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ハリル氏「3年の努力とサポーターの思いが否定された」 協会と田嶋会長を提訴
ハリルホジッチ氏の代理人たち

ハリル氏「3年の努力とサポーターの思いが否定された」 協会と田嶋会長を提訴

サッカー日本代表前監督のバヒド・ハリルホジッチ氏が5月24日、日本サッカー協会から監督を解任されたあと、同協会の田嶋幸三会長の発言で名誉を傷つけられたとして、田嶋会長と同協会を相手取り、慰謝料1円と謝罪広告の掲載などを求める訴訟を東京地裁に起こした。

代理人をつとめる金塚彩乃弁護士が提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いて明らかにした。請求額が1円である理由について、「お金ではなく、謝罪をもとめているからだ」と説明した。日本サッカー協会は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して「(提訴について)現時点でコメントはない」と回答した。

●ワールドカップ目前に監督を突如解任された

ハリルホジッチ氏は2015年3月、サッカー日本代表監督に就任した。それから約3年間、代表監督をつとめて、この間にワールドカップ・ロシア大会の本大会出場を決めた。ところが、6月14日開幕のロシア大会を目前に控えた4月7日、日本サッカー協会から監督を突如解任された。

訴状などによると、田嶋会長は4月9日、記者会見を開いて、ハリルホジッチ氏との契約を解除したことを発表した。その際、田嶋氏は、選手とのコミュニケーションや信頼関係が薄れたことを理由としてあげた。一方、金塚弁護士によると、ハリルホジッチ氏本人は、選手たちとのコミュニケーションを大事にしていたという。

「コミュニケーションをとれないような人格だといわれたことを問題としている。サッカー人生をかけて築き上げてきたことが崩された」「個人としてだけでなく、監督としての名誉や信用が毀損された」「具体的にどんなコミュニケーションの問題があったのかあきらかにされていない」(金塚弁護士)

ショックを受けたハリルホジッチ氏は4月下旬に来日し、記者会見を開くなどして、日本サッカー協会側に説明をもとめる姿勢を見せていた。金塚弁護士によると、ハリルホジッチ氏は、オフレコでいいので、納得のいく説明と謝罪があればと考えていたが、これ以上待っても誠実な対応がないとして、提訴に踏み切ったという。

●ハリルホジッチ氏「裁判を起こすよう求めることしかできませんでした」

ハリルホジッチ氏は、代理人を通じて、次のようなコメントを発表した。

「田嶋会長の様々な発言を聞き、私としては、私の弁護士に裁判を起こすよう求めることしかできませんでした。私の名誉はもちろんですが、それだけでなく、選手たちとの3年に亘る努力やサポーターたちの思いも否定されたからです。

田嶋会長には、誠実に行動するということが、スポーツの世界だけでなく、日本サッカー協会のような法人の活動の中においても求められるということを理解いただきたいと思っています。多くの人々の思いもあります。

これまでかかわってきた人々に対する一切の敬意なくなされた発言や対応を私は受け入れることができません」

(弁護士ドットコムニュース)

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