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2014年10月26日 17時41分

もし自宅が「火事」にあったら・・・「保険金」を確実に払ってもらうための注意点

もし自宅が「火事」にあったら・・・「保険金」を確実に払ってもらうための注意点
空気が乾燥する秋冬は火事の発生率が高い

自宅が突然燃えてしまったら――。考えたくない事態だが、その「万が一」に備えるためにあるのが、火災保険だ。

しかし、火災保険に加入していたからと言って、それで万事安心というわけではない。いろいろな事情で保険金が支払われない場合もあるからだ。あるQ&Aサイトには「保険会社よりお支払いできませんと通知が来た」として、助言を求める投稿がされていた。

自宅が火事に遭ったとき、保険金をきちんと支払ってもらうためには、どのように対応すれば良いのだろうか。火災保険の未払い事件に取り組む坂野真一弁護士に聞いた。

●火災のあと保険会社の調査が入る

「火災保険をかけている物件が火災事故に遭った場合、通常は消防・警察による事情聴取の他、保険会社の調査が入ります。

保険会社は、関係者からの聞き取りを行い、資料の提出を求め、現場を検分するといった調査を行います。

表面上は、『保険金を支払うために必要な手続です』という名目の調査ですが、私の経験からいえば、こうした調査は『保険金を支払うためというより、保険金を支払わなくて済む理由はないかを調べている』と感じられる場合がかなりあります」

保険会社の調査に対して、どう応対すればいいだろうか?

「火事に遭われて、茫然自失となっている方も多いはずですが、きちんと頭の中で事実を整理して、正しく伝える必要があります。

たとえば、保険会社に対して、消防・警察に話した内容と矛盾した内容を話したり、被害を実際より多く申告したりすると、『何か不正があったのではないか』と、怪しまれることがあります。

実際に、私が担当した裁判で、保険会社側から証拠として提出されてきた調査報告書の中には、『保険をかけていた方の対応が不審であった』と、調査員の印象を堂々と明記していたものもありました」

頭を整理してから、落ち着いて対応すべきと言えそうだ。

「そうですね。保険会社とやり取りする際には、念のため会話を録音しておくほうが良いでしょう。

また、保険会社から何らかの資料提出を求められた場合には、『何の資料』を『いつ』『誰に』渡したかを明らかにするために、受取書をもらっておくことです。

さらに、求められた資料については、コピーを渡すか、原本を渡す場合でもコピーを取っておくことが大事です。保険会社の担当者は変わることも多いため、後で訴訟になったときに、『そんな書類は受け取っていない』と、しらを切られることもあり得ます」

●火災保険をかけただけでは安心できない?

「消防、警察の現場検証の他に、保険会社が依頼した調査会社によって火災現場の調査が行われることもあります。この場合に大事なことは、必ず調査に来た相手全員の名刺をもらっておくこと、調査には最初から立ち会うことです。

また、調査会社が現場から何かを持ち帰りたいとの申出があった場合には、必ず物品を特定して預り証をもらうべきです。さらに、持ち帰る物品を写真撮影しておくほうが安心です」

かなり徹底しているように感じるが、そこまでする必要があるのだろうか。

「私が相談を受けた方の話によれば、調査会社が、立会人無しに現場の調査を開始したケースがありました。その上、勝手に現場から物品を持ち去っていながら『持ち主の了解を得ていた』と強弁したり、持ち去った物品のうち一部だけしか返却しないこともあったようです」

保険会社側の調査といっても、安心はできないということだ。

「保険会社が、わざわざ調査会社に費用を出してまで現場調査をさせるのは、『保険会社にとって何らかのメリットがあるから』です。一方、調査会社にとって保険会社は大事なクライアント(依頼主)ですから、『保険会社は、保険会社寄りの調査結果を出す傾向が否定できない』と考えておくべきです。

火災保険をかけているだけで安心なのではありません。事故に応じた保険金がきちんと下りて初めて、生活再建が可能となります。最後まで気を抜かずに対応していただくことが肝要と考えています」

坂野弁護士はこのように注意を促していた。

(弁護士ドットコムニュース)

坂野 真一弁護士
イデア綜合法律事務所 パートナー弁護士。関西学院大学、同大学院法学研究科非常勤講師。著書(共著)「判例法理・経営判断原則(中央経済社)」。最近は火災保険金未払事件にも注力。
所在エリア:
  1. 大阪
  2. 大阪市
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