
野田 伸也 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学時代に彼女から「サラリーマンとは付き合えない」と言われ、じゃあ資格を取ろうという話になったのがきっかけです。彼女は公認会計士を目指しました。僕のほうが合格するまで時間がかかり苦労をかけましたが、結局彼女と結婚して、2人で共同事務所を立ち上げることもできたし、そこまでは良かったですね。ただ、その後、人生いろいろあって彼女とは別々の人生を歩むことになりましたが、弁護士を目指すきっかけを与えてくれたことには感謝しています。
印象に残っている事例
まだ弁護士になって間もないころ、国選弁護士として覚醒剤事件を担当しました。被告人は既に同種前科もあり、主張も支離滅裂だったので、当然実刑判決が下ったのですが、人間としては憎めませんでした。
彼は裁判中からずっと、質入れしていた自分の時計が質流れしてしまうことをとても心配していました。僕は、判決後に自費で質受けし、「お金は返さなくて良いから、しっかり立ち直って下さい」と拘置所にサプライズで差入れしてあげたところ、数年経って出所した後、わざわざお金を返しに来てくれました。
彼が本当に立ち直ったかどうかは分かりませんが、少なくとも僕との信頼関係を大切にしようとずっと思っていてくれたことが嬉しかったです。
仕事の中で嬉しかったこと
やはり、当初思い悩んでげっそりしていた依頼者が、事件解決後、嬉しそうにしている姿を見るのが一番嬉しいです。
今までに何千件と案件を解決し、依頼者の新しい人生を送り出してきましたが、案件が解決した後もたまに連絡を頂いたり、別の相談をされたり、紹介してもらったりとつながりがずっと広がっていくのも嬉しいです。
弁護士になって大変だと感じること
弁護士という仕事は他人の権利義務を扱うわけですから、常に細心の注意を払う必要があるという意味では全て大変です。しかし、好きでこの仕事を選んでいるので、それが「大変」というよりは「やりがい」であると感じます。
あえて大変なことを挙げるならば、忙しくなるとすぐ食べ過ぎてしまうことですね。運動もできず、太ってしまうので大変です(笑)。
休日の過ごし方
ジョギングや水泳などでできる限り体を動かして心身の健康維持を心掛けています。たまに友人とゴルフに行って気晴らしするのも好きです。
仕事をする上で意識していること
依頼者にも、相手方にも、誰にでも誠実に対応するということに尽きます。気軽に相談できるような雰囲気を作ろうと心がけています。
私にとってはたくさんの依頼者のうちの一人でも、依頼者にとっては大きな人生の悩みを打ち明けるという、人生に一度あるかないかの経験です。ですから、いつも新鮮な気持ちで、すばやく、優しく、親身に対応しようと心がけています。
私自身、以前癌を患った母の治療に悩んでいたときに、お医者さんが忙しい中電話やメールで親身になって相談に乗ってくれたことがあり、心から感動したことがあります。そんなふうに仕事を通じて感動を与えることができたらと思っています。
関心のある分野
やっぱり債務整理の分野が特に関心があります。もともと破産法選択でしたし、悩み苦しんでいた人が劇的に立ち直れるという醍醐味があります。
今後の弁護士業界の動向
人数が多くなり過ぎて、競争が激しくなっているから、昔みたいな殿様みたいな弁護士が淘汰されて、サービス業としての意識を持つ弁護士が増えていくと思います。
今後のビジョン
自分の目の届く範囲で仕事をしたいという気持ちが強いので、あんまり規模を大きくするビジョンは全くないです。むしろできる限り無駄を削ぎ落して、費用を安くし、フットワーク軽く、密にコミュニケーションを取るようにして、依頼者の方々に心から満足してもらえるようなサービスを提供したいです。そして、そのような仕事を通じて、私自身も満足して暮らせるよう日々を積み重ねたいと思います。
ページを見ている方へのメッセージ
弁護士も色々なタイプがいます。得意分野もそれぞれ異なりますし、人柄等の相性も重要です。もしも、万が一、弁護士に依頼しなければならないことがあったら、面倒でも、複数の弁護士に相談して、納得できるまで吟味することをお勧めします