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インタビュー・レポート

依頼者の方とそのお子様の未来のために「争わない離婚」という選択肢をご提供したい〜自身の経験や特性を生かした離婚特化で、寄せられるご相談は年間累計200件以上〜

インタビュー

2020年03月27日


今回は、大阪府豊中市で開業されている武澤明日香先生(ボーリバージュ法律事務所)に、弁護士登録をしてから現在に至るまでの歩みや仕事術について、お話を伺いました。

武澤先生は、即独すると同時に離婚分野に特化し、「争わない離婚」という信念を持って、様々な離婚事件を解決に導いてこられました。そこで、離婚事件をこじれさせずに解決させるコツや即独後の集客方法、専門分野に関する経験の積み方などについても、併せてお話しいただきました。


 
記事のハイライト

・自身の経験から選んだ「離婚分野特化」の道
・幸せになっていただくための「争わない離婚」
・即独してもがいた日々の経験が、今に活きている
居場所のない子供たちへのサポートがしたい

 
自身の経験から選んだ「離婚分野特化」の道

 

ー 弁護士を目指されたきっかけについて、お聞かせください。

一番のきっかけは、予備校が「(旧)司法試験の合格者が1,500人に増えるので、弁護士になるなら今がチャンスです」と大きく謳っていたことです。
当時、すでに30代半ばだったのですが、法学部を出ていたことや、将来は資格を活かした仕事がしたいと考えていたため、弁護士を目指すことにしました。

また、両親の離婚を経験したことも、きっかけのひとつです。
最終的に裁判にまでもつれ込み、離婚後10年が経っても、双方に恨みつらみがあるような状態でした。弁護士に依頼していたため、慰謝料は多く取れましたが、離婚後も、長年苦しむ母の姿を見ることになり、とてもショックな経験でした。「気持ちの問題は、お金では解決できない」ということを、改めて思い知らされました。
この経験から、「弁護士になったら、離婚分野に特化して、同じような境遇にいる方を助けたい」と強く思うようになりました。


ー ご自身の経験から、離婚分野に特化の道を選ばれたのですね。
  決断される際に考慮されたことはありますか。

市場の状況を考慮しましたね。
修習時に、離婚分野を苦手にしている弁護士が多いと気づいたことや、家庭裁判所の調停委員から「すぐに、裁判!という弁護士が一番嫌ですね。こちらもやる気を失います」とのお話があったことから、なるべく裁判をせずに、調停や和解の道を探る「争わない離婚」を手がける弁護士は市場に少なく、かつ、一定の需要があるのではないかと考えました。

実際に離婚分野に特化したところ、考えていた通り、需要がありました。
さらに、自身の「依頼者の方と同化しない」という特性にもとても合っていたので、いい決断だったと思っています。
時折、依頼者の方から「離婚案件ばかりだと、気持ち的につらくないですか」とご質問をいただくのですが、平気ですね。弁護士と依頼者という上下のある立場で接すると、依存されたり、同化してしまい、苦しくなるかもしれませんが、「私は私という個人で、依頼者の方も●●さんという個人」という対等なスタンスで向き合っていますので、心穏やかに事件を進めることができています。

また、どん底の状態にフォーカスするのではなく、「全ての問題が片付き、明るい未来に辿り着く」という目的にフォーカスして事件に臨んでいることも、苦しくならない要因の一つだと考えています。


ー 弁護士をされる上で、心がけていることについてお聞かせください。

二つあります。
一つ目は、健康に気を配ることです。
私が倒れてしまうと、すべての案件がストップしてしまい、依頼者の方にも多大なる迷惑をおかけしてしまうので、常に身体と心が健康であるように心がけています。

二つ目は、相談者の方や依頼者の方に、安心して本音でご相談いただくための環境作りです。
そのための一環として、初回相談では2時間ほど時間を取り、好きなだけお話ししていただきます。私の方からお話を遮ったり、整理はしません。
トラブルを解決するために、法律の専門知識が必要になる場面ももちろんありますが、相談者の方が話されている途中で、弁護士が「法律ではこうだから」「それは無理です」など、話の整理を始めてしまうと、相談者の方は自分の気持ちを評価されているような窮屈な心持ちになります。一度でも「窮屈だ」と感じてしまうと、それ以上詳細に話しても無駄だと思い、「本当のところは何を感じていて、何が許せなくて、どうしていきたいのか」という本音を話していただけなくなります。そうならないように、傾聴の姿勢を大切にしています。満足いくまで話され、落ち着いてこられた頃に、具体的な今後の見通しやアドバイスをお伝えするようにしています。

