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インタビュー・レポート

「来てくださった相談者様が事務所の方向性を作ってくれました」〜相談者様目線を徹底的に意識したブランディングで集客に成功〜

インタビュー

2019年10月11日


今回は、茨城県で独立開業されている弁護士の鬼沢健士先生(じょうばん法律事務所)に、弁護士としてのこれまでの歩みや経営術、今後の展望などについて伺ってきました!

鬼沢先生は、Web集客において、相談者様の目線を意識したブランディングで成功されており、弁護士ドットコムの茨城県ランキングでも1位を獲得されています。同業他所から頭一つ抜け出すためのブランディングノウハウについても、特別にお話しいただきました。


 
記事のハイライト

・相談者様の人生に関わる問題としっかり向き合っていきたい
・他の事務所から頭一つ抜けるために、Web集客への工夫を怠らない
・コンビニから専門店へ 得意分野を見つけて、それを研いでいく

 
相談者様の人生に関わる問題としっかり向き合っていきたい

 

ー 現在、個人の相談者様からのご相談をメインにされていますが、勤務弁護士の時からそうだったのでしょうか。

いいえ。独立してからですね。
勤務弁護士時代に在籍していた事務所は、企業顧問がメインでした。ですので、現在注力している労働事件や交通事故、少年事件の分野についても、手がけたことがありませんでした。



ー 企業から個人へ、大きく方向転換をされたのですね。
  独立された理由も、そういった所にあるのでしょうか。

そうですね。理由は、いくつかあります。
一般の方の生活に密着した離婚や労働など、泥臭い事件がやりたかったこと。裁量を持って事件を進め、相談者様の方を向いた仕事がしたかったこと。結婚して子供ができたので、プライベートの融通を利かせたかったこと。弁護士を目指した小学生の頃から、弁護士とは独立開業する職種だと思っていたこと、などです。

個人の相談者様に重点を置いた理由には、小学生の頃の思い出が大きく関わっています。弁護士を目指した最初のきっかけは、小学生の頃に読んだ法律に関する漫画だったのですが、その書籍には、「突然雨が降ってきたので、好意で、隣の洗濯物を取り込んであげたら法律違反になるのか?」「立ちションベンは犯罪か?」といった民事事件の話が多く、手がける事件のイメージとして、強く印象に残っていたんです。また、当時から、人助けをする職業に就きたいと考えていましたので、身近な問題に悩む個人の相談者様の力になることを選びました。

もちろん、企業顧問も大変重要な仕事です。ですが、個人の相談者様の場合は、事件がその方の人生に与える影響は、企業と比べものにならない程大きいので、その方の人生をお守りすべく、より注力できればと考えています。事件を解決した際に、相談者様からいただける感謝のお言葉が一番の報酬であり、やりがいですね。


ー 注力されている分野も、個人の相談者様の人生に大きく関わってくる分野ですね。

はい。少年事件では、彼ら彼女らの今後の人生60年がかかっていますし、労働事件も、大人になったら一番長い時間を過ごし、かつ、生活費を稼ぐための場所で起こるため、今後の人生が大きく左右されてしまいます。また、交通事故も、日々過ごす中で、誰にでも起こりうる、命の危機に直結する事件です。

また、最近、労働分野の一環として、退職代行も始めました。相談者様の状態が、「退職が言い出せない」から「退職の意思を伝え、退職できる」に変わる、0が100になる案件なので、とてもやりがいがありますね。相談者様からの需要も高いため、ビジネスとしても注目しています。


ー 弁護士を目指し始めた頃に思い描いていた事件を担当されているのですね。
  独立後直後から順調でいらっしゃいましたか。

正直に申し上げると、開業直後の2ヶ月はかなり苦戦しました。預金残高が一桁になったこともあります。そこから盛り返せた理由は、自身では運かなと思っています。その2ヶ月を境に、徐々に相談者様が来てくださるようになり、以降はとても好調です。
集客の比率としては、Webが9割、ご紹介が1割ですが、積み重ねが効いてきたのか、去年からご紹介も徐々に増えてきています。


