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「漫画・アニメ除外は世論の勝利」 児童ポルノ禁止法改正案について山田議員に聞く
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「漫画・アニメ除外は世論の勝利」 児童ポルノ禁止法改正案について山田議員に聞く

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子どものわいせつな写真や画像などの所持を禁じる児童ポルノ禁止法の改正案が、6月5日の衆院本会議で与党や民主党などの賛成多数で可決された。今回の法案について、積極的に意見を主張してきた議員はどうみるのか。みんなの党の山田太郎参議院議員に聞いた。

●「児童ポルノ」という名称は変更すべき

――今回の法案には、どのような形で関わってきたのか?

「実務者協議のメンバーではなかったが、メンバーの議員に対して、相当な主張をしてきた」

――昨年、自民党などが国会に提出した法案では、漫画やアニメなどについても規制を検討するという文言が入っていたが、今回の改正案では外れている。そのことをどうみているか?

「当然のことで、良かったと思っている。このまま法案が通ってしまいそうだったが、反対運動が起きて、世論が勝利した。一定の前進と言えるだろう。虐待される児童を守ることが目的だったはずなのに、漫画やアニメの話になってしまうのはおかしい」

――漫画やアニメ以外に、どういった点が問題か?

「そもそも名称を『児童ポルノ』ではなく、『子どもの性的虐待の記録』等に変更するように主張してきた。ICPO(国際刑事警察機構)も、『児童ポルノ』という名称は問題を矮小化させるという声明を出している。『子どもを性的虐待から守ること』が入り口だったのに、出口では、『ポルノであるかどうか』の議論になってしまった。虐待とは何かということを書けばいいのに、ポルノの話になってしまっている」

――単純所持について、新たに「罰則」が科されることについては、どう考えるか?

「今のままだと何の罪にもならないので、罰則を科すのは評価できる。ただ、所持している人に対して事前に廃棄命令を出すべきだ、と主張してきた。意図しない所持や、あいまいな部分に関する萎縮効果を防ぐことができるからだ。廃棄命令に従わない場合に、罰則を科す仕組みにすればいい」

――法案成立までにできることは?

「参議院の法務委員会で質疑に立って、法案の中身について、より明らかにしたい。冤罪(えんざい)につながることのないように、内容をきちんと確認したい。また、付帯決議を求めるという手もあると考えている」

(弁護士ドットコムニュース)

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