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2019年01月11日 15時34分

ビ・ハイアのパワハラ訴訟、遺族ら「奴隷的な生活」訴え 社長は「事実無根」と反論

ビ・ハイアのパワハラ訴訟、遺族ら「奴隷的な生活」訴え 社長は「事実無根」と反論
会見の様子(左=清水有高社長、右=大下周平さん)

アニメや漫画、ゲーム関連の求人サイトを運営する「ビ・ハイア」(清水有高社長)で働いていた女性(当時30)が自殺したのは、社長のパワハラが原因だとして、女性の遺族と元同僚2人が損害賠償などを求めた裁判の第1回口頭弁論が1月11日、東京地裁(佐久間健吉裁判長)であった。

遺族らは法廷で意見陳述し、「劣悪な状況にひたすら耐えてきた。無念が晴らされ、真実が明るみになるよう願っています」と訴えた。社長側は事実に反するとして、請求の棄却を求めている。

●「起きてます」LINEは指示していないと主張

訴状などによると、亡くなった女性と元同僚2人は2006〜14年に勤務。社長から、風呂もない事務所に住むよう命じられたり、社長からの連絡は深夜・早朝も関係なく続いて5分おきにLINEで「起きてます」と送るよう命じられたりしたという。

また事務所には監視カメラがあり、寝ていると「何やってんだ」と連絡がきたほか、日常的に「ゴミ」「クソ」などと罵倒されていたという。女性は昨年2月25日の深夜、「死んだほうがましですか」という趣旨のメッセージを社長に送信。同日午後、女性は自殺した。

社長側は答弁書で、原告が指摘する「5分おきのLINE」について、「業務内容について議論をすることはあったが、意味もなく『起きてます』とのLINEを送るよう指示したことはない」と否認。「奴隷的な生活」についても、「原告らが望んだもの」などと主張した。

●提訴は「助けられなかったことへの贖罪」

口頭弁論では、被告側に座る清水社長を目の前に、遺族らが意見陳述を行った。

亡くなった女性の父は「娘が奴隷的な生活をさせられた。厳格な裁判を求めます」。元同僚の大下周平さんは「(亡くなった女性と)8年、一緒に働いてきた。裁判を起こしたのは助けられなかったことへの贖罪です」と述べた。

一方、社長の代理人弁護士も法廷で意見を述べた。原告側が提訴段階で記者会見を開き、社長個人の名前と社名を明らかにしたことで、社長が数々の嫌がらせ行為に遭い精神的ダメージを受けていると指摘。「慎重かつ冷静な判断を」と裁判所に求めた。

佐久間裁判長は「もとより裁判所は法と証拠に基づいて淡々と判断するつもり」と述べた。

●原告側「早く反省してほしい」

口頭弁論後には、遺族ら原告は弁護士会館で会見を開いた。

大下さんは「我々が訴えたことについて、向こうは悪いと思っていないんだなという印象。人がひとり亡くなっており、和解に応じるのは難しい。早く反省してほしいなという思いです」と語った。

●社長から「反訴」も

一方、社長も同日午後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。

自殺の原因を社長のパワハラと決めつけたのは名誉毀損に当たるなどとして1月10日付で、反訴したことが報告された。

社長は「相手の主張が事実無根で、記者会見で語られたものも虚偽に満ちた作り話しであることを訴えるために起こした裁判であり、報復ではない」と説明した。

女性については「10年近く苦楽を共にした仕事の戦友。妹同然の存在でした。その人物を自死という形で失い、なぜ彼女を救えなかったのかという自責の念が続いている」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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