
高橋 淳 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学在学中は経済学部に在籍していたのですが、当初は一般企業でのサラリーマンになることや役所勤めを考えておらず、公認会計士を目指そうと思っていました。
当時の公認会計士の受験科目には商法があり、商法を理解するためには民法を理解する必要がありました。その2科目を勉強すると司法試験の科目には残り4科目になります。
公認会計士の場合は試験に受かった後も実務補修期間を経ないと資格を得て働くことができませんが、弁護士の場合は試験に受かった後の司法修習期間にきちんとお給料が頂けるので弁護士を目指そうと思い直した経緯があります。
特に印象に残っている事例
私は家事関係と知的財産権の案件を主に扱っています。
家事事件に関しては、他の弁護士からの乗換案件と比較的複雑な案件が多いです。家事事件は定型的に処理できる部分もありますが、十分な議論がなされていない論点も多く、また、実務の取り扱いも固まっていないため、試行錯誤が必要な反面、経験値を積むことにより大きな競争優位性が得られると思います。
知的財産権に関してはある特許権の訴訟が印象に残っています。国際的な案件で、3カ国の裁判所で同時に訴訟をしていました。顧客が外国の会社であったため、文化の違いがある中で意見を調整することが特に大変でした。
東京で裁判を行う場合は日本でのルールに従わなくてはならないのですが、そのルールを顧客に説明し、更に他国でも同じ訴訟をしているので、そちらの主張ともすり合わせをしたりする必要がありました。その時は他国の弁護士と3日間ほど夜通しで会議をしました。
家事関係の案件や知的財産権の案件は判例や解説書が比較的少ないので、条文を頼りに自分で考えて対処しなければならないことが多く、同時に顧客のニーズに合った論理的な法律解釈、法律構成をする必要があるので難しく、印象に残る案件になることが多かったです。
弁護士としての信条・ポリシー
顧客満足を一番に考えることですね。顧客が何を求めているのかを把握して、それに応じて仕事をしています。例えば、顧客が早急に案件を進めてほしいと思っているのか、コストを重視しているのか、結論を簡潔に教えてほしいのか、又は丁寧な説明をしてほしいのか、それらを把握して対応するようにしております。
関心のある分野
知的財産権の分野と家事の分野です。
知的財産権の分野に関心をもったきっかけは、私はもともと理科系の素養があったということと、弁護士になった当時は今ほど注目されている分野ではなかったので競合する弁護士が少ないと思ったことです。
家事の分野に関しては、価値観の多様化が進む中で、より寛容性の高い規律を実現するために実務家としてなすべきことを探求していきたいと思っています。
他にもM&Aに関する分野なども関心をもって取り扱いますが、この分野もいろいろな法律が錯綜するので頭を使います。
ページを見ている方へのメッセージ
お医者さんを選ぶことと一緒で、自分にあった弁護士を選ぶことが大切と思います。疑問があればどんどん弁護士に質問してください。