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インタビュー・レポート

有識者パネルディスカッション  『デジタル調査×アナログ調査』、いま証拠はどこまで収集できる?

セミナーレポート

2019年08月23日


講   師:
ネットエージェント株式会社 コンサルタント 村田 学 氏

パネリスト:ネットエージェント株式会社 コンサルタント 村田 学 氏 / 初山 智徳 氏
      株式会社テイタン 事業部 副部長殿



前回の記事に引き続き、ネットエージェント株式会社のコンサルタント・村田学氏が講師を務め、パネリストとして、村田氏に加え、同社コンサルタント・初山智徳氏や株式会社テイタンの事業部副部長殿が登壇されたセミナー「案件獲得と最善の事件解決のためにデジタル証拠の調査・収集方法を知る」のレポートをお届けします!

パネルディスカッションでは、講演では語りきれなかった調査ケースのご紹介や、デジタル調査とアナログ調査それぞれの強みなど、より実務に近い内容について語られているので、ぜひご覧ください!

 

 

アジェンダ 

 ▼パネルディスカッション(今回配信分)


  講演の記事を読む

前回の記事でお伝えした講演の内容

 
近年、パソコンやスマートフォンだけに限らずカーナビや家電などのデジタル技術に囲まれた現代社会では「デジタル証拠」の需要も高まってきています。

セミナーの前半では、ネットエージェント株式会社の村田学氏より、「デジタル調査」について、実例を交えながらの解説がありました。


▼講演

・はじめに

・ネットエージェントでできる調査とは

・相談事例に見る調査内容

 ーCASE1.労務関連の調査

 ーCASE2.情報持ち出し調査

 ーCASE3.不貞行為の調査

・調査ご依頼時のフローとご料金


講演の記事を読む

 


テイタン社でできる調査とは



セミナーは、休憩を挟んで、後半のテイタン社のご紹介とパネルディスカッションへ。

パネルディスカッションに入る前に、そこで登壇される株式会社テイタンの事業部副部長殿から、テイタン社のご紹介がありました。

株式会社テイタンは、日本全国に広がるネットワークと創業100年の歴史を持つ調査会社で、東京都弁護士協同組合の特約店にも加入されています。

また、世界探偵協会(WAD)にも加盟されているため、日本国内だけでなく、海外調査の窓口も持たれています。

弁護士の先生向けのサービスとしては、主に以下4つを展開されています。


・筆跡鑑定

・裁判資料、証拠、各種情報の収集

・行動・所在などの確認調査

・各種保険に付随する調査サポート


 

詳しくは、テイタン社の公式HP(https://www.teitan.co.jp/)をご覧ください。

 
 
パネルディスカッション
 
 

ここからは、「『デジタル調査×アナログ調査』、いま証拠はどこまで収集できる?」と題したパネルディスカッションの模様を、ダイジェストでお伝えいたします。

セミナー前半の講演で登壇されたネットエージェント株式会社の村田学氏に加え、同社コンサルタント・初山智徳氏、株式会社テイタンの事業部副部長殿の3名でのディスカッションとなりました。


●最初に
司会による導入からスタート。

デジタルデータが世の中に溢れている昨今。
伝統的な調査会社のテイタン社と、デジタルデータの調査に強いネットエージェント社の両方の力が必要な時代になってきている。

そこで、今回は2社にご同席いただいて、証拠をどこまで調べられたり、獲得できるのかについて、お話いただきたい。



●企業からの相談が多い調査

テイタン社の事業部副部長殿は、企業内での不正行為や労務関連が多いと回答。
一例として、休職中の副業調査についてお話された。

この調査では、尾行や張り込み調査を行う。
調査対象者が、朝一定の時間に駅に行って、一定の地域に留まっていたり、他社のオフィスに入って、数時間出てこない状況だと、副業をしている疑いが強い。

社用携帯を持ち歩いている場合は、そこから行動記録を取得できることがある。
携帯を貸与している企業側で携帯内の情報を調べてもわからない場合は、ネットエージェント社に代表されるデータ調査会社の出番になる、とのこと。

一方、ネットエージェント社の初山氏は、社員がリベートをもらっているかどうかの調査を行った実績がある、と回答された。

とある取引先に架空発注をして、その発注先から見返りとして、契約とは別に、金品を受け取っていたり、接待や会食などの飲食という形で見返りをもらうなどのケースが散見されている、とお話された。

なお、このような調査の場合、取引先とやりとりしたメールや文書ファイルなどの電子データの調査はネットエージェント社が、接待などで飲食する現場を証拠として確認したいなどという調査は、テイタン社が得意とする領域になる、とのこと。

その他、学校法人内での誹謗中傷や企業内で出回っている怪文書、社内不倫調査、嫌がらせとして、同僚女性の写真をアダルトサイトへアップロードするなど、様々なトラブルについて話題に上った。



●実際にあった労務問題の調査

近年、話題に上ることが特に多い労務問題。
ネットエージェント社の初山氏は、過労死の調査依頼について語られた。

このセミナーの前半で、ネットエージェント社の村田氏からお話のあった残業代未払い調査の事例と同様に、企業側は、調査対象者に対し長時間勤務になるほどの仕事量を渡していなかったと考えており、まずは、調査対象者が残業中に行なっていた仕事内容について調査することになった。