また、依頼していただいた後は、安心して任せていただけるように、ご報告やご連絡はこまめに行うように心がけています。
ご連絡には、電話やメールに加えて、チャットワークやLINEを活用しています。メッセージアプリを活用することで、法律に関する硬い質問だけではなく、「今どう思っているのか」「今後どうしたいのか」などについて、
気軽にメッセージのやりとりができるので、信頼関係を構築しやすいというメリットがあります。「何を重視しているのか」についてもわかりやすいため、書面作成がスムーズに進むという効果もありますね。


ー 初回相談時に具体的な見通しやアドバイスをいただけると、悩みを解決するイメージを持つことができるので、相談者の方も安心されますよね。

そうですね。
ご相談後は、とても晴れやかな表情で帰宅される方が多いです。

ご相談いただいた時点で、弁護士を入れずにご本人だけで解決できそうな内容だった場合は、その旨と解決に向けた具体的なアドバイスをお伝えしています。事件が終わるまで継続して相談に来られる方も多く、都度「相手はどのような性格で、どのように交渉して、どのような結果になったか」の情報を共有いただいています。そのお話を参考にして、相手方の性格別に交渉術を編み出すことができるので、私にとってもプラスになっています。
途中で相手方と揉めてしまった場合も、その時点で受任に繋がりますので、出し惜しみをせずに、解決に向けた具体的な進め方をお伝えしています。


幸せになっていただくための「争わない離婚」



「争わない離婚」を目指される理由について、お聞かせください。

依頼者の方やそのお子様の傷を最小限にするためです。
私自身が経験したことでもありますが、裁判で争ったことで遺恨が残ると、依頼者の方が深く傷つくだけではなく、そのお子様も、両親の間で板挟みになり、とても苦しみます。そういった方を少しでも減らし、幸せな未来に向かって再スタートを切りやすい状態に持っていきたいと考えています。

弁護士から「裁判する方が早いですよ」と勧められると、受け入れる依頼者の方が多いかと思いますが、裁判所で具体的に何が起こるのかを知った上で了承されているわけではありません。法廷で、弁護士が書いた書面が出てきて、お互いに「このように相手が悪い」という話をして、せめぎ合いになることなど想像もしていらっしゃらないので、実際に法廷に立ったタイミングでとても傷つくことになります。

そのため、相談に来られた際には裁判の話はせず、協議や調停で解決できる道を探っていくようにしています。裁判にも、「決着が早くつく」「財産分与がきっちりなされる」という利点はありますが、離婚事件は、金銭では解決できない気持ちの部分が長く尾を引くケースが多いためです。とても難しいことではありますが、当事者の方々の今後の関係性を考えると、なんとか折り合いをつけて、極力わだかまりなく綺麗に解決する、
もしくは、時の経過と共に、わだかまりが解消できるような形で解決することができるように、「争わない離婚」という選択肢をご提供したいと考えています。

依頼者の方から、「先生に依頼して、本当によかったです」と言っていただける瞬間が、一番うれしいですね。弁護士として、ひとつの問題を解決するために取ることのできる手段が多々ある中で、私の選び取った「争わない」という方法で、依頼者の方のニーズを満たすことができている、という証左にもなりますので、大変励みになります。


ー 家族間で裁判する程まで関係がこじれてしまうと、修復は困難ですよね。
 「争わない離婚」をするために注意されている点について、お聞かせください。


依頼者の方が納得できるかどうかが重要になるので、依頼者の方が抱えていらっしゃる問題の背景となる事情の把握も大切ですが、相手方に対する気遣いも大切だと考えています。
感情的になっている相手方を、交渉のテーブルに着いてもらえる状態にまで持っていく必要がありますので、感情を逆撫でするような行動は厳禁です。例えば、「一言も告げずに、突然別居する」「メモ書きだけを残して引っ越しをする」「話し合いなく調停を申し立てる」などです。

妻側夫側両方の離婚案件を手がけていますので、突然子供を連れて出ていかれた側が、どれだけ怒り、悲しんでいるのかよく理解していますので、話し合いが困難な相手方であっても、依頼者の方から、自分の口でしっかりと意思を伝えていただくようにしています。どのように話し合いを持ち掛け、どのように伝えるのが良いかについては具体的なアドバイスをしています。その一言があるかないかで、交渉の結果が大きく変わってくるので、非常に重要です。