ー 好調が続いている理由は、なんだとお考えですか。

Web集客がうまく回っていることと、開業場所や事務所名がよかったことの二つだと考えています。
Web集客については、開業した早い段階で事務所HPを作成したことがよかったですね。開業当初は、ご相談がなく、時間もあったので、HP制作ソフトを使いつつ、書籍を見ながら独学で事務所HPを作成しました。その甲斐あってか、HP公開後は、それを見た相談者様が来てくださるようになりました。

また、開業場所について、こだわりましたね。茨城で開業しようとは決めていたのですが、細かい場所については、その都市の人口と弁護士の比率を調べたり、日弁連の開業推奨地域を見るなどして、決めました。当事務所は、取手駅の真ん前のビルなのですが、「取手駅のホームから見えたので、来ました」という相談者様も結構いらして、工夫した甲斐があったなと、うれしく思っています。

開業場所に合わせて、事務所名にも力を入れました。重視したのは、この地域をある程度象徴したものであること、検索しやすいこと、覚えやすいこと、読みやすいことの四つです。アルファベットは、タイプミスや大文字小文字の問題があって検索しにくく、カタカナは余程シンプルではない限り、わかりにくいのでやめました。色々考えた結果、ひらがなで「じょうばん」に決めました。思惑通り、老若男女どなたにも認識していただきやすく、かつ、取手周辺だけではなく、常磐線沿線の方も来てくださるなど、集客にもいい影響があり、とても気に入っています。


他の事務所から頭一つ抜けるために、Web集客への工夫を怠らない


ー 弁護士ドットコムでも茨城県1位を獲得されるなど、Web集客にとても力をいれてらっ
しゃいますが、どのような点に気をつけていらっしゃるのですか。

売れている先生の真似をしつつ、プラスアルファを工夫することと、相談者様目線を徹底し、とにかくわかりやすく、平たい言葉遣いで表現することの二つを心がけています。
売れている先生の真似をする際には、真似だけだと、良くても並べるだけになってしまうので、そこから頭一つ抜け出すために、少し外すことを心がけています。売れている先生は、ネット上での発信力が強いんです。そこを見習って、一般の方への発信を強くしつつも、プラスアルファとして、弁護士も普通の人なんだなと、興味を持って楽しんでいただけるような工夫を施しています。具体的には、迷惑メールに返信して、業者を釣ってみるなど、生活に密着したアグレッシブな内容の記事をブログに掲載しています。

他の事務所から頭一つ抜けるためには、没個性化しないことがとても重要です。年々、弁護士の数は増え続けているので、勝ち残っていくためには、自分の持ち味を生かしたセルフブランディングをすることが必要不可欠だと考えています。

また、相談者様目線を徹底するために行なっていることは、三つあります。
Webに解決事例を掲載するのも、そのうちのひとつです。悩みを抱えている方の大半は、法律に詳しくないため、その悩みごとがどのような形で解決されるのか、想像もつきません。そこで、解決事例を掲載することで、解決までのイメージを持っていただきやすくしています。

二つ目は、事務所HPへのお問い合わせフォームの設置です。一般の方からすると、法律
事務所に連絡をするということは、とても怖いことですよね。その高い心理障壁を超えていただくために、Webを活用することにしました。実際にフォームを設置したところ、大変効果的で、お問い合わせが増えましたね。他の事務所に先駆けて設置したこともあり、たくさんのお問い合わせをいただいています。

三つ目は、「初回相談1時間無料」です。相談者様に気軽にご相談に来ていただけるよう
にと、設定しました。ご相談に来ていただかないことには、受任につなげることもできませんので。一方で、間口を広く取ると、案件につながらないご相談も多く来てしまい、業務効率が悪くなりがちですが、そこは経験を積むことで、ある程度判断できるようになるので、そこまで問題視していません。判断基準の例としては、文字でのお問い合わせの場合、正しい文法かつ、相談内容が詳しく記載されているお問い合わせが案件化しやすい、などです。

