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ツイッターに元カノの「裸写真」投稿して逮捕 「リツイート」した人も犯罪になる?
ネット上に流出した情報は不特定多数によって閲覧されてしまう。

ツイッターに元カノの「裸写真」投稿して逮捕 「リツイート」した人も犯罪になる?

元交際相手の裸の写真をツイッターに投稿して、不特定多数の人に見られる状態にしたとして、鳥取県の無職男性(39)が今年1月、リベンジポルノ防止法違反の疑いで逮捕された。リベンジポルノのネット流出で逮捕者が出たのは、今回が初めてだ。

報道によると、男性は今年1月、20歳の元交際相手の裸の写真10点をツイッターに投稿した疑いがもたれている。「女性に復縁を求めるメールを送ったが、返事がなかったので恨んだ。反省している」と話しているという。

今回の特徴は、ツイッターにリベンジポルノ画像を投稿して逮捕されたことだが、もし、他の人がこの写真をリツイートした場合、何か罪に問われる可能性があるのだろうか。清水陽平弁護士に聞いた。

●リツイートも「リベンジポルノ防止法違反」になりうる

「リベンジポルノ防止法は、正式名称が『私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律』といいます」

清水弁護士はこう切り出した。

「リベンジポルノをネットに投稿した人が、この法律に反することになるのは、法律のイメージどおりだと思います。しかし、法律では『第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、(略)不特定又は多数の者に提供した者」を処罰するとなっており、実は行為者に限定がありません。そのため、リツイートによって拡散すれば、リベンジポルノ防止法違反となります」

しかし、リツイートする側には「リベンジ」かどうかの判別がつかないケースもあるのではないか。

「リベンジポルノ防止法という略称ではありますが、実は対象となる画像はリベンジポルノに限っているわけではありません。

この法律で対象にしているのは『私事性的画像記録』ですが、ごく簡単にいえば、もともと公開する前提にない性的画像であれば、該当することになります。そのため、リベンジポルノであるかどうかにかかわらず、公開を前提にしていない性的画像を拡散すると、リベンジポルノ防止法違反となります。

ちなみに、性的画像の範囲は非常に広く、衣服がはだけているものでも、またモザイクをかけるなどしていても該当する可能性があります。

なお、もともとの画像が『過失』によってアップロードされた場合(たとえば、ウイルスによって拡散してしまった場合など)はどうかというと、それ自体についてリベンジポルノ防止法の適用はないですが、拡散してしまった画像をさらに意図的にリツイートなどで拡散させた場合は、リベンジポルノ防止法の適用があり得ます」

●「リベンジポルノ」と分かっていたなら違法?

問題の画像が「公開を前提にしない」性的画像なのかどうか、リツイートした人が分かっているかどうかが、ポイントになるということだろうか。

「もし『リベンジポルノか、少なくとも、もともと公開する前提にない性的画像かもしれない』と分かっていて拡散するのであれば、『未必の故意』があったといえるでしょうから、    理論的には、リベンジポルノ防止法の適用があります。

このように見てくると、『リベンジポルノ防止法』という略称が適切なのかという気もしますが、性的画像の拡散を防止するという観点からは、うまくカバーできているような気がします。なお、この法律に反すると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

また、今回はリベンジポルノ防止法に着目しましたが、拡散させることの問題として、ほかにも名誉毀損やわいせつ物公然陳列等の問題もあります」

清水弁護士はこのように語っていた。ツイッターでポルノ画像を見かけた場合には、注意が必要だろう。

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

清水 陽平
清水 陽平(しみず ようへい)弁護士 法律事務所アルシエン
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022~2023年) の構成員となっている。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を行っている。

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