なお我々ネットエージェント社の調査だけでは不十分な場合は、デジタル調査では追いきれない、副業の有無や生活態度、交友関係などの調査をテイタン社に代表されるアナログに強い調査会社にお願いする、とのこと。

テイタン社の事業部副部長殿は、とある企業で起きた転落不審死の調査について紹介された。

こちらは、企業側からではなく、遺族側からの依頼とのこと。
とにかく周囲の人々に話を聞いて回ることが重要な案件だったそうで、調査を進めた所、社内でいじめらしきことがあったことが判明した。
 
 
 
 
 
 
 

●デジタル調査時のアカウントやID、パスワードの扱い

ネットエージェント社の初山氏は、デジタル調査時に、調査対象者のグーグルアカウントがあるとかなりの情報を追うことができる、と述べられた。
反面、アカウント情報は個人の所有物になるため、本人の了承がないと、不正アクセス禁止法に抵触してしまう可能性があり、判断が難しい部分もあるとのこと。

また、相続に関する故人のご家族からのご相談で、「故人がネットバンキングや仮想通貨をやっていたので、その残高が知りたい」、「IDとパスワードを調べてもらって口座にアクセスしたい」、というものがあるが、これは難しい。
パソコンに残った痕跡で、どのWebページにアクセスしていたかはわかるが、実際に口座の残高を調べたり、ログインすることは、所有者でないためできない、と初山氏。

また、同社の村田氏は、電車やバスなどの公共交通機関を利用中に、スマートフォンで閲覧しているサイトやアプリにパスワードを入力する際には、ショルダーハックに気をつけるべき、と述べられた。
(ショルダーハックとは、背後や横から、パスワードやその他の機密情報を入力している人の画面などを盗み見て、その情報を不当に得ること)

特に、ストーカー被害にあっている方は、犯人からショルダーハックをされる危険性が高いため、人の目がある所でパスワードなどの機密情報の入力をしないことが大切とのこと。

同様に、カフェやオープンスペースなどでパソコン作業をする際も、大切な情報を盗み見される可能性もあるので、注意が必要なのだそう。

また、セキュリティに関しては、ZIPファイルの脆弱性も話題に上がった。



●最後に

ネットエージェント社の初山氏からは、サイバー保険のご紹介があった。

ホテル大手のマリオット・インターナショナルがハッキングによる情報漏洩を起こし、GDPR(EU一般データ保護規則)侵害で、9900万ポンド(約1億2300万ドル、約134億円)の制裁金が課されたことが記憶に新しいが、このような外部攻撃や内不正に備えて、サイバー保険に加入される企業が増えている。

また、サイバー犯罪の発生件数が増加の一途を辿っていることもあり、今後、このような保険やデジタル調査の需要は高まっていくと予想される、とのこと。

サイバー保険には、弁護士相談費用も含まれているため、弁護士の先生方にもご相談やご依頼がいく可能性があるので、お困りの際は、ぜひネットエージェント社にお気軽にご相談いただけると幸いです、と述べられた。

また、テイタンの事業部副部長殿は、アナログ調査では、時間を遡って調査するということはなかなか難しいが、逆に、今起こっていることや情報を残した当事者がどのような経緯でこのようなことをしているのか調査することには非常に強く、お手伝いできることも多いかと思うので、ぜひにお気軽にテイタン社にご相談いただけましたら幸いです、と述べられた。


このレポートでご紹介した以外にも、具体的な案件のお話がたくさん出ていましたので、ご興味を持たれた先生は、ぜひ次のセミナーにご参加くださいませ!
 


 
 

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まとめ


前編のネットエージェント社の村田氏のご講演や後編のパネルディスカッションを通して、デジタル調査の特徴や活用方法、重要性だけでなく、アナログ調査との併用で、より多くの証拠を集められることがよくわかりました。

パネルディスカッション後の質問コーナーでは、「LINEのトークデータの復元について」、「PASMOやSuicaの乗車履歴情報の取得方法」、「デジタル調査で出てきた疑わしいメールを弁護士側に報告してもらう際の形式」など、多くの質問が飛びました。

今後、必要性が増してくると予想される「デジタル調査」や「デジタル証拠」について、ご興味ご関心のある先生は、ぜひ次のセミナーに参加されてみてはいかがでしょうか。

 
 
 
 

(取材・撮影・文 / 松居恵都子)

 



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講師のご紹介

ネットエージェント株式会社

ネットエージェントは、攻撃者視点の攻撃対策で社会を守る、ホワイトハッカーで構成されたスペシャリスト集団です。
多様化する情報化社会の脅威に対し、ホワイトハッカーによる攻撃者の視点と高度な技術力をもって、社会の安心・安全に貢献できるサービスを提供し続けていきます。

■公式HP
https://www.netagent.co.jp/




株式会社テイタン

テイタンは、日本全国に広がるネットワークと創業100年の歴史を持つ信頼と伝統の調査会社です。
法人、個人、弁護士のお客様に向け、それぞれの顧客層に応じた調査サービスを提供しています。
私たちは、豊富な経験と独自のシステムで皆さまのお役に立てることを大きな誇りとしています。

■公式HP
https://www.teitan.co.jp/


 

会員弁護士数
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法律相談・問合せ数(累計)
3,041,810