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民事・その他

2018年11月28日

未熟児や難病の子どもの医療費を援助してもらえる制度と必要な手続き

生まれた子が、未熟児だったり、難病にかかったりしていた場合、入院や治療などで高額な医療費が必要になる可能性があります。 そうしたとき、以下のような制度を利用することで、入院や治療にかかる費用負担を軽減することができます。

  • 未熟児養育医療制度
  • 小児慢性特定疾病医療費助成制度
  • 産科医療補償制度

この記事では、未熟児や難病にかかった子どもの医療費を援助してもらえる制度について解説します。

目次

  1. 未熟児や難病の子どもが生まれた場合に医療費を援助してもらえる仕組み
  2. 未熟児養育医療制度
  3. 小児慢性特定疾病医療費助成制度
  4. 産科医療補償制度

未熟児や難病の子どもが生まれた場合に医療費を援助してもらえる仕組み

以下のような方は、次のような制度を利用して、入院や治療などにかかる費用負担を軽減することができます。

対象 制度の名前
未熟児 未熟児養育医療制度
国の指定する疾病にかかった 小児慢性特定疾病医療費助成制度
出産時に重度脳性まひになった 産科医療補償制度

それぞれの制度について見ていきましょう。

未熟児養育医療制度

「未熟児養育医療制度」は、体が未熟な状態で生まれ、入院や治療が必要になった場合の医療費を支援してくれる制度です。 子どもが以下のいずれかのような状態にあり、入院養育が必要になると医師が判断した場合に制度を利用することができます。

  • 出生時の体重が2000グラム以下
  • 運動不安、または、けいれんがある
  • 運動が異常に少ない
  • 体温が摂氏34度以下
  • 強度のチアノーゼが持続、またはチアノーゼ発作を繰り返す
  • 呼吸数が毎分50を超えて増加傾向、または毎分30以下
  • 出血傾向が強い
  • 生後24時間以上、排便がない
  • 生後48時間以上、嘔吐が持続している
  • 血性吐物、血性便がある
  • 生後数時間以内に黄疸が出現、または異常に強い黄疸がある

医師の診断を踏まえ、制度の対象となるかどうかが判断されます。上記と似たような状態でも、制度の対象とならない可能性があります。

なお、制度を利用するためには、「指定養育医療機関」で入院・治療することが必要です。 どの医療機関が対象となっているかは、居住している自治体の役所に確認しましょう。

支援してもらえる範囲

入院・治療にかかった費用や、食事療養費を支援してもらえます。 全額負担してもらえる場合もありますが、自治体によっては、所得に応じて医療費の一部が自己負担となる可能性があります。 具体的な額については、自治体に問い合わせましょう。

保険適用外の治療費や差額ベッド代、オムツの費用などは、基本的に支援の対象外です。

利用するための手続き

制度を利用するためには、各自治体の保健所(保健センター)に申請する必要があります。 申請には以下のような書類が必要です。

  • 養育医療給付申請書
  • 養育医療意見書
  • 世帯調書

いずれの書類も、一般的には、各自治体のホームページからダウンロードすることができます。ダウンロードできない場合は、入手方法を自治体に確認しましょう。 また、本人確認書類や健康保険証のコピーなど、上記以外の書類も必要となる場合があるので、自治体に確認しましょう。

「養育医療意見書」は医師が記入する書類です。また、「出生から1か月以内」など、申請に期限を設けている自治体もあります。制度を利用したい場合は、速やかに医療機関や自治体に相談しましょう。

小児慢性特定疾病医療費助成制度

子どもが国の指定する病気(小児慢性特定疾病)にかかっている場合に、医療費を支援してもらえる制度です。 制度の対象となる病気は「小児慢性特定疾病情報センター」のホームページで調べることができます。

制度は小児慢性特定疾病にかかっている18歳未満の子どもが対象ですが、すでに制度を利用しており、引き続き治療が必要と認められる場合は、20歳未満まで対象となります。

助成額

支援の額は自治体によって異なります。医療費の全額を支援してくれる自治体もあれば、一部のみの場合もあります。 また、家庭の所得によって助成額が異なる場合があるので、具体的な助成額を各自治体の担当窓口に確認しましょう。 各自治体の担当窓口は、「小児慢性特定疾病情報センター」のホームページで調べることができます。

制度を利用するための手続き

制度を利用するための手続きは、以下のような流れになっています。

  1. 指定医療機関で診断を受ける
  2. 指定医療機関で診断後、医師から「小児慢性疾病医療意見書」を受け取る
  3. 各自治体の担当窓口で制度の利用を申請する
  4. 制度を利用できるかどうかが通知される

制度を利用するためには、指定医療機関で診断を受ける必要があります。 指定医療機関は各自治体の担当窓口に確認しましょう。 各自治体の担当窓口は、「小児慢性特定疾病情報センター」のホームページで調べることができます。 「小児慢性疾病医療意見書」は担当窓口で申請するときに提出します。 手続きの詳細や、意見書以外の必要書類などは、担当窓口に確認しましょう。

産科医療補償制度

「産科医療補償制度」は、出産の時に、何らかの理由で子どもが重度脳性まひとなった場合に、補償金が支払われる制度です。 産科医療補償制度は、自分自身で申請して利用するのではなく、医療機関が加入する制度です。 自分が出産する時に利用する医療機関が、制度に加入しているかどうか、医療機関に確認しましょう。 また、制度に加入している医療機関を、制度の運用組織である「日本医療機能評価機構」のホームページから検索することもできます。

