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インタビュー・レポート

「納得感」を何より大切にする案件対応で高い顧客満足度を維持〜Webと人脈、どちらにも偏りすぎない集客で安定経営を実現〜

インタビュー/事例 2021年01月15日



今回は、 福岡県 久留米市 で開業されている永野 賢二先生(弁護士法人松本・永野法律事務所)に、弁護士登録をしてから現在に至るまでの歩みや仕事術について、伺いました。

永野先生は、独立や事業承継を経て、現在では九州で5つの拠点事務所を構える弁護士法人の共同代表をつとめています。さまざまな分野のトラブルを解決に導いてこられた中で、顧客満足度を高めるために心がけていることや、安定した事務所経営の秘訣などについて、お話しいただきました。(インタビュー日:2020年12月14日)。


 
記事のハイライト

・地域に根ざした法律事務所を目指して
・もっとも大切にしているのは依頼者の「納得感」
集客は、人脈とWebどちらにも偏りすぎないように

地域に根ざした法律事務所を目指して


ー 
はじめに、永野先生が弁護士を志した理由やきっかけを伺えますでしょうか。

子どものころ、親が相続トラブルに悩む姿を目の当たりにしたことがきっかけです。そのときから、法的なトラブルで困っている人を助けたいという思いが生まれ、弁護士を目指しました。


ー 弁護士活動をするうえで、大切にしている信念や心がけはありますか。

依頼者の方に納得感をもってもらうことを何より大切にしています。弁護士からの説明が不足していたり、疑問が残ったまま依頼を進めたりすると、弁護士に対する不満や不信感が蓄積し、クレームにつながるケースもあります。そのため、依頼者の方にはしっかりと納得してもらうことを意識しながら、対話をしています。


ー 現在、九州で5つ(福岡に4つ、長崎に1つ)の事務所を展開されています。どのように拠点を拡大されていったのでしょうか。

独立して最初に事務所を開設したのは、福岡市から少し離れた場所にある朝倉市です。私が独立を考えたころは、まだ弁護士の数が今ほど多くなく、地元にも弁護士はほとんどいませんでした。出身地で地元の人達のために仕事ができたらと思い、朝倉市で事務所を開設しました。

その後、弁護士活動を通じて、多くの方とお付き合いする場が広がりました。次第に朝倉市の事務所だけでは対応が難しくなり、久留米市に新しい拠点をつくりました。ここが現在私の拠点となっています。

その後、勤務弁護士時代の代表弁護士が経営していた福岡の事務所と合併し、現在の「松本・永野法律事務所」ができあがりました。

更に地域の方からの需要に応えるため、2019年1月に大牟田市へも拠点を開設しました。同時期に長崎市にある事務所とも合併し、現在の事務所構成となっています。

このような経緯で事務所の拡大をしてきたので、代表弁護士という立場ではありますが、事務所が自分のものという感覚はあまり持っていません。将来的に別の方へ引き継いだとしても、現在の事務所が地域に根ざした法律事務所としてずっと残っていけたら良いと思っています。


もっとも大切にしているのは依頼者の「納得感」


ー 
多く手がけられている案件はどの分野ですか。

法人の案件では、顧問弁護士を通じた企業法務、個人の案件では、交通事故、借金問題、相続、離婚の4分野です。

勤務弁護士のころは企業法務の案件をメインに扱っていましたが、独立してからは事務所経営を続けるために取り扱う分野を個人の方の業務にも広げる必要がありました。現在は企業法務の案件も増え、私自身とつながっている顧問先だけでも100社を超えましたが、継続して個人の案件であるこの4分野にも注力しています。

法人の案件で顧問先を増やすために努力したのは、経営者と同じ目線に立って話をすることです。

えてして弁護士は、法的問題でないものは自らの範疇外と捉える傾向があります。しかしながら、経営者と話をする際には、法的な問題というよりは経営的にどちらがいいか検討すべき案件や、キャッシュフロー等を念頭に置いて新しいビジネススキームを構築する案件等を弁護士に相談する経営者も数多くいます。

弁護士業務とはあまり関係なくても、経営者からビジネスに関する相談や税務・労務・登記に関する相談を受けたり、雑談でもそのような話が出た場合は、自分のビジネスに対する知見や人脈を経営者にアピールするチャンスだと考えています。

このような場合に、法的な問題ではないので自分の範疇外とするのではなく、経営者と同じ目線で一緒にビジネスについて考えることで経営者との信頼関係が生まれ、結果的に顧問契約に行きつくことがよくあります。

