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民事・その他

2018年11月28日

妊娠出産費用を援助してもらえる制度と支給を受けるために必要な手続き

妊娠から出産までには、健康診断や入院、分娩など、様々な場面で金銭的な負担がかかります。 これらの負担については、自治体や健康保険などによる以下のような制度で、サポートしてもらうことができます。

  • 妊婦健康診査の費用助成
  • 出産育児一時金
  • 出産手当金

この記事では、妊娠や出産にかかるお金をサポートしてくれる制度について解説します。

目次

  1. 妊娠・出産の費用負担をサポートしてもらえる仕組み
  2. 妊婦健康診査の費用助成
    1. 助成額を確認しよう
    2. 妊娠中に他の自治体に引っ越す場合は新たな受診票が必要
  3. 出産育児一時金
    1. 出産育児一時金の額
    2. 出産育児一時金の対象者
    3. 出産育児一時金を支給してもらうための手続きの流れ
  4. 出産手当金
    1. 出産手当金の額
    2. 出産手当金の対象者
    3. 出産手当金を受け取るための手続き
  5. その他
    1. 産休・育休中は社会保険料が免除される
    2. 育児にかかるお金も助成してもらえる

妊娠・出産の費用負担をサポートしてもらえる仕組み

alt 妊娠から出産までに必要な費用については、自分が住んでいる自治体や、加入している健康保険などから、以下のような助成金や手当てのサポートを受けることができます。

助成金・手当金 対象者
妊婦健康診査の費用助成 妊娠・出産する人全員
出産育児一時金 妊娠・出産する人全員
出産手当金 勤務先の健康保険に加入している人

「出産手当金」を受け取るための申請は出産後に行いますが、申請書に医師や助産師に記入してもらう箇所があるので、妊娠中に申請書を準備しておきましょう。

それぞれのサポートについて詳しく見ていきましょう。

妊婦健康診査の費用助成

alt 妊婦健康診査(妊婦健診)は、妊娠中に14回程度、受けることが一般的です。 1回の健診にかかる費用は数千円から、検査項目によっては1万円を超える場合がありますが、自分が住んでいる自治体に費用を助成してもらうことができます。 健診費用を助成してもらうためには、「妊婦健康診査受診票」(自治体によって名称が異なる場合があります)を、健診を受ける医療機関に提出します。 受診票は「母子健康手帳」などと一緒に受け取ることが一般的です。 すでに「母子健康手帳」を持っている人は、受診票も受け取っているかを確認し、受け取っていない場合は、各自治体に問い合わせましょう。

助成額を確認しよう

健診費用の助成額は、自治体によって異なります。 全額を助成してくれる自治体もありますが、上限が定められていることが多いので、助成額を自治体に確認しましょう。 助成の方法も以下のようなパターンがあるので、自治体が、どのような方法を採用しているかも確認しましょう。

  • 健診の費用が助成額の上限を超えた場合、健診費用と助成額の差額を医療機関に支払う
  • 健診費用の全額を医療機関に支払い、出産後に助成額を受け取る

妊娠中に他の自治体に引っ越す場合は新たな受診票が必要

「妊婦健康診査受診票」は、その受診票を受け取った自治体内の医療機関でしか使えないことが一般的です。 妊娠中に他の市区町村に引っ越す場合、移転先の自治体で、その自治体が発行する受診票を新たに受け取る必要があります。 引越し先の自治体から新たな受診票を受け取らなければ、健診費用を全額、自己負担しなければならない可能性があります。 妊娠中に引っ越すことになった場合は、引越し先の自治体に連絡するようにしましょう。

近隣の自治体に引っ越す場合は、引越し前の自治体で受け取った受診票を利用できる可能性があります。すでに受け取った受診票を引き続き利用できるかどうか、引越し先の自治体に確認してみることをおすすめします。

出産育児一時金

alt 「出産育児一時金」は健康保険に加入している人全員に支給されるお金です。 専業主婦や自営業であれば、各自治体の国民健康保険から支給されます。 会社などに勤務していれば、その会社などが加入している健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)から支給されます。 一時金は、基本的に自分が受け取るわけではありません。健康保険から、分娩のときに利用した医療機関に対して直接支払われます。 そのため、分娩・入院にかかった費用が一時金の額を上回った場合は、不足分を退院時に医療機関へ支払うことになります。 分娩・入院の費用が一時金の額よりも低かった場合は、産後に差額分を受け取ることができます。 また、医療機関によっては、一時金が健康保険から医療機関に支払われる制度に対応していない場合があります。 この場合は一旦、自分で分娩・入院費用を全額支払い、分娩・入院が終わった後に、健康保険から一時金を受け取ることになります。 分娩・入院費用の全額を自分で用意する必要があることに注意しましょう。

一時金が健康保険から医療機関に支払われる制度に対応している医療機関を利用する場合でも、一時金を自分で受け取れる可能性があります。一時金を自分で受け取りたい方は、医療機関や健康保険の窓口に手続きの方法を確認しましょう。

出産育児一時金の額

「子ども1人」につき42万円(「産科医療補償制度」という制度を利用してない医療機関で出産する場合は40万4000円)です。 双子を妊娠した場合は84万円になるなど、妊娠した子どもの人数に応じて支給額は増加します。 また、自治体や健康保険組合によっては、一時金に加え「付加給付金」などが支給される場合があるので、勤務先や自分が加入している健康保険の窓口に確認しましょう。

