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インタビュー・レポート

「ゆかりのない土地での開業でも、集客・受任経路を複数確保することで安定経営を実現」 〜Web集客を活用しつつ、身近な縁を大切にすることで繋がっていく仕事の輪〜

インタビュー

2020年01月17日


今回は、神奈川県横浜市で開業されている神前吾郎先生(かんざき法律事務所)に、弁護士になられてから現在に至るまでの歩みや仕事術、経営術について伺いました。


神前先生は、2017年に独立されて以来、事務所を順調に経営されていらっしゃいます。集客・受任経路を複数確保し、初回相談での受任率を上げる工夫をすることで、安定経営を実現されているとのことで、この点についても、詳しくお話しいただきました。


 
記事のハイライト

・常に依頼者の方の味方でありたい
・開業場所に地縁がなくても、Web経由で集客できた
・初回面談で、安心してご依頼いただくための工夫
まずは独立してみないと始まらない

 
 
常に依頼者の方の味方でありたい

 

ー 弁護士を目指された経緯をお聞かせください。

大学生の頃は、法学部に在籍していたのですが、弁護士を目指す人が多い環境の中で過ごすうちに刺激を受けて、自然と目指すようになりました。将来的に独立開業できること、自由な就業環境で裁量を持って働くことができることも魅力的でしたね。

法学部を選んだ理由は、文系の上位学部で試験が難しいと評判だったので、そんな難しい試験に挑むようなモチベーションの高い人たちと競い合って、いい成果を出したい、という思いからです。


ー 向上心がとても高くていらっしゃるのですね。
  実際に弁護士になられてみて、いかがですか。

自分で導き出した方針や意見、根拠に基づき、自らが中心となって事件解決に進んでいくことができるので、とてもやりがいを感じていますね。弁護士は、法律の専門家としての知識やノウハウを駆使して、紛争を解決することを望まれている職業ですので、依頼者の方のご期待にしっかり応えられるように、勉強は欠かしません。


ー 相談者様と向き合われる際に、心がけていらっしゃることはありますか。

二つあります。
一つ目は、相談者様にとって、「話しやすい弁護士」でいるようにすることです。柔らかい表情で、じっくりお話を伺うのはもちろんのこと、わかりやすい説明とスピーディな対応を心がけています。身の回りの人には打ち明けにくいご相談内容であることも多いので、早い段階で信頼関係を築き、安心して本音でお話いただけるようにしています。

二つ目は、相談者様のご意向に沿った提案をすることです。私は、弁護士はサービス業だと考えているので、相談者様の意向をできる限り叶えるために、ベストだと思われる解決策をご提案するようにしています。

悩みを抱え、弁護士をはじめとする専門家に相談したいと思われても、実際に相談するまでには大変高い心理的なハードルがあります。そのハードルを乗り越えて来所されても、遠慮されてしまい、「相談に行ったものの、自分の言いたいことを言えずに終わってしまった……」ということも、実際によく起こっているように思います。せっかく勇気を出して来所いただいた相談者様が、そのような悲しい状態にならないように、常に留意していますね。

また、可能な限り安心してお話しいただけるように、会議室の環境整備にも力を入れています。弊所の会議室は、部屋の一角を仕切ったものではなく、ワンルームマンションの一室ですので、完全個室になります。執務室は隣の号室になるので、面談している弁護士以外には、一切お話の内容は聞こえません。


ー 民事を幅広く担当されていらっしゃるので、相談者様の様々なニーズにもお応えできそうですね。

そうですね。独立する前は、勤務弁護士として3年半ほど働いていたのですが、そこで個人の方から企業まで、民事事件を幅広く手がけていた経験が、今の業務のベースになっています。現在も引き続き、労働者側の労働事件や企業の債権回収、離婚調停、財産分与、破産、民事再生、土地の賃貸借契約のトラブル、交通事故など、民事を中心とした多様な分野を手がけています。

その中でも、特に注力しているのが、労働者側の労働事件です。一個人が、所属している巨大な組織と対峙して争うというのは、大変過酷かつストレスフルなことです。そのストレスを和らげ、主張を続けるためには、弁護士のサポートが必要不可欠ですし、また、そういったサポートを続けていくことは、社会をよりよくしていく上でも、非常に意義のあることだと考えています。

現在のご依頼の比率は、個人の方が8割、企業が2割です。特に、離婚問題や労働事件、不動産事件、取引紛争などの事件のご依頼が多いですね。依頼者の方の期待に応え続けられるように、日々研鑽を深めていきます。 

開業場所に地縁がなくても、Web経由で集客できた


ー 独立された理由をお聞かせください。

働く環境や担当する事件、事件の進め方などを全部自分で決めたい、と考えたことがきっかけです。経験を積む、という意味では、勤務弁護士を経験することはとても有意義ですが、ある程度の実力がついた後、さらに成長するためには、与えられた環境で与えられた仕事をただこなすのではなく、全てにおいて自分の責任で事件を手がけていくことが必要だと考え、独立しました。


