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ユッケ食中毒、元社長ら個人への請求棄却、遺族「残念で仕方ない」…運営会社へは賠償命令
ユッケ食中毒事件の遺族ら

ユッケ食中毒、元社長ら個人への請求棄却、遺族「残念で仕方ない」…運営会社へは賠償命令

2011年にユッケなどを食べた5人が亡くなった「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件をめぐり、遺族や被害者ら9人が、運営会社と元社長らに約2億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は3月13日、運営会社の責任を認めて、約1億6000万円の支払いを命じる判決を下した。元社長らについては予見可能性がなかったとして、個人に対する請求は棄却した。

この判決を受けて、原告とその弁護団が、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。原告の1人で、次男を亡くした久保秀智さん(55)は、個人としての元社長らに対する請求が認められなかったことについて「無念は果たせていない」と心境を明かした。原告側は、控訴するかどうかは検討中としている。

●事件から7年間、大事な家族を失くした思いは変わっていない

この事件は、2011年4月、富山や石川など6店舗でユッケを食べた客ら約180人が食中毒を訴えて、そのうち5人が亡くなったというもの。富山県の店舗で食事して亡くなった3人の遺族ら9人が慰謝料などの支払いをもとめていた。

久保さんは会見冒頭「白黒つける判決の場だった」と口にした。元社長らに対する請求が棄却されたことは「心残りだ」。事件から約7年間、大事な家族を失くした思いは変わっていないという。「同じ思いをする人がいないよう司法に判断してほしい、という思いが通じなかったのは、残念でしかたがない」と話した。

妻と義母を亡くした原告の小西政弘さん(54)は「本当はいろんなところに責任がある。どこに原因があったのか、民事裁判の中で、もっと開示されて、わかるのかと思っていた。会社に責任があるが元社長には責任がない、という結果だ。どこに責任があったのか見えてこない。本当に残念だ」と無念さをにじませた。

(弁護士ドットコムニュース)

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