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風俗嬢、確定申告の業種欄でドキッ! 正直に「風俗」と書かないといけない?
写真はイメージ(よっし/PIXTA)

風俗嬢、確定申告の業種欄でドキッ! 正直に「風俗」と書かないといけない?

確定申告のとき、風俗で働いていることを税務署職員に伝えなければならないのかーー。こんな質問がインターネット上の掲示板に寄せられている。

投稿者は風俗店で勤務しており、初めて確定申告に行くという。しかし、業種記入欄に自分の仕事をどう記入すれば良いのか分からないそうだ。

「とても言いづらいのですが何か良い言い方はありませんか」と投稿者は悩んでいるが、風俗店勤務の女性が確定申告するにあたって、自分の仕事を明らかにせざるをえない場面はあるのだろうか。藤井一弘税理士に聞いた。

●「風俗」という書き方でなくてもいい

「風俗従業者(従事者)、特に性風俗従業者については、自分の身元や本名を明らかにしづらい部分があります。またそもそも申告書の作成方法について業種的にも参考となる図書等も少なく、困られる方も多いのではないでしょうか。

確定申告書の職業欄、業種欄についてですが、税務署では所得率判定や統計上のデータとしても利用されることから、一定の正確性が求められますが、おおよそ内容が想像できるものであればそれでも構わないのです」

具体的にはどういうことなのか。

「まとめますと、

(1)職業欄には大分類として「自営業」「アルバイト」でよい(もし正業で昼の会社員をやっている場合はその職業)

(2)業種欄→自分で思っている職業で良い。決まりはない

例としてネット広告関連業、アウトソーシング、フリーランス、接客業、飲食接待業、その他のサービス業、その他の生活関連サービス業等などが考えられます(申告書の収支計算書や青色申告決算書の内容を理解できるものとすることが重要です)。

あまり仕事の内容をわかりにくいものにすると、後日税務署から問い合わせ等がある場合があります」

そもそも、業種欄にどういう意味があるのか。

「業種(欄)は国税サイドでは、消費税の課税、非課税業種の判定や必要経費科目の類推の判断に使われます。また、個人事業税の課税関係に影響するときがあるので注意が必要なのです。

また公の書類として申告書写しを提出して審査や許可を受ける場合には、この部分について具体的に説明を求められる場合があります。

納税証明書、所得証明書には本人の職業、業種名は記載されません。職業バレ、身バレについて警戒しているのであれば、

(1)作成は税理士などのプロに任せるなどすること、

(2)申告書の数字(正確な納税額など)および内容についてきちんと説明できるようにしておくこと、

(3)むやみに申告書を役所以外に提出したり、他人に見せたりすることのないようにすること、が肝心です」

【取材協力税理士】

藤井 一弘 (ふじい・かずひろ)税理士

税理士・行政書士として、デリヘル、キャバクラ、ホストクラブ等、ナイトビジネス経営者の税務顧問やコンサルタントを手がける。税務署・国税局の税務調査・査察関連の対応歴35年。調査立会日数は400日を超える。税務調査の立ち会いはもちろん、突然の無予告調査対応、納税額、納付計画の代理交渉の実績多数。また、性風俗営業・風俗営業の警察許可申請や風俗業者の社会保険手続の実績も多数有り。日々、全国からナイトビジネスについての相談が寄せられている。

事務所名:藤井一弘税理士事務所

事務所URL:http://www.deli-kaikei.com/

(弁護士ドットコムニュース)

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