ー かんざき法律事務所には、もうお一方弁護士の先生がいらっしゃいますが、二人で独立開業されたのですか。

いいえ。私一人で独立開業しました。田村宗久先生に来ていただいたのは、今年の1月からですね。実は、修習時代の同期なんです。当時から仲が良く、弁護士になってからも定期的に交流がありました。ちょうど田村先生も独立を考えていたようで、一人で一から事務所を作るより、私の事務所に参加させて欲しいと言ってもらえたので、参画いただきました。信頼できる同期の先生なので、とてもうれしかったですね。


ー 同業のご友人が側にいると、大変心強いですよね!
  開業された時は、どのような点を工夫されましたか。

一番意識したことは、経費を抑えることですね。2017年の春頃に、以前在籍していた事務所に退職の意思を伝え、7月から開業するという流れで、準備期間が大変短かったことと、先行きが不安だったこともあり、ミニマムスタートすることにしました。

開業場所として横浜駅の近くを選択した理由は、自宅から電車で通いやすいこととターミナル駅の割に物件が安かったからです。事務所の内装や設備にもお金をかけたくなかったので、内装工事が不要なマンションのワンルームを借りて、机やPC、複合機、電話など最低限の機器備品だけ購入して始めました。当初の開業資金は、100万円以内だったかと思います。
その後経営が安定してきてから、隣室を会議室として借りたり、必要な什器を購入したり、徐々に拡張していきました。


ー 独立された当初は、どのようなことに苦労されましたか。

集客ですね。開業場所の横浜には地縁もなかったので、安定的に集客ができるようになるまでの半年間は、結構苦労しましたね。

前の事務所から引き継いだ事件がいくつかありましたが、それだけではとても無理だと思いました。そこで、広く一般の方にご相談に来ていただけるように、弁護士ドットコムをはじめとしたWeb集客を始めたり、横浜にいらっしゃる数少ない知り合いの弁護士の先生から事件をご紹介いただいたりしていました。当時は、Web経由の相談者様が多かったですね。

事件処理で困ったことがあった時は、修習の同期や前に在籍していた事務所の先輩、仕事で知り合った先生など、身近な所で交流のあった先生方に相談して、乗り越えていました。全く知らない方に自分から積極的に声をかけて輪を広げる、というよりは、身近な繋がりを大切にすることで、ここまで来ることができました。良くしていただいて、大変感謝しています。


ー Web集客をする上で、どのようなことに工夫されましたか。

法律に詳しくない一般の方が見てもすぐに理解できるように、平易な表記を心がけました。キャッチコピーも試行錯誤しましたね。一番効果があったのは、「初回相談無料」です。目に見えて問い合わせが増えました。

また、解決事例をたくさん掲載するようにしました。弁護士を探している相談者様からすると、自身の悩みと似た悩みを解決した事例があると、解決までのイメージが持ちやすく、安心感があります。「解決事例を見て、私と似た事件があったので、お問い合わせしました」とおっしゃる方も多いですね。

公式HPについても、弁護士ドットコムのページ同様、見やすくて、内容がわかりやすい作りになるように心がけました。当初は、自力で簡単にHPを作るサービスを利用していたのですが、やはり安かろう悪かろうで。見栄えがよくないHPになってしまったので、自分で作ることは諦め、弁護士ドットコムのHP制作サービスに依頼しました。

しっかりしたデザインの公式HPがあることで、弁護士を探している相談者様がインターネットで弊所を検索された際に、「これだけしっかりしたHPがある法律事務所だから、安心して相談できそう」と思っていただけるので、Web集客をする上でとても役立っています。


ー 顧客目線を徹底されていらっしゃるのですね。
  今思い返せば、独立前にやっておいた方がよかった、と思われることはありますか。

広告出稿時や営業時に打ち出す、「自身の強み」や「注力分野」の発見ですね。
この業界においてよく聞く営業ノウハウの一つに、「自分の強みや注力分野に特化して外部に打ち出すことで、営業効果を高める」というものがあります。自身の強みや注力分野を、把握・決めておくことで、逆算的に、強みや注力分野を高めるためにはどのような実績が必要なのかを考えて、独立までの期間を過ごすことができます。その分野の委員会活動をする、その分野の本の執筆に関わる、その分野の事件が多い事務所に入所するなど、できることはたくさんあります。

営業という観点からすると、もっと早いタイミングで分野の絞り込みをやっておけばよかったと少々後悔していますね。少し遅めのタイミングではありますが、現在、特化する分野の絞り込みをしている最中です。