ー 近年、親権について問題になることも増えてきていますが、親権争いが発生した場合は、どのように進められていますか。

どちらが親権を持つかは、「子供を監護しているかどうか」が鍵を握るため、相手方と比べて監護をしていない側が親権を取ることは非常に困難です。そのため、裁判で争うのではなく、きちんと面会交流ができる方向に持っていきます。
なぜかというと、裁判で争うところまで行ってしまうと、親権を持っている方がそうでない方に対して、「絶対に子供を会わせたくない」という頑なな気持ちになってしまうことが多いからです。
お子さんは、例えどんな親であっても大好きであることが多いので、その気持ちを無碍にせず、お子さんにとって一番いい状態にすることが大切だと考えています。


ー 離婚事件を進める上で参考にされている書籍や情報源などはありますか。

以下の4冊です。
離婚専門でやっていらっしゃる先生のブログもよく拝見していて、そこでおすすめされている書籍は、積極的に読んでいますね。

・「東京弁護士会春秋会編『実践 訴訟戦術[離婚事件編]─弁護士はここで悩んでいる─』 (2018)民事法研究会.」
・「梶村太市著、 長谷川京子著、 渡辺義弘著『Q&A 弁護士のための面会交流ハンドブッ   ク』( 2018)学陽書房.」
・「松本哲泓著『婚姻費用・養育費の算定-裁判官の視点にみる算定の実務-』(2018) 新日本法規.」
・「松本哲泓著『離婚に伴う財産分与-裁判官の視点にみる分与の実務-』(2019)新日 本法規.」


即独してもがいた日々の経験が、今に活きている
 
即独を選ばれた理由についてお聞かせください。

二つあります。
一点目は、離婚分野に特化したかったからです。
事務所に勤務弁護士として入所すると、他の分野も手がける必要がありますので、選択しませんでした。また、初回相談の時間を最低2時間は取りたいと考えていたこともあり、即独を選びました。

二点目は、司法試験に合格した時の年齢が43歳と高めだったからです。
年齢が高いと入所が難しい、ということを実感したのは、合格後でした。修習に行く準備をしていた際に、様々な先輩弁護士とお話ししたのですが、「入所は難しいので、即独の方がいいかもしれませんね」とアドバイスをいただくことが多かったので、修習を一年先延ばしにして、アルバイトをしながら、本当に即独するかどうかを考えることにしました。塾考した結果、自分のやりたいことを叶えるためには、やはり即独しかないと思い、踏み切りました。


ー 即独かつ一つの分野に特化となると、立ち上がりがなかなか難しい印象がありますが、
その点についてはいかがでしょうか。

確かに、最初はとても不安でした。即独だったため、集客も難しかったですし。
苦しい状況ではありましたが、「離婚分野に特化してやっていくのだ」と強く心に決め、方針もしっかり固めていたので、そこはぶれずに頑張り抜くことができました。

即独してから、士業の方が多く参加されている起業塾や創業セミナーなどによく参加していたのですが、そこで、自分の考え方や独立開業してどのようにやっていきたいのか等について、しっかり固められていたことがとてもプラスに働きました。起業塾で一緒だった隣接士業の方とは今もお付き合いが続いていて、時々お仕事をいただけることもあり、そういった意味でも、とても良かったですね。


ー 意志の力が重要なのですね。
  即独直後の集客や案件の受任は、どのようにされていたのでしょうか。

開業していきなり離婚のご依頼は来ないので、最初の頃は、刑事事件の国選をよくやっていました。とにかく我武者羅に、一生懸命に取り組んだことがよかったのか、すべていい結果で終わり、素敵な出会いもたくさんあったので、とてもいい経験になりました。
示談をするために頭を下げて謝るなど、怒っている方と接することが多かったので、感情的になられた方の対応についても、大変勉強になりましたね。

また、とある企業から送られてくるFAX経由での相談をよく受けていました。
離婚案件に関するFAXが送られてきたら、すぐに電話をして、そのまま無料で相談者の方のお話を聞くということを繰り返し、トータルで100件程のご相談を受けました。離婚に関する多種多様なご相談を聞くことができたので、相談を受ける練習になったり、ケーススタディができただけではなく、中には受任に繋がる案件もあり、大変有意義でした。時間に余裕がある開業当初だからこそできたことだと思います。


