman/PIXTA)

リニューアルされたばかりの国税庁ホームページで、ユーザーが必要な情報になかなかたどり着けない混乱がつづいている。「利便性向上を図る」ためのリニューアルだったが、サイト内検索して表示される古いURLをクリックすると、10秒後にはトップページへ自動的に移動してしまうのだ。

ちょうど新年度がはじまる時期と重なったことや、十分な告知がなかったこともあり、国税庁ホームページで調べものをしようとしていたユーザーや企業に影響が相当に出たようだ。まさに「ユーザー不在」のリニューアルといえるかもしれない。

国税庁は4月3日、ホームページ上で「ご不便をおかけして申し訳ございません」と謝罪した。そのうえで、「クローラー(ロボット型検索エンジン)の巡回により、早期に検索結果に新しいURLが表示されるよう、検索エンジン側にリクエストするなどの措置を講じている」と説明している。

また、一般論として、閲覧の多いホームページについては、検索エンジン側にリクエストして即日から1週間程度で、検索結果に新しいURLが表示される見込みとしている。しかし、検索エンジンにくわしい辻正浩さんは「今からでも古いURLから新しいURLに飛ぶよう、リダイレクトをかけるべきだ」と指摘する。SEO専門家の辻さんに聞いた。

●「検索結果の信頼性がある程度失われた」

――今回の国税庁ホームページのリニューアルをどう見ましたか?

さまざまな分野のサイトを見てきていますが、ふつうはありえません。個別のURLにリダイレクトをかけないということは、昔はチラホラありましたが、ウェブ制作側にもSEO(検索エンジン最適化)上どれくらいの損失になるか、という情報が広く行き渡っているので、最近はあまり見なくなりました。このように大きなサイトでは極めて稀なケースです。

――どんなデメリットがありますか?

なにか特殊なことが起きなければ、検索順位が大幅に落ちてしまいます。検索はインターネットの一部で、必要不可欠の存在だと思いますが、公共機関の情報がまともに検索できないようにしてしまうのはありえないことと思います。ユーザー、つまり国民に非常に迷惑がかかります。

国税庁ホームページには、正確で、そのサイトにしかない情報が掲載されていました。もちろん公式がすべてではありませんが、「税金」という信頼性が重要な情報にたどり着けないということは、ユーザーの不安を煽ってしまいます。

そして、ユーザーは、サイトの中で探すために時間を浪費することになりました。過去に国税庁のページにリンクをしたブログやニュースサイトの記事からも飛べなくなりましたので、それも多くの人を悩ませつづけることになります。

●「検索の重要性が軽視された」

――「1週間たてば新URLが表示される」と楽観視しているようです。

今回については、1週間で元の状態に戻ることはありえません。サイト内検索がある程度、回復することはありえますが、今のままの対応だと、古いURLが表示されつづけることになります。

すでに、検索順位が落ちはじめています。たとえば「青色申告」というワードを検索すると、リニューアル前は国税庁のページが「2位」でした。それが4月4日17時段階では17位に落ちました。

新しいページに順位を引き継がせるためには、リダイレクトが必要なのですが、今回はしていないので、順位の回復にかなり時間がかかってしまうでしょう。今からでもリダイレクトをかけるべきだと思います。それなりの時間はかかりますが、リダイレクト以外の対応だと検索についての問題は長期間残り続けるでしょう。

――検索が軽視されたということでしょうか?

そうですね。残念です。多くの人を困らせる大問題になったわけですが、URLを変更するなど大きく仕様を変えるときに検索をまったく配慮しないとこうなってしまいます。SEOのために高いレベルの配慮をおこなうべき、とは言いません。

ただ、公共機関のサイトのリニューアルが、普通のウェブ制作会社であれば当然のようにおこなう検索への配慮をおこなわないまま公開されたのは大きな問題と思います。反面教師として、URLを変えたら変更元から変更先へリダイレクトをおこなうことを注意していただきたいです。

(弁護士ドットコムニュース)

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