初回面談で、安心してご依頼いただくための工夫
 
ー 大変順調に経営を続けられているようにお見受けしますが、その要因は、ご自身では何だとお考えですか。

「今月もなんとかなった」というのを、ただ積み重ねて来ただけなのですが、強いて言えば、集客・受任経路が三つあり、それぞれの均衡が取れていること、でしょうか。

現在、弁護士会経由の法律相談やLAC、ご紹介、Web広告の三つの経路があるのですが、それぞれの比率が大体同じで、バランスのいい状態を保っています。集客・受任経路が一つしかないと、何らかの原因で突然集客ができなくなると、事務所の経営が立ち行かなくなってしまいますが、経路を複数持ち、リスクを分散していると、時流による波があっても、安定して経営することができますよね。とはいえ、そこにあぐらをかいて新しい集客の施策をしないままだと、いずれ尻すぼみになってしまいます。そうならないために、Web広告に記載する内容をブラッシュアップしたり、Google広告やFAX広告などの新しい広告の導入を検討したり、他士業の方がいらっしゃる異業種交流会への参加を増やし、知人を増やすなど、常に新しい取り組みをしています。


ー 確かに、集客・受任経路が三つあると、例え一つが駄目になっても、リカバリーが効きますよね。
  初回相談から受任に繋げるためのノウハウについても、お伺いできればと思います。

私もまだまだ試行錯誤をしている最中なのですが、最も重要なのは、「相談に来られたその日に、安心してご契約いただけるように、サービス内容と料金をわかりやすく説明すること」だと考えています。相談者様は、できる限り早く悩み事を解決したいと思って来所されています。その願いを叶えられるように、初回相談時に、相談者様が気にされるであろうポイントをクリアにすることを心がけています。

具体的には、「ご料金を具体的に提示すること」「今後の事件の展望をお伝えすること」「ホワイトボード等を使って、視覚的にわかりやすく説明すること」の三つです。

初回相談で、こちらからご提供できるサービスの内容とご料金についてしっかり説明できれば、あとは頼むか頼まないかを決めていただくだけ、という状況になります。特に効果的なのは、ホワイトボードの使用ですね。視覚的に、今後の手続きの流れや取れる選択肢などを書くことでお互いに情報の整理ができますし、コミュニケーションも円滑に進むため、信頼感が高まります。この三つを徹底してからは、初回相談時にご依頼してくださる方が増えました。


まずは独立してみないと始まらない




ー 神前先生の今後の展望について、お聞かせください。

二つあります。
一つ目は、広告や営業を充実させることです。普段の業務に追われ、弊所の魅力を世間に対して打ち出すための広告戦略や営業戦略が疎かになっていると感じているので、まずはそこに力を入れていきたいですね。悩まれている方の人口に対して、まだまだご相談いただく機会が少ないと感じています。相談に来られていない方に、その悩みを解決すべく、気軽に来所いただけるよう働きかけると共に、事務所の収益も上げていきたいと考えています。そのために、弁護士ドットコム主催のセミナーに参加したり、気になる広告があったら、問い合わせて、実際に試すようにしています。インターネットで弁護士を探される方が多いので、やはりWeb広告の方が効果は高いように思いますね。直近では、Googleの広告や企業に対するFAX広告を試す予定です。

二つ目は、企業顧問の数を増やすことです。そのための施策の一つとして、企業の方や企業と付き合いのある他士業の方との接点を増やすべく、ビジネス交流会などに積極的に参加していこうと思っています。

 


ー 今後、神前先生のように、独立して、安定的に事務所経営を続けていきたいと考えていらっしゃる先生にメッセージやアドバイスなどありましたら、お願いいたします。

「組織に属して働くよりも、一人で働く方が性に合っているのではないか」と思われている先生は、独立開業を視野に入れつつ、まずは専門分野を決めて、実績を積まれるといいと思います。その上で、あまり深く考えすぎずに、一度実際に独立されてみるといいですね。用意周到にと考えると、開業時期がどんどん遅れていってしまうので、「ある程度の準備はできたな」という気持ちになった時点で、独立を実行するのがおすすめです。

仮に、独立後に経営が立ち行かなくなったとしても、また勤務弁護士に戻ることもできますし、そこでまたお金を貯めて、顧客を掴み、再挑戦することもできます。「自力で集客をしなければならない」「全て一人で事件処理をしなければならない」という環境に身を置くことで、弁護士として必要な能力がどんどん高まっていくので、一度は挑戦されてみることをおすすめします。

 

 
 
 
 

(取材・撮影・文 / 松居恵都子)

 



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神前吾郎 先生のプロフィール

 

依頼者様の利益を守るために全力弁護し、最良の結果を導くことを使命として弁護士業を行っております。

そのためにも、各依頼者様のために、専門家としての法的知識及びこれまでの豊富な紛争経験を最大限駆使し、最善を尽くすことを心がけております。

【所属】
・神奈川県弁護士会

【主な取扱分野】
・労働問題
・離婚・男女問題
・不動産・建築
・借金・債務整理
・遺産相続

【Web】
・公式HP
 https://law-kanzaki.com/

・弁護士ドットコムのページ
 https://www.bengo4.com/kanagawa/a_14100/g_14102/l_338746/




 

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