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元阪神エース・井川慶氏「年収ゼロ円」も焦りなし 現役時代の手取りはどのくらい?
阪神タイガースの本拠地・阪神甲子園球場(シゲポン / PIXTA)

元阪神エース・井川慶氏「年収ゼロ円」も焦りなし 現役時代の手取りはどのくらい?

独立リーグの兵庫ブルーサンダースを2017年11月に退団した井川慶氏(39)が現役復帰を目指し、トレーニングを続けている。その様子が、7月22日のフジテレビ系「ニチファミ! 特捜!激撮!張り込みマネースコープ」で放送された。

井川氏と言えば、2003年に星野仙一監督のもと20勝をあげ、チームを18年ぶりのリーグ制覇に貢献した阪神の元エースだ。2015年にオリックス・バファローズを退団し、2016年から独立リーグでプレーしていた。

放送によると、現在の井川氏は「年収ゼロ円」。それでも、「今すぐ仕事をしなくてはいけないっていうわけでもないので」と話していた。

それもそのはず、全盛期の井川氏は、阪神で年俸2億円超を稼いでいた。成績は残せなかったが、5年総額2000万ドル(約22億円)でメジャーリーグのヤンキースでプレーしたこともある。

元々、節約家でも知られているが、仮に年俸だけで考えたとき、井川氏の手取り総収入はどのくらいになるのだろうか。小林拓未税理士に聞いた。

●生涯年俸の半分ほどが税金

「阪神タイガース、ニューヨークヤンキース等でプレーした井川慶氏の生涯年俸は、32億

1380万円程度と推定されています」

ーー改めて、すごい金額ですね。

「ただし、年俸そのままが手取り金額となるわけではありません。年俸には、所得税、住民税、消費税などの税金がかかってきます。

プロ野球選手は個人事業主ですので、収入から経費を引いて所得を算出し、それに税率をかけて税金を求めますが、一流プレーヤーになると、年俸の半分ほどが税金になります」

ーー井川氏の場合はどうでしょうか?

「たとえば、井川慶氏の2006年の阪神タイガース在籍時の年俸は2億3000万円です。

当時の所得税は2億3000万円×37%−249万円=8261万円、住民税は2億3000万円×10%=2300万円と推測できます。おおよそ46%が税金です」

ーー現役時代トータルでは?

「各年毎に所得税と住民税を計算してみた結果、税金の合計は約15億6271万円になります。したがって、生涯年俸から税金を引いたおおよその手取り額は、年俸32億1380万円−15億6271万円=16億5109万円程度と推測できます。

ただし、この数字は、年俸以外のCMやグッズ売上等の収入、経費部分、社会保険料、消費税については考慮しておらず、単純に収入×税率で計算しています。

また、ヤンキース時代の年俸は、いったんアメリカで課税されるものの、日本で全世界所得として申告を行ったものとしています」

●お金の管理のうまさ

ーーいくら億単位の手取りがあるとはいえ、選手寿命の長さを考えると、稼ぎの半分を税金に持っていかれると不安かもしれませんね。

「体の維持費も自分持ちでしょうからね。プロ野球選手の場合、専属トレーナーの人件費や、車、ガソリン代、サプリメント、トレーニング器具、海外自主トレーニングの費用などが経費として認められると思われます。

また、契約金などは、『変動所得・臨時所得の平均課税』という税務上の特例を使うことができますが、それでも多額の税金を支払うことには変わりがありません」

ーー名選手でも引退後、苦労するという話も聞きます。

「住民税は、半年遅れで課税されますので、現役を引退して収入が無くなった翌年や、年俸が大幅に下がった年については、支払いに苦労することがあります。

井川氏は現役時代からその華々しい活躍とは裏腹に、倹約家としてのエピソードが伝えられています。多額の年俸を稼ぎ、多額の税金を納めてはいるものの、派手にお金を使うことがないため、数年間収入ゼロでも問題ないのかもしれませんね」

【取材協力税理士】

小林 拓未(こばやし・たくみ)税理士

東京都中央区にて平成19年から開業。「専門家として、長期的な視点で顧問先の発展に尽力する」ことを経営理念に掲げる。平成30年1月から社会保険労務士業務も開始。8月にはオフィス拡大のため事務所移転予定。

事務所名 :税理士法人石川小林

事務所URL:https://www.ktaxac.com

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