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治安部隊による殺人やレイプの証言も…ミャンマー少数民族ロヒンギャ、弾圧の解決訴え
ロヒンギャ難民のゾーミントゥさん

治安部隊による殺人やレイプの証言も…ミャンマー少数民族ロヒンギャ、弾圧の解決訴え

仏教徒が多数派を占めるミャンマーで、イスラム少数民族「ロヒンギャ」に対する弾圧が激しくなっていることを受けて、日本在住のロヒンギャ難民の男性と人権団体が12月22日、都内で記者会見を開き、日本を含めた国際社会が問題解決に向けて、ミャンマー政府に働きかけるよう訴えた。

ビルマ人中心のミャンマー政府から長年にわたり迫害を受けているロヒンギャの多くは、ミャンマー西部のラカイン州に多く暮らしている。そのラカイン州で今年10月、ロヒンギャの過激派とされる武装組織が警察施設を襲撃して以降、治安部隊がロヒンギャに対して虐殺やレイプ、放火などの弾圧をおこなっている疑いが生じている。

ミャンマー政府は弾圧を否定しているが、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が調査したところ、バングラディシュに逃れたロヒンギャ難民から、治安部隊による殺人やレイプ、略奪・放火などの証言があったという。また、衛星写真をもとにした解析などから、少なくとも1500棟以上の民家が燃やされていたことがわかった。

HRW日本代表の土井香苗弁護士はこの日の会見で、「ロヒンギャに対する人権侵害をすぐに止めるべきだ。そのためには、国連が参加する独立した調査が必要だ」と指摘した。また、国際人権NGOのヒューマンライツ・ナウの伊藤和子弁護士も、現地での取材活動が制限されていることに触れて、「ミャンマー政府が実際に何が起きているかわからないようにしていることが深刻な問題だ」と話した。

日本で難民認定を受けたロヒンギャのゾーミントゥさんは、日本政府に対してロヒンギャ問題の解決を繰り返し訴えてきたことを強調したうえで、「日本政府がミャンマー政府に対して、ちゃんと働きかけてやってくれないことは残念だと思っている」と述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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