弁護士に相談するケース
1 遺言に関する相談
- 自分が亡くなった後に、遺産相続で親族に揉めて欲しくない。
- 遺言に遺産分割について書くので、不動産や証券の正確な財産価値を知りたい。
- 法的に有効な遺言の書き方が分からない。また、確認して欲しい。
- 介護をしてくれた長男に遺産を多く配分したい。
遺言書を書くメリットは、遺産分割において自分の意思を反映させるだけではありません。相続トラブルに発展しやすい遺産分割協議をする必要が原則としてなくなるので、親族間に揉め事が起きづらくなります。
また、遺言書があれば預金や不動産の名義変更をより少ない書類で手続きが済むため、手間を大幅に省くことができます。そのため、遺言を書くことは大きなメリットがあるのです。
しかし、遺言書は法律に則った書き方になっていないと無効になってしまったり、遺産分割の内容が適正でないと親族間で揉め事が発生したりすることが考えられます。そのため、遺言書の書き方や内容について弁護士に相談をする方が多くいらっしゃいます。
2 手続きに関する相談
- 相続することになったが法律がまったくわからない。必要な手続きをお願いしたい。
- 仕事が忙しく時間がないため、役所から必要書類の収集や金融機関への手続きを代行して欲しい。
相続について調べるだけでも一苦労で、本当に合っているか不安にもなるものです。また、相続の法律や必要な手続きが分かったとしても、仕事や家事で多忙だと経験のない手続きをすることは大きな負担になります。
3 調査に関する相談
- 父が亡くなったが、既に母や兄弟も亡くなっていて、誰が相続人になるのかわからない。
- 家や車、株式があるが、遺産としてどれぐらいの価値があるかわからない。
- 生前に借金ををしていたが完済できているか心配。
遺産分割をするには、相続人と相続財産を特定することが必要です。漏れているとやり直しになってしまったり、借金を相続してしまったりする可能性があります。
役所や金融機関など多数の機関への確認や、財産価値の鑑定が必要になります。相続放棄する場合は、被相続人が亡くなったのを知ってから3か月以内に判断しなければならないため、財産の調査は急ぐ必要があります。
4 相続放棄に関する相談
- 親が亡くなったが、どうやら借金があるようだ。借金を相続したくない。
- 借金は相続したくないが、家を手放したくない。
被相続人に借金がある場合、財産も負債も相続をしない相続放棄を選択することもできます。また、プラスの財産の範囲で借金を引き継ぐこと選択も可能です。遺産の中に借金があると何かと不安かと思いますので、相続すべきかどうか弁護士にアドバイスをもらうと良いでしょう。
5 遺産分割に関する相談
- 親族と揉めたくないが自分の希望は通したい。
- 生前から親族と不仲なので揉めることが必至。
- 遺産分割協議がまとまらず長期化している。
- 介護をしていた自分は少し多めに相続していいはずだ。
- 貯金があったはずだが行方不明。遺産を調査したい。
- 遺言が改ざんされているようなので無効にしたい。
遺産の大小に関わらず、お金が絡むと話し合いは簡単にはまとまらず、親族間に軋轢が生まれてしまうことがあります。ましてや、疎遠や不仲な親族との話し合いとなると、自分の希望を通すことは容易ではないでしょう。
また、特定の相続人による遺産の使い込みや遺言の改ざんがあった場合には、当然ながら納得できるはずがなく、返還請求や損害賠償請求に発展することもあり得ます。話し合いでまとまらなければ調停や裁判となるため、話し合いがこじれる前から弁護士に相談するケースも多いのです。
6 遺留分に関する相談
- 自分の相続分が少ないが、遺留分が侵害されていないか確認したい。
- 遺留分が侵害されているとわかったので取り返したい。
- 遺留分についての交渉したが、払ってくれそうにない。
遺留分とは、相続人が最低限相続できる財産分のことをいいます。遺言書に特定の人物に全財産を相続させると記載があって、相続人なのに全く遺産がもらえないとなると、容易に納得することは難しいでしょう。
しかし、遺留分を請求することは、正確な遺留分の計算から内容証明の作成、相続人との交渉をしなければならず、日常生活の大きな負担になります。
遺留分の金額が大きくなると、相手方もすんなり支払いには応じず、弁護士を付けて調停や裁判を見据えた上での交渉となるのです。
7 登記に関する相談
- 亡くなった親の不動産の名義変更をして欲しい。
不動産の名義変更には相続登記申請書、登記原因証明情報、住所証明情報などを収集し、管轄の法務局に提出しなければなりません。不動産や証券などの所有形態や権利関係が複雑ですと、手続きも一筋縄ではいきません。そのため、財産調査やその他手続きと合わせて依頼すると安心でしょう。