経営に成功されている先生方は、皆さんアグレッシブかつ、いい意味でガツガツした所を持ちながら、うまくWebを活用されています。私もそれを見習って、日々アグレッシブに、ガツガツした気持ちを忘れず、Web集客に注力しています。経営を成功させるためには、ある程度ガツガツしていくことが大切だと思いますね。


ー 積極的な姿勢は、とても大切ですよね。
  他にも、独立開業される際に工夫されたことはありますか。

開業時の経費面ですね。開業資金は、200〜300万円程で考えていたので、その間に収まるように、削れるところはギリギリまで削りました。削減した経費の中で大きかったのは、次の三つです。
一つ目は、交通費。少し遠めの裁判所や警察署にも自転車を使って移動していました。交通費は積もり積もって高額になるので、重要です。

二つ目は、書籍代です。専門書は高額なので、法改正などで内容が古くなっていない限り
は、すべて古本屋で購入しました。新品だと5,000円する書籍が、わずか300円で購入できるため、とてもおすすめです。

三つ目は、PCやビジネスフォンの購入費です。このふたつは、ヤフオクで手に入れました
ね。大変安く購入できるので、これから開業を考えている方は、サイトをのぞいて見るといいかもしれません。反対に、相談者様との面談に使う机は奮発しました。安心して相談していただきたいので、相談者様の目に触れるところは、しっかりしたものを用意するようにしました。


ー 逆に、開業前にやっておけばよかったと思うことはありますか。

やれることは全てやりきったので、基本的に思い残していることはないのですが、強いて言うなら、開業地と料金設定です。
今の開業地でも十分満足しているのですが、もう少し田舎の方でもよかったかもしれないですね。加えて、事務所から裁判所や警察署までの移動時間を、もっと具体的に計算した上で、場所を決めてもよかったかなと思っています。

料金設定については、相談者様からどのくらいいただくのが適正なのか、もっと勉強できればよかったと思っています。これについては、今でも迷うことがありますね。ありがたいことに、弁護士修習の時に、二つの法律事務所に修習に行くことができ、両事務所とも、料金設定の方法についてある程度見せてくださったのですが、今思えば、もっと深く聞いておけばよかったな、と。開業当初は、駆け出しということもあり、相談者様からお金をいただくことに遠慮してしまって、とてもお安くしてしまったことがありましたので、これから開業される方は、リサーチしてみるといいかもしれません。


ー今までで印象に残っている事件はありますか。

二つあります。
詳しくは申し上げられないのですが、一つ目は、記者会見を行なった事件で、プレスの方もいらっしゃり、大変貴重な経験をさせていただきました。

二つ目は、人身保護の手続きを行なった事件です。人身保護は、茨城県だと、2、3年に一件あるかどうかの、非常に珍しい事件だったので、とても印象に残っていますね。無事、お子さんを取り返すことができ、相談者様もとても喜んでくださいました。勝因は、相談者様の頑張りだと思います。これは、全事件に対して私が考えていることなのですが、弁護士はあくまでもサポート役で、メインは相談者様で、相談者様ご自身が頑張れないと、いい結果を得ることは難しいと思っています。ですので、相談者様とうまくコミュニケーションを取りながら、事件を進めるように心がけています。


ー 事件解決まで二人三脚で進めることになるので、お互いのコミュニケーションはとても大切ですよね。相談者様とお話する上で、心がけていらっしゃることはありますか。

色々ありますが、大きくは三つですね。
「最初から、遠慮せずに踏み込んでお話すること」「理解していただきやすい平たい言葉で丁寧にご説明すること」「料金に納得いただけるように、弁護士がスキルを駆使してどのように仕事を進めているか、折に触れて説明すること」です。