また、個人の案件について、交通事故、借金問題、相続、離婚の4分野に注力したのは、Webでの集客がしやすいこと、比較的受任率が高いこと、依頼者への対応をスキーム化しやすいこと等が挙げられると思います。

事件の受任率を上げるうえで注意していることは、法的な知識がない依頼者に解決への道筋や解決までの流れを理解して納得感を持ってもらえることです。これを一言で表現するのは非常に難しいですが、各事務所の先生方に相談時の対応スキームを徐々に浸透させ、少しでも事務所の受任率を上げるような体制を整える努力をしています。


ー 相談者や依頼者の方に満足してもらうために心がけていることはありますか。 

初回の法律相談の時点で、相談内容に対する結果の見通しや、タイムスケジュールを伝えることです。見通しやタイムスケジュールを伝えない弁護士も少なくありません。断言できない部分もあると思いますが、解決までにかかる大体の期間や着地点がわかってスッキリしたと言っていただき、正式な依頼につながったこともあります。もちろん、案件に着手した後にスケジュールが変わることもあります。その時は、なぜ変わったのかを依頼者へきちんと説明すれば、トラブルになることは無いと思います。

また、レスポンスの速さも重要です。所属している弁護士には法人用の携帯電話を支給し、依頼者の方とスムーズにコミュニケーションを取れるように工夫しています。LINEの公式アカウントも作成し、名刺の裏にQRコードでLINEのアカウントを読み込めるように印刷してあります。相談者や依頼者の方には、弁護士へ気軽に連絡ができるような感覚を持ってもらえると良いと考えています。


ー 現在、5つの拠点事務所に弁護士が12名、事務所スタッフが14名在籍されています。事務所内のコミュニケーションで心がけていることや、工夫されていることは何ですか。

一緒に案件対応をすることもあるので、所属弁護士とは頻繁に連絡を取るように心がけています。また、各拠点の所長弁護士とは、支店長会議を定期的に開催し、情報共有の場を設けています。事務所の全メンバーに向けて情報を発信する際には、事務局の総務担当に情報を取りまとめてもらい、適切に伝わるようにしています。


ー Web集客の手段として、ホームページと弁護士ドットコムのプロフィールページを利用されています。Web集客を始めようと思われたきっかけを伺えますか。

時代の変化が大きく影響しています。以前は各自治体の公報や市報など、紙媒体での広告掲載に力を入れて集客していました。しかし、時代が進むにつれてインターネットが普及し、多くの人がWebサービスを利用する環境になりました。そこで、集客のアプローチを紙からWebに切り替えた方が良いと判断し、Webでの集客を始めました。

Web集客を扱う業者は複数ありますが、信用できるか不安がありました。そういった意味で、弁護士ドットコムは業界内での知名度があり、しっかりと対応してもらえると感じたことが利用する決め手になりました。

現時点で事務所に来ている案件のうち、5割はWebを経由しています。事務所のホームページだけに集客を絞らず、集客力を補完するために弁護士ドットコムのプロフィールページを活用しています。


ー 事務所のホームページはいつ頃制作されましたか。

独立した2011年ころに初めてホームページを作りました。その後、事務所の拡大に伴って事務所名やドメインが変更になったので、現在掲載されている内容へリニューアルをしています。

ホームページをリニューアルする時に重視したのは、お客様からの評価がよりわかるページを掲載することです。そのために、事務所に対する顧客満足度やアンケート、事件の受任件数や相談件数などを掲載しました。実際の数字を元にしたデータを掲載することには、特にこだわりました。

Web集客において、ホームページを作るだけではあまり意味がありません。お客様から内容を見てもらうために、どのように更新するかを考えて作ることが大切だと思います。


集客は、人脈とWebどちらにも偏りすぎないように

ー 
永野先生の今後の展望について、お聞かせください。

まず、事務所の展望として、事務所で働く弁護士や従業員が長く勤めたいと思える事務所にしたいです。組織で一緒に仲間として、夢を語っていけるようにしたいです。

そのために、代表だけですべて決めることはせず、支店長会議で事務所の収益状況を見ながら、給与や役員報酬、昇給などの待遇を話し合って決めています。複数の拠点を持っている事務所の場合、経営に参画しているという意識が一番大事だと思います。みんながちゃんとやりがいを持って、「自分の事務所」という感覚で仕事に取り組める環境にしたいです。

