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<ヘイトスピーチ訴訟>「安易なデマが娯楽になっている」在特会など提訴の女性が会見
ヘイトスピーチで名誉を傷つけられたとして、提訴に踏み切ったフリーライター李信恵さん

<ヘイトスピーチ訴訟>「安易なデマが娯楽になっている」在特会など提訴の女性が会見

民族差別的なヘイトスピーチで名誉を傷つけられたとして、在日特権を許さない市民の会(在特会)と桜井誠会長、2ちゃんねるまとめサイトの「保守速報」を訴えた在日朝鮮人のフリーライター李信恵さんが9月5日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。

●「在日蔑視はもともとあった」

李さんは会見で、自らにどんな言葉が投げかけられたのか、なぜ訴訟を起こしたのか、在日朝鮮人がどんな状況に置かれているのかなどについて説明した。海外メディアの記者からは「最近になって差別的な感情を持つ人が増えたのか、それともごく一部の人が騒いでいるだけなのか」という質問が出た。

これに対し、李さんは「もともと日本社会の中には、在日を蔑視する背景があった。日本社会がそれを下支えしてきた。過去の戦争や歴史を振り返らなかったり、人権教育がちゃんとできていなかった」と指摘。続けて、「(そういう人が)もともと一定数必ず存在していた。いまは安易なデマに踊らされたり、デマに踊らされることを娯楽にしている人が多いのだと思う」と話した。

●「ペンで戦おうと考えていたが・・・」

李さんは、これまで「ライターである以上、ペンで戦うことを考え、デモの現場取材にも毎週通っていた」とうち明けた。その一方で、「ペンを持たない普通の人たちは、どうするのか。ネットで路上で、声も挙げられず、黙らせられているのは誰なのか」と、被害者を守るために何をすればいいのかを考え続けていたという。

そして今回、京都の朝鮮学校に対する嫌がらせが違法と認定された7月の大阪高裁判決に勇気づけられて、「次は自分の番だ」と、訴訟に踏み切ったのだという。

李さんの代理人をつとめる上瀧浩子弁護士は「裁判は、李さん個人の権利回復だけではなく、差別を許す社会を再生産させないことにある」として、この訴訟の社会的意義を強調していた。

動画はこちら。

「ヘイトスピーチに歯止めを」在特会と保守速報を訴えた李信恵さんが会見 」

https://www.youtube.com/watch?v=iCJgt5PhpfM

(弁護士ドットコムニュース)

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