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女性税務署員がホスト狂い→実は内偵調査 覆面税理士が暴露する「税のヤバい世界」
匿名を条件に税理士として驚いた経験を語ってもらった

女性税務署員がホスト狂い→実は内偵調査 覆面税理士が暴露する「税のヤバい世界」

税理士と接したことがない人は、税理士にどんなイメージを持っているでしょうか。数字にうるさくて怖そう?地味で目立たなそう?それとも…。

顧客である法人や個人が適正に税務申告できるよう、全力を尽くす税理士たちのもとには日々、限りなく黒に近いグレーな話も含め、様々な相談が舞い込みます。

今回、税理士ドットコムトピックス編集部では、税理士として10年以上のキャリアをもつ二人の税理士に「余すことなく、これまでに見聞きしたトンデモ税務相談」を教えてほしいと依頼。粘り強い交渉の末、匿名・覆面であることを条件に秘話を語ってもらうことに成功しました。二人の覆面税理士Aさん、Bさんが明かす刺激的な話にお付き合いください。

●国税局がUSB返さない

ーーこれまでに、どんなトンデモ事例がありましたか

覆面A「そうですね。親子三代にわたってマネーロンダリングをしていた会社が東京都内にありました。複数の企業を経営している方で、そのうちひとつの会社の帳簿をごまかしていた。しかも、愛人を特殊関係人として役員扱いにもしていましたね。

私が関与する前に改ざんをしていたために、私は何も問題視されませんでしたが、厳しい税務調査が入ったこともあってびっくりしました。私が開業して3年目くらいのことで、その方は確か、法人税法違反か何かで逮捕されたんじゃなかったかな」

ーー国税局査察部の調査に立ち会ったことはありますか

覆面A「はい。『マルサ』(査察部)の立ち会いはこれまでに3回したことがあります。普通の税務調査と雰囲気が違います。3回とも『反面』でした。反面というのは、私が税理士として関与している法人(顧客)が取引している相手方に税務上の問題があって、それと突き合わせるために、こちらの帳簿を調べることを言います。

『会計データをくれ』と言ってきたので、仕方ないからPDFを印刷したものを渡すと伝えたら、『かさばるからデータでよこせ』と。じゃあ、USBメモリはあるのかと聞くと、国税局は『ない』って言ったんです。

なんでそんな反面のためにうちの備品を出さなきゃいけないんだ、って思うでしょ。それで腹が立ったけど、すったもんだの末、結局はうちからUSBを用意してデータを提供しました。いまだに、そのUSBを返してこないですけどね」

ーーお客さんに対して怒ったことはありますか

覆面B「私は、すごくいい子でいてくれたはずのお客さんが、私が把握していない帳簿外でお金のやりとりをしていたことが判明した時、めちゃくちゃキレちゃいました。『何してくれてるんだ!』って。これが発覚した税務調査のあと、『これからは絶対悪いことをしない』と誓わせました。

あとは、現金商売だと悪事を働きやすいというか。飲食店とかって、お金をレジから抜きやすいんですよ。こっそりそれを別に貯めておいて、売上計上しない。そうすれば、そのぶん、税金が安くなるって考えるんでしょうね。よくない考えです」

覆面A「そういうのはバレるようにできています。税務署は、業態ごとにこれくらいの利益が出るんじゃないかという相場を持っています。そのレンジから大きく外れちゃうと、おや、これは怪しいということで目をつけられるわけです。税務署は、酒屋さんに飲食店の仕入れ具合を聞いたりもしています。そこから推測できる部分があるので」

●領収書でゼロを書き足しちゃう、バレバレ手口

ーー経費の話でひどかったものをいくつか教えてください

覆面A「結構ひどい人はいますね。料金が1,000円の時ってお店で領収書を書いてもらうと『¥1,000ー』と最後に横棒が入るじゃないですか。その最後の横棒と、最後のゼロとの間に、ゼロを書き足す人がいるんです。ものすごく狭くて不自然なんですけどね。例えば、ラーメン屋さんの領収書で不自然に『¥1,0000ー』というのがありました。もう、点の位置もおかしいし、バレバレです」

覆面B「こういうのは一事が万事。同じことを繰り返しやってきた人なのだろうなと思います。やめましょう。こういう浅知恵系はすぐにばれちゃいます。一番左に1を書き加えて、『¥11,000ー』とするのもダメです」

覆面A「あとは、コンビニの領収書が毎週5,000円くらいの人がいました。領収書には『書籍』って書いてあるんです。勉強熱心と思いきや、実はタバコをカートンで買って、そこに雑誌を1冊加えてレジで会計していたんです。で、コンビニ店員が領収書にどう記載するか尋ねると『書籍で!』と言っていたんですね。

これ、どういうことかと言うと、書籍だと情報収集のためとして経費算入がしやすいんです。ただタバコは普通に考えて無理です。経費にはならない。だから、『書籍』と領収書に記載させて、少しでも経費を増やして税金を浮かそうとしたんですね」

●ホストクラブ「二重帳簿」

ーーいわゆる夜のお店は税務申告を適正にやっているんでしょうか

覆面A「そこはちゃんとやっているところは少ないんじゃないですかね。そもそも無申告で何年もやっちゃってしまっているところも少なくないと思います。

私の経験で言うと、何年も無申告だったあるホストクラブが税務調査に入られるということで、慌てて私に立ち会ってくれと言ってきたことがありました。それで立ち会ったわけですが、そのホストクラブは帳簿が二重にあったんです。

帳簿が二つあると、税務署としてもどちらが真の帳簿か検証しなければいけませんよね。それで税務署がしたのは『内偵調査』でした。女性の税務署員を3回、ホストクラブに客として行かせていたようで、その3回の売上が計上されている方が真の帳簿ですよねと。ホストクラブ側は言い逃れできませんでした。税務署恐るべし、でした」

ーーここ最近の新たなトピックとしては、昨年あたりから仮想通貨の税務申告について気にする人が増えていますよね。どう思いますか

覆面B「仮想通貨ですが、2017年はかなり儲かった人が出て『億り人』なんて言葉も出ましたよね。だから、次の確定申告(来年2月ー3月)では仮想通貨の申告の仕事が税理士としては増えると思うんです。

ただ、まだ仮想通貨の歴史が浅いこともあって、取引業者による様式も十分整っていないと感じています。無申告者が多くなり、摘発される人が増えると懸念しています」

(弁護士ドットコムニュース)

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