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米国人男性「警察の違法捜査を受け、PTSDが悪化」慰謝料求め、東京都を提訴
原告の男性

米国人男性「警察の違法捜査を受け、PTSDが悪化」慰謝料求め、東京都を提訴

警察から違法な職務質問や捜索を受けたことで、名誉を傷つけられたうえ、当時患っていたPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が悪化したなどとして、アメリカ国籍の40代男性が6月23日、東京都を相手取って、慰謝料200万円と謝罪文の交付を求める訴訟を東京地裁に起こした。

●許可してないのに車の助手席ドアを開けられた

訴状などによると、原告の男性は都内で、日本人の妻と子どもと暮らしている。2015年3月、在留資格更新のために池袋で車を運転していたところ、警視庁池袋署の警察官が「なんで外人がこの車を運転するの?」などと、何の嫌疑もないにもかかわらず、職務質問をしてきたという。

警察官はさらに、男性の許可がないにもかかわらず、助手席のドアを開けて、グローブボックス(小物入れ)を調べるなど、プライバシーを侵害するかたちで車内を捜索。その後、男性を池袋署に同行して、約3.5時間にわたって取り調べたうえ、謝罪文を書かせたという。

男性は当時PTSDを患っていたが、一連の捜査を受けて、その症状が悪化したそうだ。

●「今でも警察はこわい」

男性は提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開き、「とてもこわかった」と捜査を受けた当時の心境を振り返った。「日本の運転免許も持っていたし、スピードも出していなかった。なぜ警察は私に意地悪したのか。日本は好きだけど、今でも警察はこわい」と語った。

男性の代理人をつとめる戸舘圭之弁護士は「(日本人の)私が運転していたら、こういう事態にならなかった」と述べ、捜査の背景に外国人差别があったことを指摘した。また、磯部たな弁護士は提訴の意義について「警察に違法なことをおこなったことを認めさせ、反省・謝罪してもらうことだ」と説明した。

(弁護士ドットコムニュース)

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