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ふるさと納税で「学校にエアコン設置」、猛暑で寄付金倍増 奈良・生駒市「ぜいたくと言わないで」
写真はイメージです(hanapon1002 / PIXTA)

ふるさと納税で「学校にエアコン設置」、猛暑で寄付金倍増 奈良・生駒市「ぜいたくと言わないで」

日本各地を記録的な猛暑が襲っている。子どもを熱中症から守るため、学校ではエアコンの使用や設置を認めるべきかどうかをめぐり、論争が沸き起こっている。「昔はエアコンなんてなかったんだ」と考える学校側の硬直的な対応も目立ち、怒り心頭の保護者も多い。

●「エアコン設置コース」への寄付、反響大きく

今回の深刻な暑さを予期したわけではなさそうだが、奈良県生駒市(人口12万人)の取り組みが話題だ。生駒市では、ふるさと納税で得たお金の使い道の一つに「市立小中学校へのエアコン設置」を2018年4月1日から追加した。生駒市にふるさと納税をした人が選べる。

生駒市ホームページ(HP)で、「贅沢だと切り捨てないで!小中学校エアコン設置コース」として紹介。また、同じHP上の市長日記には「30年前と比較して、奈良県の7月の最高気温の平均は3.9度上昇しています」とあり、エアコン導入の必要性が記されている。

生駒市によると、熱中症被害が各地で伝えられたこともあり、「反響は大きい」(課税課の担当者)。ふるさと納税の寄付額は約440万円で、このうちエアコン設置コースを指定しての寄付は83万円(7月25日時点)。ここ1週間で寄付額は2倍以上に増えた。

●2019年夏までにエアコン設置完了へ

生駒市では2016年夏に市立中学校の生徒が部活動中に救急搬送され、熱中症の症状で亡くなった。この反省も生かし、エアコンの設置を進めようとしている。市内の小中学校にエアコンの設置を完了するためには、約15億円の費用がかかるという。国の補助金なども活用して整備を急ぐが、ふるさと納税の寄付金も生かしたい考えだ。

7月27日には、深刻な暑さを受け、前倒しでのエアコン設置方針を発表。生駒市は「今年のような異常気象がもはや『異常』ではなく、来年以降も起こる可能性が十分あることを考慮し、予定していた整備スケジュールを大幅に前倒しし、国や県の支援が得られなくても、来年の夏に間に合うよう、市内の小・中学校全てにエアコンを設置します」としている。

(弁護士ドットコムニュース)

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