最初から遠慮せずに踏み込んで話す理由は、契約していただくと、長い付き合いになるので、最初から壁がない方がいいと考えるからです。離婚や労働などの分野だと、性的な話になることも多いのですが、ある程度進んだ後に、新しい情報が出てきても困るため、最初に全部すぱっと聞くようにしています。

また、相談者様が理解しやすい平たい言葉で、丁寧にご説明することで、信頼感を持っていただくことができるため、事件をとても進めやすくなります。この「わからない方にわかりやすく伝えて理解してもらうノウハウ」は、学生時代に底辺だった成績を上位まで上げた経験と、塾講師のアルバイト経験で培われたものだと思います。ありがたいことに、塾講師時代の教え子が相談に来てくれたり、開業してから最初の5人以内に入る相談者様が、最近またリピートでご相談に来てくださっています。「頼むとしたら、鬼沢先生と決めていました」と言っていただけて、とてもうれしかったですね。

料金に関するコミュニケーションでは、相談者様にご納得いただくために、弁護士のスキルを用いて事件を進めた結果、上手く進んだということを、要所要所で、しっかり相談者様に伝えるようにしています。

 
 
コンビニから専門店へ 得意分野を見つけて、それを研いでいく
 

ー 今後の鬼沢先生の展望について、お聞かせください。

手がけている分野を、もっともっと研いでいきたいと考えています。新しい分野も大切ではありますが、ご相談いただく頻度が少ないので、たくさんご相談いただいている現在の注力分野をより深めていくことが、相談者様の利益にも繋がるため、意識して行動しています。また、少年事件をもっと手がけたいと考えており、案件を増やすために、模索しています。


ー 最後に、これから独立開業して事務所経営を成功させたいと考えておられる先生方に、メッセージなどございましたら、お願いいたします。
 
個人的には、弁護士の仕事をフルに活かせるのは、企業に入らない限りは、裁量を持って事件を手がけられる独立開業だと考えています。ですので、独立開業をするかどうか迷っているのなら、準備だけでもしてみることをお勧めします。準備をすることで見えてくるものもありますし、準備だけならまだ引き返せますから。

弁護士は独立開業のハードルが低く、開業資金として100万くらいあればなんとかなりますし、開業後どうにも立ち行かなくなった場合は、別の法律事務所に入所することもできます。失敗はそんなに痛手ではないですし、非常にやりがいもあるので、チャレンジしてみる価値は、大いにあると思いますよ。

また、事務所の方向性については、最初はきっちり決めなくてもいいかもしれません。当事務所は、当初、方向性をはっきり定めていなかったのですが、労働分野のご相談が多かったため、結果的に、労働分野に特化していった、という経緯があります。相談に来てくださった方々が、方向性を決めたくださった形になり、経営は軌道に乗りました。その経験から、最初は、全方向にスポンジのような状態でいて、入ってきたものをなんでも吸い込めるようにしておき、ある程度溜まって来たところで、自分が得意なもの、常用性のあるものを選択していく方法がいいのではないかと考えます。コンビニから専門店になって行くようなイメージですね。
 
 
 
 
 

(取材・撮影・文 / 松居恵都子)

 



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鬼沢健士先生のプロフィール

 

親身に相談に乗り、トラブル解決のための過程と結果にこだわります。
弁護士費用については、事前に詳細なお見積もりをお出ししますので料金のみのお問い合わせもお気軽にどうぞ。交通事故案件は、原則として相談料・着手金無料の完全成功報酬制を採用しています。


【所属】
 茨城県弁護士会

【主な取扱分野】
・労働問題
・離婚・男女問題
・借金・債務整理
・交通事故
・詐欺被害・消費者被害
・遺産相続
・犯罪・刑事事件
・不動産・建築

【Web】
・公式HP
 http://www.jobanlaw.com/index.html

・公式ブログ
 http://jobanlaw.jp/

・弁護士ドットコムのページ
 https://www.bengo4.com/ibaraki/a_08217/l_137067/

 


 

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