制度に加入していない医療機関で出産し、子どもが重度脳性まひとなった場合は、補償を受けることができない場合があるので注意しましょう。

補償の対象

以下のすべての基準に当てはまり、日本医療機能評価機構が補償対象と認めた場合、補償を受けることができます。

  • 出生体重が1400g以上かつ妊娠32週以上で出生、または妊娠28週以上の出生で低酸素状況に関する一定の要件を満たす
  • 先天性の脳性まひや新生児期の要因による脳性まひではない
  • 重度の脳性麻痺(身体障害者障害程度等級1、2級相当)

補償額

補償額は3000万円です。このうち600万円は一時金として支払われ、残りの2400万円については、分割金として毎年120万円が20年間支払われます。

補償を受けるための手続き

補償を受けるためには、以下のような手続きが必要です。

  1. 子どもが脳性まひと診断された場合、診断した医師に、制度の補償対象となる可能性があるか相談する
  2. 補償対象となる可能性がある場合は、出産する時に利用した医療機関に、補償を受けたいことを連絡する
  3. 出産する時に利用した医療機関から、制度利用を申請するための書類を受け取り、必要事項を記入する。
  4. 出産する時に利用した医療機関に書類を提出し、日本医療機能評価機構に申請してもらう
  5. 補償金を請求するための必要書類を、日本医療機能評価機構から受け取る(申請が認められた場合)
  6. 補償金請求の必要書類に記入し、日本医療機能評価機構に返送する

1.診断した医師に制度の補償対象となる可能性があるか相談する

脳性まひの主な症状には、「体が反り返りやすい」「手足がこわばってかたくなる」などがあります。 子どもにこのような症状が出た場合は、出生体重や何週目で出産したかを確認し、医師に「産科医療補償制度」の補償対象となるか相談します。

2.出産する時に利用した医療機関に、補償を受けたいことを連絡する

制度を利用する場合は、自分や診断した医師ではなく、出産する時に利用した医療機関が日本医療機能評価機構に連絡します。 診断した医師から、補償対象となる可能性があると伝えられたら、制度を利用する意思を、出産する時に利用した医療機関に連絡しましょう。 出産する時に利用した医療機関が、日本医療機能評価機構から必要書類を取り寄せるので、その書類を受け取りましょう。

3.制度利用を申請するための書類を受け取り、必要事項を記入する

必要書類には、自分が記入する書類だけでなく、医師の記入が必要な「専用診断書」があります。 専用診断書は、全ての医師が記入できるのではなく、必要な資格を有する医師でなければ記入できません。 子どもを診察している医師が、資格を有しているかを確認しましょう。 その医師が資格を有していない場合は、資格を有する医師を紹介してもらえるか確認しましょう。 日本医療機能評価機構のホームページから、資格を有する医師を検索することもできます。

4.出産する時に利用した医療機関に書類を提出し、日本医療機能評価機構に申請してもらう

日本医療機能評価機構への申請も、自分ではなく、出産する時に利用した医療機関が行います。 必要書類を、出産する時に利用した医療機関に提出し、申請してもらいましょう。

ここまでの手続きは、子どもが満5歳の誕生日を迎えるまでに完了する必要があります。

5.補償金を請求するための必要書類を、日本医療機能評価機構から受け取る

申請を受けた日本医療機能評価機構は、補償対象となるか審査を行います。 補償対象になると認定された場合、審査結果通知書と、補償金を受け取るための必要書類とが、日本医療機能評価機構から送られてきます。

補償対象外と認定された場合は、審査結果通知書を受領した日の翌日から60日以内であれば、不服申し立てを行うことができます。

6.補償金請求の必要書類に記入し、日本医療機能評価機構に返送する

書類を受け取ったら、必要事項を記入し、日本医療機能評価機構に返送します。 請求書以外にも、子どもの戸籍謄本(抄本)や、親の印鑑証明書なども同封します。 返送した書類に不備がなければ、保険会社から、まずは一時金(600万円)が振り込まれます。

分割金の請求方法

分割金(毎年120万円が20年間)の受け取りついては、子どもの誕生月の初日の3か月前になると、日本医療機能評価機構から分割金請求に関する案内書類が送られてきます。 分割金を請求するためには、案内書類にある「分割金請求用の専用診断書」を、毎回、日本医療機能評価機構に提出する必要があります。 「分割金請求用の専用診断書」は必要な資格を有する医師だけが記入することができます。 必要な資格は、「3.制度利用を申請するための書類を受け取り、必要事項を記入する」の手続きにある専用診断書に記入するための資格と同じです。 「分割金請求用の専用診断書」に記入してもらったら、案内書類に従って、他の必要書類と一緒に日本医療評価機構に提出します。 書類に不備がなければ、保険会社から、1年分の分割金が振り込まれます。

分割金は、子どもが19歳になるまで年1回受け取れます。もし、子どもが2歳の時に制度利用を申請して一時金を受け取った場合、0歳から2歳までの分割金(120万円 × 3 = 360万円)を、一時金と一緒に受け取ります。

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