そうした組織づくりのため、私自身は、「奉仕型のリーダー」になることを目指しています。奉仕型のリーダーとは、アメリカのシリコンバレーで取り入れられているリーダシップ理論です。簡単に説明すると、「上司は部下に権限を委譲して、仕事の進め方を任せる。権限を委譲する代わりに、将来のイメージを示して働きやすい環境を整え、部下に対して自発的な成長を導くためのアドバイスや、振り返りの機会を提供する」といった、組織のメンバーのパフォーマンスを高めるための、これまでになかったリーダー像です。

弁護士事務所も組織です。組織では、人が動かなければ何もできないし、仕事は成り立ちません。「奉仕型のリーダー」像を、所属している弁護士や事務局のメンバーが動きやすい環境を考えるときの指針にして、最終的には相談者や依頼者の方の満足感へつながるようにしていきたいです。


ー 今後、独立を考えている先生方にアドバイスをお願いします。

集客について、人脈とWeb集客のどちらも意識することです。売上には波があります。SEOなどの影響で問い合わせが減ってしまった時は、紹介案件の売上で補完する。逆に、紹介案件の売上が芳しくない時には、Web集客で獲得したお客様の案件売上で補完する。互いに補完し合うことで、安定して売上を出すことができると考えています。

また、弁護士は、人間的な魅力を身につけることが必要ではないかと考えています。「この人にお願いしたら、なんとかしてもらえる」と思ってもらえるような、相手にとって頼もしい存在になることです。魅力的な人には自ずと人脈が広がります。

何が人脈につながるのかはわかりません。面倒くさいことや気がすすまないことなど、無駄な付き合いに感じたとしても、取り組んでみてほしいです。礼儀正しく、信頼関係を築くために相手ときちんと対話することを意識して接すると、その後のお付き合いにつながってくると思います。

また、異業種とのつながりも大切です。私は、税務や登記など弁護士の専門分野ではない相談を受けたとき、相談者に該当する士業の先生をご紹介しています。ご紹介した先生がスムーズに適切な対応をしてくれると、その相談者は、また次に法的な問題を抱えた場合には、自分のところに戻ってきてくれます。急な案件にも即動いてくれる関係性ができている他士業の先生とのつながりは、1つの武器になると思います。

あともう1つ、人脈を広げていくアドバイスとしては、他者に自分を紹介してくれる、豊富な人脈を持つキーパーソンを得ることが大事です。士業に限定せず、様々な業界で私には20人くらいいます。先にお話した人間的魅力にも通じますが、キーパーソンの周囲で何か困った事態が発生した時に、自分に対して最初に相談してもらえるような関係が理想的です。先程あげた事例のように、直接自分に関係がない相談に対しても、話を聞いてしっかり対応することを積み重ねていけば、唯一無二の人間関係を築いていけると思います。 



 

(取材・文 / 横山実紀)

 


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永野 賢二 先生のプロフィール



◆弁護士法人松本・永野法律事務所について
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福岡県内4拠点(福岡市、久留米市、朝倉市、大牟田市)、長崎県内1拠点(長崎市)に事務所を置き弁護士は11名在籍しており、それぞれの特徴を活かし、ご相談者様の為に様々なお悩みや法的トラブルを全面的にサポート致します。

◆創業60年の経験と実績
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当事務所は、創業から約60年にわたり、福岡の地で様々な案件をサポートしてまいりました。その間の経験と実績が当事務所の誇りでもあります。経験豊富な弁護士が多数在籍しておりますので経験をもとに安心の解決策をご提案いたします。

◆ご依頼者様の価値観に基づいたよりよい解決を
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弁護士や法律事務所という言葉から思い浮かべられるイメージは、「敷居が高い」、「弁護士に相談するなんて大変なこと」といった感じではないでしょうか。
このようなイメージから、相談が遅れてしまい、「もう少し早く来てくれれば……」と思った経験が何度もあります。

そんな方々を一人でも減らしたい、一日でも早く問題を解決して差し上げたい。
私は、友人や家族に相談するのと同じ感覚で、弁護士にも相談してほしいと考えております。

地域の皆様にとって最も身近で愛される法律事務所を目指して、今後も1つ1つの案件を誠心誠意サポートしていきたいと考えております。


【所属弁護士会】
福岡県弁護士会

【主な取扱分野】
・交通事故
・借金・債務整理
・遺産相続
・離婚・男女問題
・企業法務・顧問弁護士

【Web】
・WEBサイト https://mn-law.jp/
・交通事故  https://jiko-fukuoka-nagasaki.net/
・借金問題  https://saimu-fukuoka-nagasaki.net/
・相続・遺言 https://isansozoku-fukuoka.net/
・離婚相談  https://rikon-fukuoka-nagasaki.net/


弁護士ドットコムのページ
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