ー Web集客は、いつ頃から始められたのでしょうか。

即独して半年経った頃ですね。
最初は、あまりお金がなかったので、広告に費用をかけることはあまり考えていなかったのですが、弁護士ドットコムの営業の方が熱心に勧めてくださったので、Web集客を始めることにしました。

そこからお問い合わせが入りだし、受任にも繋がっていったので、弁護士ドットコムのサービスを利用してよかったと思っています。
現在は、Web経由でのご相談が9割、ご紹介が1割ですね。


ー Web集客をする上で、工夫されていることはありますか。

ご相談に来ていただきたい方の属性に合わせた写真と文章を掲載するようにしています。
京都で開業していた頃は、女性に来ていただきたかったので、「女性のための」というフレーズを大きく打ち出していました。その結果、来所される方の8、9割が女性になりました。

大阪に移転してからは、「ここでやっていきたい」という強い想いがあったので、女性だけに絞るのをやめるべく、「女性のための」というフレーズを入れずにいたところ、来所される方の男女比は半々くらいになりました。夫側の離婚案件を手がける機会が得られたことは、とてもいい経験になりましたね。この経験は、妻側の離婚案件を手がける際にも非常に役立っています。

とはいえ、「もともと女性の離婚に注力したい」という気持ちが強かったこともあり、女性の来所を増やすために、Webに掲載する写真を変更することにしました。女性カメラマンさんに「女性受けする写真を撮影して欲しい」と伝えて撮っていただき、その写真に変更したところ、来所される方の9割が女性になりました。想像以上に、写真は重要です。

また、来所の敷居を低くするために、「こんなことを話してもいいのかな、と思われるようなことでもなんでも気軽に安心して話してください」という一文を、HPに掲載しています。理由は、「弁護士は高い」「相談したら、お願いしないといけないような気がする」と思われている方が多いからです。自分に置き換えて考えてみても、もし弁護士をやっていなかったら、そう考えて絶対に相談しないだろうなと思ったので、「ご相談だけでも問題ないので、お気軽にご来所ください」というメッセージを発信するように心がけています。


居場所のない子供たちへのサポートがしたい



ー 今後の展望について、お聞かせください。

今後も変わらず、離婚分野に特化してやっていきたいですね。
10年後には、面会交流の支援や家庭や学校に居場所がない子供たちの心のサポートなどもできればと考えています。
大人の問題で子供たちが傷ついたり、悩んだりするのは、とても悲しいことです。私自身もそうだったのですが、誰に頼っていいのかわからない中、一人でも信頼できる大人が話を聞いてくれれば救われます。私がその大人の一人になれれば、と考えています。


今後、独立して経営を軌道に乗せたいと考えている先生に、メッセージやアドバイスなどありましたら、お願いいたします

やりたいことがあるのなら、とりあえずやってみるのが一番いいと思います。
経営のことを考えると、最初はとても不安だと思いますが、自分の中にぶれない軸があればなんとかやっていけるものです。とはいえ、誰しも一人では戦えないので、悩みを相談できる、支えになる存在や場所を作るといいですね。私の場合は、起業塾が支えになりました。

即独を選択される場合は、分野を特化してしまった方がやりやすいかもしれません。
分野によって、必要な知識や事件の進め方が違うので、手広くやろうと思ったら勉強しなければならないことが膨大でとても大変ですが、分野を絞れば、知識の吸収やノウハウの取得も一点集中で行うことができます。経験値の上がり具合が全く違うので、もしよければ検討されてみてください。応援しています。

 

 
 
 
 

(取材・撮影・文 / 松居恵都子)

 



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武澤明日香 先生のプロフィール



当事務所は、離婚に関するあらゆる問題(親権・面会交流・養育費・財産分与・年金分割・婚姻費用・モラハラやDVによる被害など)を中心に取り扱っています。
当事務所が大切にしていることは、依頼者が納得する解決です。納得できる離婚をするためには裁判ではなく協議または調停による解決が最善だと考えており、調停まででの解決を実践しています。

【所属弁護士会】
・大阪弁護士会

【主な取扱分野】
・離婚・男女問題

【Web】
・公式HP
https://beaurivagelawoffice.com/

・弁護士ドットコムのページ
 https://www.bengo4.com/osaka/a_27203/l_765153/


 

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