出産育児一時金の対象者

以下の2点をどちらも満たす人が対象です。

  • 健康保険に加入している(夫の被扶養者として、夫の健康保険に加入している人も含む)
  • 妊娠4か月(85日)以上を経過してから出産した(死産・流産なども含む)

出産育児一時金を支給してもらうための手続きの流れ

一時金の支給の申請手続きは、医療機関が代行してくれることが一般的です。医療機関が代行してくれない場合は、自分で健康保険に申請します。 どちらの場合も、一時金は、妊娠・出産にかかった費用を補填する形で医療機関に対して直接支払われます。 自分の口座に振り込んでもらうこともできますが、振込のタイミングは産後になります。 そのため、分娩・入院にかかった費用の全額を、いったん自分で用意して支払う必要が出てくることに注意しましょう。

医療機関に代行してもらう場合の注意点

申請手続きは、基本的に病院に任せることができます。 ただし、分娩・入院にかかった費用が、一時金の支給金額よりも低かった場合、差額分を受け取るためには、自分で手続をする必要があります。 差額が生じた場合は、加入する健康保険の窓口に確認しましょう。

自分で申請する場合の注意点

出産予定日から2か月以内になったら、加入している健康保険に申請します。 申請に必要な手続きや申請書の書式については、出産する医療機関や加入している健康保険に確認しましょう。 分娩・入院にかかった費用が一時金の額を上回った場合は、不足分を退院時に医療機関へ支払う必要があります。 分娩・入院の費用が一時金の額よりも低い場合は、申請書に記入した口座に、差額分が自動で振り込まれることが一般的です。

帝王切開などにより分娩の費用が高額になる場合

帝王切開で出産することになった場合、出産の費用が一時金の額を大幅に超える可能性があります。 出産の費用が一時金の額を大幅に超えた場合、出産後に高額な費用を自分で負担しなければなりません。 このようなケースでは、「高額療養費制度」や「限度額適用認定証」を利用することで、自己負担額を抑えられる場合があります。詳しくは医療機関や健康保険に相談しましょう。

帝王切開で出産した場合、自身で加入している民間の医療保険からも、保険金が支払われる場合があります。補償内容を保険会社に確認しましょう。

出産手当金

alt 「出産手当金」は、会社などに勤務している人が、産休を取る時に支給されるお金です。 産休中は給与を支払われないことが一般的なので、その間の生活を支えるために、加入している健康保険から支払われます。

出産手当金の額

出産手当金の額は、以下の計算式で算出できます。 月給 ÷ 30 × 2/3 × 産休の日数 = 手当金の額 産休の期間は、産前42日間と産後56日間の計98日です(双子以上の場合、産前は98日間です)。 産前の42日間については、休むかどうかを本人が決めることができます。 つまり、本人が希望すれば、産前の休暇を取得せずに、出産日の直前まで働くことが可能です。 一方、産後56日間は基本的に働くことができません。 ただし、医師が許可した場合は、産後42日間が経過すれば、働くことができます。

出産手当金の計算例

月給が20万円で、98日間の産休を取得した場合、手当金の額は以下のようになります。 20万 ÷ 30 × 2/3 × 98 = 約43万5500円 手当金の額は、実際に産休を取得した期間で計算するので、出産日の直前まで働いていたり、産後56日間が経過する前に仕事を再開したりした場合は減額されます。 また、実際の出産日が予定日より早ければ、早くなった日数分の手当金が減額され、逆に予定日より遅ければ、遅れた日数分が増額されるケースがあります。 実際の出産日が出産予定日と異なった場合は、出産後に手当金の支給額について、勤務先の担当者や健康保険に確認しましょう。

計算式にある「月給」は、正確には「最初に出産手当金が支給された日以前の12か月間の標準報酬月額を平均した額」です。「標準報酬月額」は給与明細書から確認できる場合もありますが、正確な額を把握するために、勤務先の担当者に問い合わせてもよいでしょう。

出産手当金の対象者

会社員や公務員で、勤務先の健康保険に加入している人が対象です。 ただし、産休中も3分の2以上の給与をもらっている人は手当金を受け取れません。 また、専業主婦や自営業、パートなどで、国民健康保険に加入している人も、手当金の対象外です。

パートや契約社員など、正社員以外でも、勤務先の健康保険に加入していれば、手当金を受け取ることができます。

出産を機に退職する場合も、手当金を受け取ることができる場合があるので、勤務先や健康保険に確認してみましょう。

出産手当金を受け取るための手続き

出産手当金を受け取るためには、主に以下のような手続きが必要です。

  1. 産休前に出産手当金の申請用紙を、勤務先や健康保険を通じて取得する
  2. 出産する医療機関で申請用紙の必要事項を記入してもらう
  3. 産休の終了後、申請書を勤務先に提出して必要事項を記入してもらう
  4. 勤務先や健康保険に提出する

具体的な手続きは、勤務先や健康保険によって異なる場合があるので、産休前に確認しておきましょう。

その他

alt

産休・育休中は社会保険料が免除される

このほか、会社などに勤務している人は、産休・育休の期間中、健康保険料や年金保険料といった「社会保険料」の支払いを免除してもらうことができます。 妊娠していることがわかった場合は、勤務先の担当者に連絡し、必要な手続きを確認しましょう。

育児にかかるお金も助成してもらえる

出産後も「児童手当」や「育児休業給付金」(会社などに勤務しており、育休を取得する人が対象)などのお金を受け取ることができます。 出産後、すぐに申請する必要があるので、手続きなどについて妊娠中に確認しておきましょう。 児童手当や育児休業給付金などを受け取るための手続きについては、次の記事で詳しく解説しています。

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